第7回公演「ぷにぷに!泣いてつかあさい」
「ぷにぷに!泣いてつかあさい
~一人芝居オムニバス」
作・演出・出演 石崎一気
パントマイム ロウミン
演 目 「ええじゃあないか」「日記」
「子守唄」「落書きダイスキ!」他
日 時 2009年 7月20日(海の日)
昼の部:14時開演、夜の部:17時開演
(開場は開演の30分前)
会 場 アングラ劇場(広島市青少年センター・地下1階)
広島市中区基町5番61号
http://www.hitomachi.city.hiroshima.jp/y-center/
主 催 アングラ劇場実行委員会
協 力 広島市青少年センター
☆”初心者パントマイム・ワークショップ”も併せて開催されました!
講師:ロウミン
日時:2009年7月19日(日)14:30~16:30
会場:広島市青少年センター
対象:概ね15歳~30歳の方
内容:パントマイムの体の使い方、具体的なテクニック、演技、感情表現
作品解説
☆「ええじゃあないか」
「ぷにぷに!泣いてつかあさい」は、6月の東京公演「ぷにぷに号泣祭り」で上演した作品の再演を中心に構成されています。
しかし、東京公演と同じ3作品をそのまま上演すると、時間的に少し長いのと、内容的にとても重たいものになってしまいます。
普段演劇にあまり馴染みのない広島のお客様には、もう少し軽い作品の方が相応しいと考えました。
そこで、東京公演で最も重たい内容で、演劇的に複雑な構造を持った作品「夢で会えたら」を割愛することにしました。
「夢で会えたら」は、上演時間も30分に及ぶ大作でした。
また、ハイライト・シーンで寝転がって演技をするので、仮設劇場だと見えにくくなる可能性もあったのです。
広島公演では、「夢で会えたら」に代えて、とっても軽いナンセンス・コントを、公演の冒頭に上演することにしました。
時間的にも、10分を越えないショート・コントを目指しました(実際には12分程度になりました)。
内容は、広島に関するもので、広島県民だけが楽しめるような超マニアックなギャグを満載したものを考えました。
広島らしい素材と言えば、まずは広島カープです。
これは昨年「さらば!市民球場」でコント化しました。
それに続く広島ならではの素材を考えた時、僕の頭に浮かんだのが”広島風お好み焼き”でした。
お好み焼き屋さんを舞台に、誰にでも楽しめる軽喜劇を考える事にしたのです。
そこで選んだテーマが、広島県民の県民性です。
普段、東京で生活している僕だからこそ感じられる広島人ならではの特長を、思いっきりデフォルメして、笑いを取ることに挑戦して
みました。
広島を旅行した人の声や、僕が東京で指摘される特異性、広島に帰省した時に感じる懐かしい感覚をベースに、それをより面白く
表現してみたつもりです。
キーワードを”ええじゃあないか”に設定し、その反復を軸に、ストーリーを展開していきました。
”ええじゃあないか”というまさに広島人らしい言葉が、シーン毎に表情を変えていくところを楽しんでもらう趣向でした。
この作品で最も大切にしたのは、広島弁です。
今ではあまり使われなくなった”みてる”などの、濃い広島弁を散りばめてみました。
また、その言い方も、工夫してみたつもりです。
僕が子供の頃に良く見かけた、”これぞまさに広島人”というおじさんの口調を、一所懸命真似しました。
語り口に面白みを感じて頂けたのなら、幸いです。
ギャグも、広島らしいものを、練り上げてみました。
東京から来た人というだけでバカ呼ばわりするシーンは、僕自身、大好きです。
縮景園や仏舎利塔のギャグは、我ながら傑作だと思います。
前日の試合の結果を受けて、弱いカープをネタにしたのも、成功したようでした。
仕込んだギャグが一切滑らなかったのは、本当に嬉しかったです。
上演中、アングラ劇場は、爆笑と暖かい雰囲気に包まれていました。
特に、オチの台詞を言った瞬間に巻き起こった爆笑!
演劇人として、こんな幸せなことはありませんでした。
もう一つ、この作品のポイントと考えたのは、動きです。
次に上演する「日記」が、全く動かない作品なので、とにかく動きの多い作品を目指しました。
お好み焼きを焼くシーンを中心に、沢山動きました。
僕の拙い動きにも、お客様は良く反応して下さいましたね。
ちゃんと意味を理解して下さって、いっぱい笑って頂けたようです。
動きの専門家のロウミンさんも、「”ええじゃあないか”の動きが大好きです」とおっしゃって下さいました。
しかし、まだまだ動きが未熟なのは分かっています。
今後ますます、稽古を重ねていくつもりです。
実は、「ええじゃあないか」には、シリアスなメッセージも折り込んでいるつもりです。
何人かのお客様は、そのセリフを感じ取り、号泣なさったそうです。
ほとんどのお客様にはギャグに聞こえるセリフが、ある人たちにとっては感動的な言葉になるなんて素敵だと思いません?
