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「ええじゃあないか」作品解説

 

これから何回かに分けて、「ぷにぷに!泣いてつかあさい」で上演した作品を解説していきます。

 

*「ええじゃあないか」

 

「ぷにぷに!泣いてつかあさい」は、6月の東京公演「ぷにぷに号泣祭り」で上演した作品の再演を中心に構成されています。

しかし、東京公演と同じ3作品をそのまま上演すると、時間的に少し長いのと、内容的にとても重たいものになってしまいます。

普段演劇にあまり馴染みのない広島のお客様には、もう少し軽い作品の方が相応しいと考えました。

そこで、東京公演で最も重たい内容で、演劇的に複雑な構造を持った作品「夢で会えたら」を割愛することにしました。

「夢で会えたら」は、上演時間も30分に及ぶ大作でした。

また、ハイライト・シーンで寝転がって演技をするので、仮設劇場だと見えにくくなる可能性もあったのです。

 

広島公演では、「夢で会えたら」に代えて、とっても軽いナンセンス・コントを、公演の冒頭に上演することにしました。

時間的にも、10分を越えないショート・コントを目指しました(実際には12分程度になりました)。

内容は、広島に関するもので、広島県民だけが楽しめるような超マニアックなギャグを満載したものを考えました。

 

広島らしい素材と言えば、まずは広島カープです。

これは昨年「さらば!市民球場」でコント化しました。

それに続く広島ならではの素材を考えた時、僕の頭に浮かんだのが”広島風お好み焼き”でした。

お好み焼き屋さんを舞台に、誰にでも楽しめる軽喜劇を考える事にしたのです。

 

そこで選んだテーマが、広島県民の県民性です。

普段、東京で生活している僕だからこそ感じられる広島人ならではの特長を、思いっきりデフォルメして、笑いを取ることに挑戦してみました。

広島を旅行した人の声や、僕が東京で指摘される特異性、広島に帰省した時に感じる懐かしい感覚をベースに、それをより面白く表現してみたつもりです。

キーワードを”ええじゃあないか”に設定し、その反復を軸に、ストーリーを展開していきました。

”ええじゃあないか”というまさに広島人らしい言葉が、シーン毎に表情を変えていくところを楽しんでもらう趣向でした。

 

この作品で最も大切にしたのは、広島弁です。

今ではあまり使われなくなった”みてる”などの、濃い広島弁を散りばめてみました。

また、その言い方も、工夫してみたつもりです。

僕が子供の頃に良く見かけた、”これぞまさに広島人”というおじさんの口調を、一所懸命真似しました。

語り口に面白みを感じて頂けたのなら、幸いです。

 

ギャグも、広島らしいものを、練り上げてみました。

東京から来た人というだけでバカ呼ばわりするシーンは、僕自身、大好きです。

縮景園や仏舎利塔のギャグは、我ながら傑作だと思います。

前日の試合の結果を受けて、弱いカープをネタにしたのも、成功したようでした。

仕込んだギャグが一切滑らなかったのは、本当に嬉しかったです。

お客様のレベルが本当に高かったのだと思います(集中していないと、ギャグを見逃してしまいますからね)。

上演中、アングラ劇場は、爆笑と暖かい雰囲気に包まれていました。

特に、オチの台詞を言った瞬間に巻き起こった爆笑!

演劇人として、こんな幸せなことはありませんでした。

 

もう一つ、この作品のポイントと考えたのは、動きです。

次に上演する「日記」が、全く動かない作品なので、とにかく動きの多い作品を目指しました。

お好み焼きを焼くシーンを中心に、沢山動きました。

僕の拙い動きにも、お客様は良く反応して下さいましたね。

ちゃんと意味を理解して下さって、いっぱい笑って頂けたようです。

動きの専門家のロウミンさんも、「”ええじゃあないか”の動きが大好きです」とおっしゃって下さいました。

しかし、まだまだ動きが未熟なのは分かっています。

今後ますます、稽古を重ねていくつもりです。

 

実は、「ええじゃあないか」には、シリアスなメッセージも折り込んでいるつもりです。

何人かのお客様は、そのセリフを感じ取り、号泣なさったそうです。

ほとんどのお客様にはギャグに聞こえるセリフが、ある人たちにとっては感動的な言葉になるなんて素敵だと思いません?

一人の女性は、「あのセリフをメモしておいて、辛い時には見る」とおっしゃっていました。

あなたは笑いましたか?泣きましたか?

 

お陰さまで、「ええじゃあないか」は、広島のお客様に大好評でした。

「もっともっと、広島弁の作品を上演して欲しい」というご意見も、沢山頂戴しました。

僕も機会ある度に、”広島弁演劇”を続けていきたいと思っています。

広島の現在を捉えた作品を作る意味を、公演を終えた今、じっくりと噛み締めているところです。

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