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「風船男」作品解説

 

●パントマイム演劇「風船男」(石崎一気)

「さくっとパントマイム・フェスティバル2009」で上演したものの再演です。

”風船”の演技は勿論、随所に、パントマイムのテクニックを応用しています。

セリフをなくし、マイムだけを見て頂くシーンを、何箇所か盛り込んでいます。

 

パントマイム作品に、風船の演技は良く出てきます。

大概は、ファンタジックな場面か、コミカルなシーンになっています。

そこで、僕は、あえてその逆を行きたいと思いました。

「悪の世界観で、風船のマイムを用いたら、画期的だろうな」と考えた訳です。

オチも、シニカルでシュールなものを希求しました。

とにかく、一般的なパントマイムのイメージからなるべく遠ざかった作品にしたかったのです。

 

サーカスの人気者”風船男”が、団長の女だったリサを賭けて、勝負を行う。

果たして、風船男は、団長が差し出した風船を、3個連続で膨らますことが出来るのか?

それとも、失敗して、命を失うことになるのか?

しかし、その風船には、団長の仕掛けたあくどい罠が仕掛けられていた‥。

「風船男」は、こんな物語です。

 

脚本はすぐに書けましたが、やはり動きが難しく、演出もなかなか決りません。

素直に、JIDAIさんやロウミンさんに、教えを乞いました。

色々、ご指導やご意見を賜りながら、自分なりに整理していき、あのような形にまとまったのです。

 

この作品は、パントマイムや演劇に精通している方ほど、高い評価をして下さいました。

広い意味で言えば、これはコントなのですが、笑いが起こるものではありません。

ご覧になった方が、「へっ、面白いじゃねえか‥」と思いながら、鼻でフンと笑うような作品です。

見る人を選ぶ作品かもしれません。

 

ただ、動きに興味のある方は、楽しんで下さったようですね。

特に、3つ目の風船の動きについては、終演後、沢山質問を受けました。

”3種風船吹き分け”という趣向に感心して下さった方も、少なくありません。

ナンセンスなのに、妙に緊張感のあるラスト・シーンも、好評でした。

僕でなければ出来ない作品に仕上がったと、自負しています。

 

まだまだマイムは未熟な僕ですが、作品の中で上手に取り込むと、お客様に十分楽しんで頂けるということが分かりました。

「風船男」のような形で、マイムと演劇を融合させているアーティストは、日本にはいないそうです。

このスタイルをより一層発展させて、僕ならではの演劇を、今後確立していきたいと思っています。

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