一人の女性は、「あのセリフをメモしておいて、辛い時には見る」とおっしゃっていました。
あなたは笑いましたか?泣きましたか?
お陰さまで、「ええじゃあないか」は、広島のお客様に大好評でした。
「もっともっと、広島弁の作品を上演して欲しい」というご意見も、沢山頂戴しました。
僕も機会ある度に、”広島弁演劇”を続けていきたいと思っています。
広島の現在を捉えた作品を作る意味を、公演を終えた今、じっくりと噛み締めているところです。
☆子守唄
「ぷにぷに号泣祭り」に続いて、「ぷにぷに!泣いてつかあさい」にも、ロウミンさんにご出演頂きました。
僕の大好きなロウミンさんのパントマイムを、広島の皆さんにお目に掛けたいと、ずっと思っていたからです。
また、広島で、ロウミンさんを講師にワークショップを開催して頂き、広島にパントマイムを伝えていきたいという思いもありました。
なかなかパントマイム芸術を見る機会のない広島の皆さんにとって、願ってもないチャンスになった筈です。
最初にご覧になるのが最高のアーティストなんて、素晴らしいことだと思います。
ロウミンさんには、「ぷにぷに号泣祭り」と同じ2作品を上演して貰いました。
最初は、「子守唄」です。
上演の前に、簡単なパントマイム入門教室を行いました。
これで、一気にパントマイムへの感心が高まり、親近感が湧いたように思います。
ロウミンさんも、上手にご紹介されていました。
そのまま「子守唄」に入りましたが、良い雰囲気でしたね。
お客様全員が完全に動きを理解し、かつその動きの美しさに魅了されていました。
場内が爆笑に包まれるのですが、シーンによってはうっとりと魅せられているのが、良く分かりました。
初めて見るお客様でも、「いいものはいい」と感じて下さるのです。
僕の勝手な印象ですが、そんな素敵なお客様に乗せられて、ロウミンさんもいつも以上に気合の入った演技を展開されているよう
でした。
ロウミンさんご自身の感想は、ロウミンさんのブログで確認して頂きたいのですが、終演後ロウミンさんは、本当に感動されていま
した。
僕の上演もそうですけど、お客様が作品を作りレベルアップさせていく部分がとても大きいと思います。
より良い舞台を見たければ、お客様が自ら盛り上がっていくことが重要だと感じました。
受身ではダメなんですよ。
とにかく、いつも以上にノリノリのロウミンさんを見ることが出来たのは、僕にとってもラッキーなことでした。
「子守唄」が終った後、僕が「ロウミンさんにはもう一本上演して頂きます」と言ったら、お客様全員が大きく肯いていらっしゃいまし
た。
この時点で、皆さん、すっかりロウミン・ファンになってしまっていたようでした。
☆「日記」
「ぷにぷに号泣祭り」で上演した「日記」を、広島で再演しました。
3年間一緒に暮らした、今は亡き妻の日記を偶然見つけ、新たな人生を踏み出していこうとする夫の心の動きを綴った作品です。
動きは極端に減らしています。
下半身は1回しか動かさず、上半身も日記を読む所作を時々するだけに留めています。
お客様に分からないように体は精一杯使っているのですが、どちらかと言えば、内面の動きを見て頂く作品です。
基本的に、東京公演と同じ脚本、同じ演出で上演しました。
ちょっとだけ声のトーンに丸みを付けてみただけです。
それなのに、お客様の反応は、東京公演の際とは全然違っていましたね。
ほとんどのお客様が涙を流され、嗚咽を洩らすほど号泣されている方も何人かいらっしゃいました。
序盤の、二人が幸せに包まれているシーンでさえ、あちこちでハンカチが動き回っているのが舞台からはっきり見えました。
日記の最後のページを読んだ時の感覚は、僕が初めて体験したものです。
物凄く深く、お客様の中に何かが染み入っているのが良く分かりました。
単に悲しいとか可愛そうとかいうレベルではなく、より大きな感動を感じ取っていらっしゃったようなのです。
そのお客様の波動を受取った僕は、ラストのセリフが切なくて堪らず、ついつい声が震えてしまったほどです。
広島のお客様が、上演中に作品を育てて下さったのです。
終演後、色々な方にお話を伺ったところ、「日記」は評判が良かったですね。
