カレル・チャペック
昨夜、テアトル・エコーの公演「白い病気」を観劇してきました。
「白い病気」は、僕の大好きな風刺劇作家、カレル・チャペックの作品です。
ブレヒトとは雰囲気が違いますが、僕は、チャペックから大きな影響を受けています。
カレル・チャペックは、チェコの国民的人気作家です。
カレル・チャペックの文筆活動は多岐にわたり、SFファンにはロボットという言葉を作ったことで知られています。
「白い病気」は、SF作家でもありジャーナリスでもあった面を感じさせる諷刺劇で、ナチスの台頭を背景に1937年に書かれたこの戯曲は、群衆心理の恐ろしさを痛烈に皮肉った傑作です。
ストーリーを簡単にご紹介しましょう。
突如として世界中に蔓延した謎のウイルス。
皮膚に白い斑点が出来るため「白い病気」と呼ばれるこの伝染病は、全身を腐らせ死に至らしめる恐ろしい病。
しかし治療法はいっこうにみつからず人々はパニックに陥っていた。
そんな折、独裁者が支配する軍事国家で、ひとりの町医者が治療薬の開発に成功する。
彼が薬と引き換えに独裁者に要求したものとは・・・・・・?
戦争による領地拡大を目論む独裁者と、100%の死亡率を持つ強烈な伝染病の特効薬を武器に平和を訴える町医者との展開を軸に、私たち「群衆」の怖さを思い知らされる作品です。
テアトル・エコーは、この骨太の風刺劇を、コミカルなミュージカルに仕立てていました。
劇中、こんな歌が歌われます。
♪ この病気に罹ったら最後 間違いなく
一人残らず 死んでしまうのさ
生きたまま 腐って 死んでゆく
ワオ! なんてサプライズ なんて悲惨な
なんて理不尽な 白い病気
ある日 突然 現れて 爆発的に 感染する
世界は おびえ 医者は さじを投げる
パンデミック ワット ア パンデミック ワールド ♪
僕の大好きな劇世界ですね。
さすがはテアトル・エコー!
演技も演出も、素晴らしいものでした。
特に、熊倉一雄さん、沖恂一郎さん、沢りつおさんといったベテラン俳優の皆さんは、見事でした。
いつまでも見ていたいと思わせる”至芸”とも呼べるものです。
演劇ならではの魅力を、満喫させて頂きました。
「白い病気」はミュージカルなのですが、音楽は全て、座員の皆さん自身が生演奏されます。
ピアノ、アコーディオン、シンバル等の打楽器に加え、トランペット等も奏されました。
(沢さんのトランペットは、独特の味わいがありましたよ。必聴!)
やはり演劇の音楽は、生演奏に限りますね。
出番を終えた役者さんが奈落に下りて演奏し、また出番が来れば舞台に上がるという大変な状況でしたが、皆さん、難なくこなしていらっしゃいました。
これぞ劇団!これぞ一座!
最高の時間を過ごさせて頂きました。
劇場を出たのは夜10時を回っていましたが、一瞬たりとも退屈することなく、堪能させて貰いました。
社会風刺劇を志す僕としては、是非皆さんにも、その神髄を味わって頂きたいと思います。
今月26日まで、恵比寿のエコー劇場で上演されていますので、お時間のある方は足をお運び下さい。
詳細は、下記のサイトでご確認下さい。
http://www.t-echo.co.jp/2010_shiroibyoki/index.html
2010年4月23日 08:25 | コメント(0) | トラックバック(0) | カテゴリ:演劇
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