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「フラメンコ店長」作品解説

 

●「フラメンコ店長」

フラメンコ・ダンサーとして活躍中の岩丸綾子さんの主演作品です。

 

岩丸さんは、以前から、ぷにぷにパイレーツを応援し続けてくれていました。

第2回公演以外は、全てご覧頂いています。

そんな岩丸さんから、ある日、「私も、ぷにぷにに出演してみたい」との申し出がありました。

しかし、僕はフラメンコに詳しくないので、しばらくは、作品のイメージが湧きませんでした。

セリフを喋らないダンサーと芝居を作るのは、なかなかに難しいものなのです。

アイディアのないまま、時間ばかりが過ぎていきました。

 

そんな中、2009年3月に、岩丸さんは、大規模なソロ・リサイタルを開催しました。

僕は、それを、拝見させて頂きました。

様々なタイプのダンスを見ていると、フラメンコを生かす方向性が、はっきりと見えてきました。

そして、たちまちのうちに、作品のイメージが湧いてきたのです。

ダンスのレベルも、非常に高いものでした。

「このフラメンコを、是非とも、ぷにぷにのお客様に、ご覧頂きたい」と思いました。

リサイタルの終演後すぐ、岩丸さんに、ぷにぷにへの出演を依頼しました。

その日のうちに、フラメンコの資料を集め、あっという間に、「フラメンコ店長」の脚本を書き上げてしまったのです。

イメージさえあれば、脚本を書くのは難しいことではありません。

スペインから来日したフラメンコ・ダンサーが家電量販店の店長になるというお話です。

現在の日本の経済状況を織り込んだ、社会風刺の要素も多分に入っています。

消費者の底知れぬ欲望に、フラメンコ店長も踊らされるというわけです。

 

12月の本番まで9ヶ月もあったわけですが、とりあえず、出来立ての脚本を岩丸さんに渡しました。

岩丸さんは、やる気満々です。

「早く稽古したい」と、何度も催促されました。

何と、第1回目の稽古は7月10日だったんです。

まだ、広島公演「ぷにぷに!泣いてつかあさい」も終ってない時期ですよ!

渋谷のフラメンコ・スタジオで、実際に動きながら、作品イメージと具体的な演出プランを伝えました。

振り付けは、岩丸さん自身に考えて貰うので、その方向性も明確にしておきました。

 

10月から、「ぷにぷに冬のパン祭り」の本格的な稽古に入りました。

その出席率の高さ、所要時間、密度、熱意など、全てにおいて岩丸さんはずば抜けていました。

稽古の度に飛躍的な成長を遂げていきます。

また、普段の稽古も十分です。

劇的に女優として向上していくので、僕も岩丸さんとの稽古が楽しみになった程です。

岩丸さんは、とにかく真摯に取り組みます。

舞台に出演する意味や責任の重さを知る人だからでしょう。

一切、妥協はありません。

気になることはどんどん質問してくるし、出来ないことは納得いくまで繰り返し練習するガッツもあります。

5歩歩くだけのシーンを、90分以上稽古したこともあるんですよ。

その情熱には、僕も脱帽するしかありませんでした。

本当に素晴らしいアーティストです。

 

「フラメンコ店長」の本番、皆さん、いかがでしたか?

面白かったでしょう?

ダンスも、ドラマチックで美しかったですね。

我ながら、良い出来だったと思います。

場内は爆笑に包まれましたし、お客様が華麗なダンスに魅了されているのもはっきりと分かりました。

構想から上演まで9ヶ月掛けた甲斐があったというものです。

 

「フラメンコ店長」を通して、岩丸さんは、様々なことを学んだようです。

「ここで掴んだことを、今後はフラメンコに活かしていきたい」と言っていました。

フラメンコは演劇的要素が強い舞踊ですから、この経験は絶対に無駄にならないと思います。

今後、岩丸さんがダンサーとしてどう成長していくのか、要注目ですね!

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