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「風船」作品解説

 

●「風船」

「風船男」と同じく、”風船”のパントマイムを中心に構成した一人芝居です。

公演本編の最後に上演しました。

 

「風船男」は、悪の世界を舞台に、風船の膨らむ性質を軸に作った作品です。

それと重ならないように、「風船」では、人間の優しさと悲しさを、風船の飛ぶ性質に象徴させて見せるというものにしてみました。

本来、1つの公演の中に、2つも同じマイム・テクニックの作品を並べるのは、無謀なことなんです。

でも、そういうタブーに挑戦していくのが、僕は大好きなんですよね。

幸いなことに、「風船ばかりやって、しつこい」と思われたお客様は、いらっしゃらなかったようです。

 

毎週末、遊園地にやってきて、子どもたちに無料で風船を配るおじさん。

彼が、風船に託した悲しい思いとは‥?

約10分の、シンプルな小品です。

 

この作品は、本当に難しかったですね。

僕がこれまで経験してきた中で、ずば抜けて難しいと思いました。

ちゃんと風船を見せなくてはいけませんし、かと言ってマイムをやりすぎると、風船おじさんの心情が消えていってしまいます。

風船の膨らまし方、持ち方、足の運び、飛ばし方、視線‥、その他、全ての動きに細心の注意が必要でした。

あまりに繊細な感覚なので、動くのが怖くなったほどです。

 

でも、丁寧に稽古を重ねていくうちに、僕は様々な表現を手に入れたような気がしています。

まだまだ、上手く出来たとは思えません。

ただ、今回の経験で、上手くなるためのスタート地点に立てたような実感を得ることが出来ました。

本当に良い経験になりました。

 

本番中、沢山のお客様が、涙を流していらっしゃいました。

泣かないまでも、皆さん、集中してご覧頂けたようです。

「パントマイムが素敵でした」とか、「パントマイムに興味を持ちました」といった、身に余るお褒めの言葉も頂戴しました。

ありがたいことです。

今後、ますます、パントマイムの稽古に精進しなくてはなりませんね。

 

「風船」は、何の事件も起こらない、僕ならではの地味な作品です。

マイムと演劇を融合させた、こういったスタイルの演劇は、日本中で僕ぐらいしかやっていない筈です。

(喋るマイムは少なくありませんが‥)

一般受けは難しいかもしれません。

でも、心温まる優しいマイム演劇を、僕は、より一層追求していきたいと思っています。

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