「元気が出ました!」
「ぷにぷに!泣いてつかあさい」終演後、沢山のお客様に感想をお聞きしました。
すると、多くのお客様が口を揃えて、こうおっしゃいました。
「元気が出ました!」
お世辞も、多分に混じっているかもしれません。
しかし、演劇の公演を評するのに「元気が出た」という言い方は、あまりしないものです。
それを、沢山の方がおっしゃったということは、何かしら”元気”を感じて頂けるものがあったのでしょう。
僕は、作品を作るとき、人生を肯定的に捉える視点で取り組んでいます。
具体的に「みんな、頑張れ!」という論調ではありません。
「人生は決して悪いものではありませんよ」と語りかけているつもりです。
僕の作品の主人公は、全員、敗者です。
何かに敗れ、傷つき、弱っている人ばかりです。
ストーリーも、ハッピーエンドではありません。
結局、劇の最初と最後では、何も変わらないという展開が多い筈です。
しかし、そんな悲惨な状況の中に、一筋の光明の気配が微かに感じられなくもなくはない(どれだけボンヤリしているんでしょう)という内容を心掛けています。
なぜなら、それが人生の真実、生きるモチベーションだと思っているからです。
ですから、お客様によっては、「ひたすら辛く苦しい話を見せられて、苦痛だった」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
”夢で会えたら”や”日記”などの作品の感想として、そんな声を聞きました。
でも、今回は、僕の意図を感じ取って頂き、元気を少しでも取り戻して頂けた方が複数いらっしゃったんですね。
とても嬉しいことです。
僕は、まだまだ、作劇も、演出も、演技も、制作も、未熟です。
(未熟だからこそ、上演を通して、上達していこうと思っています。上演しないと、決して上達しないと実感しています)
また、感性が僕と合わない方もいらっしゃいます。
そもそも、そんなテーマに興味のない方もいらっしゃるでしょう。
人生の成功者、勝者、挫折を知らない人に、僕の作品は届かないと思います。
でも、演劇はそんなものです。
万人が満足する作品は存在しないでしょう。
僕が目標としている劇作家、例えばブレヒトやベケットの作品だって、今の日本では退屈と思う方の比率の方が高いと思います。
大切なのは、僕のメッセージで何かを感じて頂ける方のために、クオリティを上げる努力を続けていくことなのです。
演劇は、映画と違って、あまねく広い観客層に訴えるメディアではありません。
ファミリーレストランやハンバーガーの全国チェーンではなく、こだわりの専門店です。
シェフは、自分の良いと信じるものを作り続けるべきだと考えています。
「ぷにぷに!泣いてつかあさい」の公演を通して、またまた自分の至らなさを痛感しました。
やればやるほど、ダメな部分が増えていくような気がします。
でも、未熟さを知るのは大変重要なことです。
欠点に気付かなければ、向上はありえませんから。
しかし、僕の作品、僕の美学、僕の提案を受けて、「元気が出た」と思って下さった方が沢山いらっしゃったのは、大きな自信になりました。
方向性は間違っていないようです。
今後も、とにかく全てにおいて、質を上げていけるように精進していきます。
早速、今夜は、パントマイムのレッスンです。
2009年7月28日 07:41 | コメント(0) | トラックバック(0) | カテゴリ:演劇
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