ぷにぷにパイレーツ

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「ぷにぷに!泣いてつかあさい」本番日の出来事

 

7月20日、広島地方は、朝から大変な雷雨に見舞われました。

傘をさしても濡れてしまうぐらいの大雨です。

そんな過酷な気象条件の中、スタッフは午前9時に広島市青少年センターに集合してくれました。

ぷにぷにパイレーツ側からは9人、アングラ劇場実行委員会から5人、総勢14人です。

そんなにも沢山の人が、ボランティアで集まってくれたことに、早くも感動してしまいました。

 

簡単な自己紹介の後、早速劇場作りに着手です。

実行委員会・代表の池田君の指示の下、普段は何もないただのロビー(と言うより広めの廊下です)を、仮設の劇場に変身させるのです。

箱馬を積み上げ、平台を置き、その上に椅子を並べ、座布団を置き、63席の客席を作っていきます。

また、平台を床に並べ、2間×2間の舞台を完成させます。

劇場後方にパネルを立て、独立した部屋に仕立て上げていきます。

劇場の形が出来ると、ポールを立てて照明を吊り、音響もセッティングしていきます。

照明合わせを終えたのが、午前11時。

僅か2時間で、素晴らしい劇場が出来上がりました!

みんなで力を合わせれば、こんな奇跡も起こせるんですね。

控え室も楽屋も十分広く、これだけの劇場を東京で借りようとしたら、一体いくら掛かってしまうのだろうと思いました。

(しかも、アングラ劇場は利用料が無料なんですよ。素晴らしい!)

 

アングラ劇場が完成したら、場当たりときっかけ合わせです。

約1時間に渡って、立ち位置を確認しながら、照明を合わせていきました。

池田君は、役者でもあるので、脚本を読み取る力があるのでしょう。

シーンに応じて自ら照明プランを立て、僕にどんどんぶつけてきてくれました。

その提案が全て的確なので、僕は全部OKし、ほとんど彼の思う通りにやってもらいました。

例えば、「日記」では、日記を読むシーンだけ青を入れてもらい、普通のこうちゃんのセリフと差別化をしました。

また、「You're Only Lonely」では、陽が西に傾いていくにつれ、赤を絶妙のタイミングで入れてもらいました。

ですから、ある意味、東京公演以上の演出効果が出せたと思います。

やる気のあるスタッフがいると、公演のレベルがかなりレベルアップするものですね。

池田君が、アングラ劇場の設計を行い、図面も引き、しかも運営までしているんです。

こういう意欲のある人がいるだけで、ある都市の演劇事情が飛躍的に向上するのです。

演劇は小さな世界かもしれませんが、それだけに一人でも状況を改善できるし、遣り甲斐を感じるものです。

素晴らしい仕事振りだと思いました。

池田君が東京に欲しい!

 

12時過ぎから昼食休憩に入り、あっという間に13:30の開場時間を迎えました。

交通機関が大幅に乱れるほどの雷雨にもかかわらず、本当に多くの方が来て下さいました。

それも、10代の若い方から、上は88歳まで、幅広い年齢層の方々が、楽しみに駆けつけて下さったのです。

これだけ客層がバラバラだと、なかなか一体感は生まれにくいものですが、全くそんなことはありませんでした。

14:00に開演し、オープニングのフリートークからいきなり爆笑に次ぐ爆笑!

笑うべき所で笑って頂き、悲しいシーンでは涙を流して貰いました。

こちらの意図したことが全部実現できたという感じです。

公演全体を通して、客席から舞台に強烈な波動が届き、演者を気持ちよく乗せて下さったのです。

昨年も感じたことですが、広島のお客様は乗せ上手です。

こんなにやりやすく、上演していて気持ち良いと思ったことはありません。

あっという間の90分でした。

 

昼の部終演後、つかの間の休憩を取りました。

僕らは、おやつなどを食べながらゆっくりさせて頂きましたが、アングラ劇場実行委員メンバーは、劇場の補修や改良を休むことなく行っていましたね。

凄い意欲です。

本当に演劇が好きな方たちなんですね。

 

16:30に夜の部の開場。

またまた、老若男女、沢山の方々にお集まり頂きました。

昼の部より男性が多かったせいか、落ち着いた雰囲気にはなりましたが、しっかりご覧頂けました

「日記」で泣いていらっしゃる方は、夜の部の方が多かったようです。

ノンストップでハンカチで目を拭い、号泣されている方も、大勢いらっしゃいました。

舞台から客席が良く見えたので分かったのですが、「ええじゃあないか」から泣き始めて、「You're Only Lonely」まで泣きっ放しの方も複数いらっしゃったんですよ。

とても真剣に作品を捉えて下さったんですね。

光栄なことです。

お客様のお力添えのお陰を持ちまして、素晴らしい公演になったと思います。

 

そして、何と言っても、ロウミンさんの貢献度が大きい!

初めてパントマイムをご覧になるお客様を、何の違和感も感じさせずに堪能させ、見事にロウミン・ワールドに引き込んでいきました。

誰もが、その美しさ、面白さ、切なさに、うっとりされていたようです。

パントマイムがいかに素晴らしい芸術であるか、広島に確実に伝えて頂いたように思います。

やっぱりロウミンさんにお願いして良かったです。

しかも、お客様にパントマイムに対して親しみを持って頂くために、劇間のフリートークで僕の用意したギャグを言って貰ったり、簡単な入門講座を行ったり、体の柔らかさを見せて頂いたりしました。

ロウミンさんにご協力頂いたお陰で、公演全体が、良い雰囲気に包まれましたね。

この機会に、少なくとも100人以上のロウミン・ファンが、広島に誕生した筈です。

 

予定通り、17:30に終演し、すぐに片付けに入りました。

お客さんとしてご来場いただいた僕の高校時代の同級生にも(その奥様にも)手伝って頂き、僅か1時間で現状復帰することが出来ました。

劇場が解体され元のロビーに戻っていく様を見るのは、とても寂しい気分になりますね。

夢から醒めて、現実に引き戻されたように思いました。

 

その後は、楽しい楽しい打ち上げです。

近所の居酒屋に、20人もの大所帯が集まり、大いに盛り上がりました。

お互いに苦労をねぎらいあうのと共に、公演の率直な感想を伺うことが出来ました。

広島県人は人懐っこく他人との垣根が低いところがあるので、まるで普段から一緒に演劇活動をしている一つの劇団のような一体感が生まれました。

演劇をやっていて最高の充実感を得られる時間でした。

名残惜しくも、23時に解散。

人生で最高の1日が幕を閉じました。

 

今回は、劇場作りからの作業ということで、確かに大変な面はありました。

しかし、逆に、昔からの友人、広島で演劇に情熱を燃やすメンバーと一緒に、心を一つにして公演を行うことが出来ました。

こんな経験は、学生時代以来かもしれません。

みんな、何の見返りも求めず、ただひたすら汗水垂らして頑張ってくれる‥。

これ以上に幸せを感じることが、他にあるでしょうか?

もし、今回の公演が成功したとしたら、それは全て協力してくれたメンバーの力によるものです。

手伝ってくれた仲間達、本当にありがとう!

ご来場頂いたお客様、誠にありがとうございました。

僕は、最高に幸せな男です!

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