皆さん、自分の中に、「日記」の世界をお作りになり、そのイマジネーションにどっぷりと浸かられたようなんです。
そして、自分の身に引き寄せて、”こうちゃん”と”けいこ”の心理を実体験されていたみたいなんですね。
ですから、多くのお客様が、ポイントとなるシーンやセリフを良く覚えていて下さったんですよ。
感想を述べているうちに、思い出して涙をこぼす方も少なくありませんでした。
劇中、”けいこ”は死んでしまいましたけど、お客様の心の中で永遠の生命を得たのです。
演劇人として、こんなに素敵なことはありません。
何人かのお客様から、「日記」の中で僕がリフレインや対位法を多用していることに気付き、その作劇について質問を受けたりしまし
た。
東京ではなかったことです。
東京のお客様はストーリーを重視される傾向があると感じました。
広島のお客様は、作劇術や演出、演技に重点を置いて、演劇として楽しんでいらっしゃる印象を持ちました。
どちらが良いという話ではありません。
同じ作品でも、ご覧になるお客様によって、全く変わっていくということです。
「日記」のようなシリアスな作品は、お客様を選ぶ部分があります。
しかし、「日記」や「夢で会えたら」のようなピュアな作品は、僕の特性を大いに生かしたもので、他の劇団では滅多に見られないと
思っています。
若い方の中にはピンと来ない人もいたようですが、世の中、若者向けの演劇ばかりです。
「ぷにぷに!泣いてつかあさい」を通して、本当の大人が心から感動できる深い作品を、心掛けていきたいと思いました。
☆「落書きダイスキ!」
ロウミンさんの2本目は、僕の大好きな作品「落書きダイスキ!」でした。
「ぷにぷに号泣祭り」で初演され、1週間前の「MIME MODE」でも再演されていましたが、それともまた変わっていましたね。
「ぷにぷに!泣いてつかあさい」における「落書きダイスキ!」は、これまでより随分シンプル、かつ、分かりやすいものになっている
印象を受けました。
その分、動きの面白さ、美しさに集中出来、パントマイムの魅力を満喫して頂けたようです。
この作品は、蝶が飛ぶ美しいシーン、ボール投げのユーモラスなシーン、そしてラストの切ないシーンなど、場面場面で大きく感情
が揺さぶられる作品です。
シーンごとに、客席から、ため息、笑い声、そして涙が溢れてきました。
その前に上演された「日記」の余韻を引きずって、泣いた方も多かったようです。
まさに、アングラ劇場中が、ロウミン・ワールドに酔い痴れたと言って良いでしょう。
素晴らしい時間でした。
ロウミンさんを広島にお招きして本当に良かったと思いました。
「落書きダイスキ!」の前に、会場の雰囲気をほぐす為に、ロウミンさんに体の柔らかさを見せて頂きました。
場内も大いに盛り上がりましたね。
オムニバスの場合、その見せ方の重要性を痛感した公演となりました。
「ぷにぷに!泣いてつかあさい」の終演後、話題はロウミンさんのことでもちきりです。
「また広島に呼んで欲しい」「もっと見たかった」「ロウミンさんに色々教わりたい」などなど、様々な声が届いてきました。
僕も、是非、そんな機会を作っていきたいと思っています。
☆「You're Only Lonely」
この作品も、「ぷにぷに号泣祭り」の再演となります。
しかし、脚本も演出も、少し変更しての上演となりました。
ラストを、もっとポジティブで分かりやすいものにしたのです。
東京公演では、謎めかした感じで終わり、お客様に結末を委ねた形にしました。
しかし、それが分かりにくく曖昧だという声があったのです。
そこで、広島公演では、誰が見ても分かるようにセリフも足し、演技も明確にしてみました。
広島は演劇に慣れてない方が多いと思ったのが、その要因となりました。
しかし、広島を甘く見てはいけません!
「最後を分かりやすくしたのが蛇足に感じた」という声も、幾つか聞かれました。
一方、「はっきりしたハッピーエンドが良かった」という意見もあります。
どちらも正解、どちらも不正解といったところです。
演劇って難しいですね。
この作品は、広島の夏の風景をイメージして書きました。
ですから、広島のお客様には、その景色がイメージしやすかったのではないでしょうか?
