ぷにぷにパイレーツ

公演案内

第9回公演「むかーしむかし~シタールにのせて楽しむ昔話」

     <品川区立図書館 春の図書館フェア(朗読会)>

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・主催:品川図書館

・出演:朗読:黒澤明子、石崎一気

    シタール演奏:Takasitar

・演目:「ねずみのよめ入り」「金太郎」「大江山」「花咲くかじじい」

日時:2010年3月20日(土)午後2時~午後3時

・会場:荏原文化センターレクリエーションホール

 

*朗読会を振り返って 

僕は、午前10時に、荏原文化センター・レクリエーションホールに入りました。

到着するとすぐ、品川図書館や文化センターの皆さんが行っていた会場の設営を、少しだけお手伝いしました。

特に、ステージ上の配置やアレンジ、照明等について、提案させて頂きました。

 

10:30頃、黒澤明子さんがいらっしゃいました。

早速、共演する「花咲かじじい」の読み合わせを行いました。

読み方は勿論、動きや、細かい演出についても決めていきました。

 

11:00前に、Takasitarさんが会場入りされました。

すぐにサウンド・チェックをして、そのまま簡単なリハーサルを行いました。

こちらは、既にたっぷり稽古をしていましたから、全く問題がありません。

 

そして、公演全体のドライを行いました。

図書館の方々に、音響や照明をお願いしましたので、きっかけ等を確認する必要があったのです。

人の動線や、椅子・マイク・譜面台等の移動など、細かくチェックしていきました。

 

あっという間にお昼になり、外で食事を済ませて戻ってくると、13:30の開場時間が訪れました。

開場と同時に、沢山のお客様がお入りになりました。

大きな会場がほぼ満員となる大盛況です。

そのほとんどが、小さなお子さん連れでした。

しかし、なかには、大人だけでお越しになっている方も、ちらほら見受けられました。

きっと、朗読好きな方や、シタールに興味のある方だったんでしょうね。

 

定刻通り、14:00に開演しました。

最初は、黒澤さんの「ねずみのよめいり」と「金太郎」の朗読です。

黒澤さんは、実にオーソドックスな読み方で、椅子に座って、マイクを通して、優しく話し掛けるような語り口でした。

お客様は、みんな静かに集中して聞いていらっしゃるようでした。

 

続いて、Takasitarさんのシタール演奏です。

インドの古典音楽を、ごく短く演奏されました。

小さなお子さんが多かったのに、皆さん、しっかり聞いていらっしゃいましたね。

2~3歳の女の子が、一人で自発的に手拍子を打ち始めたのには驚きました。

良い音楽には、年齢は関係なく反応するものなんですね。

会場全体が、凄くグルーブしていたように思います。

 

ついに、僕の出番が訪れました。

まずは、フリートークで、”日本三大悪妖怪”のご紹介をしました。

そして、そのうちの一つ、酒呑童子を主人公にした作品、「大江山」の朗読に入りました。

導入部でシタールの演奏がありますので、最初から、おどろおどろしい雰囲気に包まれました。

僕は、お子様にも分かりやすく、かつ緊張感だけは失わないように、かなり圧力を掛けながら読んでいきました。

作品前半は、大きな出来事が起きません。

ですから、ちょっとでも気を抜くと、すぐに客席がダレてしまいます。

そうならないように、変化を大きめに付けながら、強い気を出して、物語を展開していきました。

後半、鬼が登場してくると、Takasitarさんが加わります

シタールのリズムを感じながら読んでいくのは、実に心地よいものです。

ここからは、最大限の恐怖感を漂わせながら、より一層、迫力を増していきます。

酒呑童子との対決となるクライマックスでは、怖さのあまり、子どもたちが「ヒー!」と悲鳴を上げていました。

最後、源頼光が鬼を退治して、話を終えた途端、まだシタール演奏は続いているのに、会場中から熱い拍手が巻き起こりました。

きっと、皆さん、ホッとされたのではないでしょうか。

お陰様で、僕が想定した通りの反応をお客様から頂いたので、とても満足しています。

 

アンコールとして、「花咲かじじい」を、黒澤さんと朗読しました。

黒澤さんが良いお爺さん、僕が欲張りお爺さんのパートを読みました。

二人の個性が全く違うので、その対比が面白く感じられたのではないでしょうか?

当日しか稽古出来なかった割りには、良い出来栄えになったと思います。

 

全体で約75分の公演でした。

小さなお子さんが多かったにもかかわらず、雰囲気が荒れることもなく、非常に引き締まった朗読会になったと思います。

お客様の声を聞いても、アンケートを見ても、概ね大好評だったようです。

特に、「シタールと朗読の共演が良かった」というご意見が多かったですね。

多くのお子さんたちが、「ああ、面白かった!」「もっと聞きたかったよ」等と言いながら帰っていったそうなので、僕はとても満足しています。

朗読ファンと思しき大人のお客様も、頷きながら聞いていらっしゃいましたから、何かしら感じて頂けたのではないでしょうか。

非常に、手応えを感じた一日となりました。

 

今後、また機会があれば、「注文の多い料理店」や「大江山」などとはまったく違った作品にも挑戦してみたいですね。

お子さんに、あれだけ喜んで貰えて、しかも比較的手軽に実現できる「朗読会」です。

劇団ぷにぷにパイレーツとしても、もっと本格的に取り組んでも良いのかもしれませんね。