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Touch

 昨日、東京演劇集団風の公演「Touch~孤独から愛」を拝見してきました。

「Touch」はこんな物語です。

舞台はアメリカ・北フィラデルフィアの下町にあるアパートの一室。
引きこもりの弟フィリップと、かっぱらいで弟を養う不良の兄トリート。ある日大都会で暮らす孤児の兄弟のもとに現れた謎の老紳士ハロルドとの出会いから、2人の生活は急速にに変化していく。
彼らを“デット・エンド・キッド”(行き止まりの子どもたち)と呼び、「肩を抱いて元気づけてあげよう」というハロルドに、弟は次第に心を開いていくが、兄トリートは頑なに拒絶する。誰しも孤独を抱えて生きる現代。真のコミュニケーションを、自分の居場所を、将来への希望を求めている。

「Touch」は、上演回数800ステージを超す風の代表的レパートリーだそうです。

 

僕は、この作品を、別の劇団で見たことがあります。

タイトルも違っていました。

とても有名な俳優さんが演じていましたが、あまり感心しませんでしたし、ほとんど印象に残っていません。

説教臭い芝居だったという記憶しかありません。

 

しかし、今回見た「Touch」は違いました。

見事な舞台でしたよ。

やっぱり、芝居は役者さんですね。

同じ台本なのに、以前見たものとは全く違う作品に映りました。

出演した3人とも、その役の本人にしか見えないぐらい、真に迫った演技でした。

特に、老紳士ハロルドを演じた酒井宗親さんの素晴らしさはどうでしょう!

ご覧になってない方に説明するのは難しいのですが、とにかく、この芝居はハロルドの魅力にかかっていると思います。

孤児の兄弟がハロルドの存在によって心を開いていく話です。

観客にも、「ハロルドならしょうがない」と思わせるだけの説得力を示していかなくてはならないのです。

その点、酒井さんのハロルドは凄い!

観客の誰もが、ハロルドのことが大好きになり、夢中になっていたように思います。

まるでフィリップのように‥。

俳優としての技術が高いのは当然としても、何ともその佇まいが良いんですよね。

ハロルドという人の生き様を、演技ではなく見せてくれているような気がしました。

本当に観客の皆さんはハロルドが大好きになったようで、ラストシーンで多くの女性が号泣されていましたね。

 

僕は、芝居というものは、人間を見せるものだと思っています。

どれだけ人物をリアルに描けるかが、脚本家、演出家、俳優の優劣を決めるポイントだと考えています。

特に俳優は、その役の人物の人生をきちんと生きなければいけません。

セリフを言ったり、動きを見せる時だけ、役の人物にみえるようでは甘いのです。

そこにただいるだけで役が見えてくるようになってこそ良い役者と言える‥、昨日の酒井さんの演技を見て、そう思いました。

演技って、奥が深いですね。

 

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