「呉の東の海岸でしょ?」「江田島じゃろ?」「倉橋じゃろうが?」などなど、その人なりの海岸を想像して頂けたようです。
景色だけでなく、温度、匂い、波の音、足の裏で感じる砂までイメージして下さった方もいらっしゃいました。
作者や演者と共通認識のある方々にご覧頂くと、沢山共感して貰えるので、作品も生きてきますね。
僕自身、上演中、本当に海辺にいるような錯覚を覚えました。
今回、照明を、アングラ劇場実行委員会委員長の池田君が担当してくれました。
彼自身が役者なので、脚本の世界をしっかり読み取ってくれたのでしょう。
上演中、照明に微妙に赤を加えていき、夕暮れの切ない雰囲気を出してくれました。
それも、僕の演技の呼吸を感じ取りながら、絶妙の間でやってくれたのです。
池田君の功績もあって、東京での初演以上の出来栄えになったと思います。
比較的、お客さんの年齢層は高かったのですが、若者の恋の物語も抵抗なく受け止めて下さいましたね。
皆さん、観劇される間だけは、若き日々に戻られたようです。
「元気を貰った」という感想をおっしゃって下さる方が、本当に多かったのです。
演劇活動を行う以上、絶対に観客を幸せにする義務があります。
少しでもその責任が果たせたのなら、幸いです。
本来、僕のキャラクターに恋愛ものは似合わない筈です。
でも、お客様に夢を味わって頂くためにも、今後もラブ・ストーリーを続けていこうと思いました。
特に、広島は、恋愛劇が良く似合います!
☆公演全体を振り返って
7月20日、広島地方は、朝から大変な雷雨に見舞われました。
傘をさしても濡れてしまうぐらいの大雨です。
そんな過酷な気象条件の中、スタッフは午前9時に広島市青少年センターに集合してくれました。
ぷにぷにパイレーツ側からは9人、アングラ劇場実行委員会から5人、総勢14人です。
そんなにも沢山の人が、ボランティアで集まってくれたことに、早くも感動してしまいました。
簡単な自己紹介の後、早速劇場作りに着手です。
実行委員会・代表の池田君の指示の下、普段は何もないただのロビー(と言うより広めの廊下です)を、仮設の劇場に変身させる
のです。
箱馬を積み上げ、平台を置き、その上に椅子を並べ、座布団を置き、63席の客席を作っていきます。
また、平台を床に並べ、2間×2間の舞台を完成させます。
劇場後方にパネルを立て、独立した部屋に仕立て上げていきます。
劇場の形が出来ると、ポールを立てて照明を吊り、音響もセッティングしていきます。
照明合わせを終えたのが、午前11時。
僅か2時間で、素晴らしい劇場が出来上がりました!
みんなで力を合わせれば、こんな奇跡も起こせるんですね。
控え室も楽屋も十分広く、これだけの劇場を東京で借りようとしたら、一体いくら掛かってしまうのだろうと思いました。
(しかも、アングラ劇場は利用料が無料なんですよ。素晴らしい!)
アングラ劇場が完成したら、場当たりときっかけ合わせです。
約1時間に渡って、立ち位置を確認しながら、照明を合わせていきました。
池田君は、役者でもあるので、脚本を読み取る力があるのでしょう。
シーンに応じて自ら照明プランを立て、僕にどんどんぶつけてきてくれました。
その提案が全て的確なので、僕は全部OKし、ほとんど彼の思う通りにやってもらいました。
例えば、「日記」では、日記を読むシーンだけ青を入れてもらい、普通のこうちゃんのセリフと差別化をしました。
また、「You're Only Lonely」では、陽が西に傾いていくにつれ、赤を絶妙のタイミングで入れてもらいました。
ですから、ある意味、東京公演以上の演出効果が出せたと思います。
やる気のあるスタッフがいると、公演のレベルがかなりレベルアップするものですね。
池田君が、アングラ劇場の設計を行い、図面も引き、しかも運営までしているんです。
こういう意欲のある人がいるだけで、ある都市の演劇事情が飛躍的に向上するのです。
演劇は小さな世界かもしれませんが、それだけに一人でも状況を改善できるし、遣り甲斐を感じるものです。
素晴らしい仕事振りだと思いました。
池田君が東京に欲しい!
12時過ぎから昼食休憩に入り、あっという間に13:30の開場時間を迎えました。
↑ あっちゃん&ロウミンさんによる合作
交通機関が大幅に乱れるほどの雷雨にもかかわらず、本当に多くの方が来て下さいました。
それも、10代の若い方から、上は88歳まで、幅広い年齢層の方々が、楽しみに駆けつけて下さったのです。
これだけ客層がバラバラだと、なかなか一体感は生まれにくいものですが、全くそんなことはありませんでした。
14:00に開演し、オープニングのフリートークからいきなり爆笑に次ぐ爆笑!
笑うべき所で笑って頂き、悲しいシーンでは涙を流して貰いました。
こちらの意図したことが全部実現できたという感じです。
公演全体を通して、客席から舞台に強烈な波動が届き、演者を気持ちよく乗せて下さったのです。
昨年も感じたことですが、広島のお客様は乗せ上手です。
こんなにやりやすく、上演していて気持ち良いと思ったことはありません。
あっという間の90分でした。
昼の部終演後、つかの間の休憩を取りました。
僕らは、おやつなどを食べながらゆっくりさせて頂きましたが、アングラ劇場実行委員メンバーは、劇場の補修や改良を休むことな
く行っていましたね。
凄い意欲です。
本当に演劇が好きな方たちなんですね。
↑ アングラ劇場実行委員の皆様
16:30に夜の部の開場。
またまた、老若男女、沢山の方々にお集まり頂きました。
昼の部より男性が多かったせいか、落ち着いた雰囲気にはなりましたが、しっかりご覧頂けました
「日記」で泣いていらっしゃる方は、夜の部の方が多かったようです。
ノンストップでハンカチで目を拭い、号泣されている方も、大勢いらっしゃいました。
舞台から客席が良く見えたので分かったのですが、「ええじゃあないか」から泣き始めて、「You're Only Lonely」まで泣きっ放し
の方も複数いらっしゃったんですよ。
とても真剣に作品を捉えて下さったんですね。
光栄なことです。
お客様のお力添えのお陰を持ちまして、素晴らしい公演になったと思います。
そして、何と言っても、ロウミンさんの貢献度が大きい!
初めてパントマイムをご覧になるお客様を、何の違和感も感じさせずに堪能させ、見事にロウミン・ワールドに引き込んでいきまし
た。
誰もが、その美しさ、面白さ、切なさに、うっとりされていたようです。
パントマイムがいかに素晴らしい芸術であるか、広島に確実に伝えて頂いたように思います。
やっぱりロウミンさんにお願いして良かったです。
しかも、お客様にパントマイムに対して親しみを持って頂くために、劇間のフリートークで僕の用意したギャグを言って貰ったり、簡単
な入門講座を行ったり、体の柔らかさを見せて頂いたりしました。
ロウミンさんにご協力頂いたお陰で、公演全体が、良い雰囲気に包まれましたね。
この機会に、少なくとも100人以上のロウミン・ファンが、広島に誕生した筈です。
予定通り、17:30に終演し、すぐに片付けに入りました。
お客さんとしてご来場いただいた僕の高校時代の同級生にも(その奥様にも)手伝って頂き、僅か1時間で現状復帰することが出来ました。
劇場が解体され元のロビーに戻っていく様を見るのは、とても寂しい気分になりますね。
夢から醒めて、現実に引き戻されたように思いました。
その後は、楽しい楽しい打ち上げです。
近所の居酒屋に、20人もの大所帯が集まり、大いに盛り上がりました。
お互いに苦労をねぎらいあうのと共に、公演の率直な感想を伺うことが出来ました。
広島県人は人懐っこく他人との垣根が低いところがあるので、まるで普段から一緒に演劇活動をしている一つの劇団のような一体感が生まれました。
演劇をやっていて最高の充実感を得られる時間でした。
名残惜しくも、23時に解散。
人生で最高の1日が幕を閉じました。
今回は、劇場作りからの作業ということで、確かに大変な面はありました。
しかし、逆に、昔からの友人、広島で演劇に情熱を燃やすメンバーと一緒に、心を一つにして公演を行うことが出来ました。
こんな経験は、学生時代以来かもしれません。
みんな、何の見返りも求めず、ただひたすら汗水垂らして頑張ってくれる‥。
これ以上に幸せを感じることが、他にあるでしょうか?
もし、今回の公演が成功したとしたら、それは全て協力してくれたメンバーの力によるものです。
手伝ってくれた仲間達、本当にありがとう!
ご来場頂いたお客様、誠にありがとうございました。
僕は、最高に幸せな男です!
↑ 広島ファンクラブの皆様からのお花
2009年6月15日 13:26 | カテゴリ:公演案内