ぷにぷにパイレーツ

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日本代表ベスト8ならず

 

終わってしまいましたね…。

サッカーワールドカップ南アフリカ大会の日本代表は、昨日の決勝トーナメント1回戦でパラグアイと対戦し、ペナルティーキック戦の末、敗れて、初のベスト8進出はなりませんでした。

残念な結果でしたが、代表選手たちの踏ん張りに、日本中が熱い気持ちになれたのではないでしょうか。

 

試合に勝つためには、技術や戦術がとても重要です。

しかし、それ以上に、気持ちと団結力が大切なんだということを教えて貰えたように思います。

試合終了後、松井大輔選手は「負け続けて終わると言われたチームがここまで来られてよかったし、チームワークが大事だと証明できた」と語っています。

長谷部誠選手は、「このチームメイト、スタッフといっしょに戦えたことは一生の宝だと思う。準備期間では苦しい期間もあったが、あきらめず、前を向いてやったことが、こういう結果につながったと思う」と話していました。

やはり、チームワークって大切なんですね。

演劇も、同じです。

自分のことばかり考えるのではなく、作品全体を俯瞰で見ながら、気持ちを一つにして戦っていく…。

良いモノを作り上げていくために最も大切なのは、まぎれもなく、チームワークだと思います。

作品を台無しにするのは、本当に簡単なんです。

 

また、本田圭佑選手は「多くのサポーターがスタジアムに駆けつけ、また、テレビで観戦してくれ、勇気を与えてもらえたし、最後まで頑張れた。きょうの敗戦を教訓に、また前に進んでいきたい。応援してくれた人も批判してくれた人も、僕らにとっては貴重な存在だった。ありがとうございました」と話していました。

本田選手の言う通り、お客様の存在も大切です。

「ぷにぷに印象派祭り」で上演した「穴」が、マチネでは爆笑喜劇になったのに対し、ソワレでは号泣悲劇に変貌してしまいました。

これは全て、お客様の反応の違いによるものです。

お客様、あるいはサポーターの熱気が、舞台に多大な影響を与えます。

これは、舞台に出たことのある人なら納得して頂けると思います。

役者は観客の出すサインに従うしかありません。

お客様の要求するレベルが、作品の質を決定していくのです。

 

ワールドカップを見ていても、僕は演劇について考えてしまいます。

僕たちは、日本代表選手と同じぐらい戦えているのでしょうか?

ハロルド・ピンター

 

ハロルド・ピンター全集

昨日、ハロルド・ピンター全集を購入しました。

全3巻で、9450円です。

「部屋」「料理昇降機」「管理人」「誰もいない国」など、初期から中期にかけての代表的戯曲に加え、短篇とエッセイが採録されています。

ピンターは、日常の不条理を乾いた笑いを交えた斬新な言葉で描き、現代人の混乱と空虚を突いたイギリス現代演劇の鬼才と呼ばれています。

斬新なことば、独特の間と沈黙、乾いた笑い…。

「ピンタレスク」とよばれる独特の手法で、引き裂かれた現代人の不安な魂を、恐怖とユーモアのうちに描き出します。

説明的なセリフを嫌い、敢えて観客には(しばしば登場人物にとっても)状況が理解しづらい劇を作っています。

しっかりした目的に向かって話が進むのではなく、「キャラクターが一人歩きする」のです。

2005年にノーベル賞を受賞しましたが、医者にブラジル先住民の風土病である重度の皮膚疾患に感染していると診断され、授賞式に出席できなかったというエピソードが残っています(ピンターは、ブラジルに一度も行ったことはありません)。

反戦思想の持ち主で、NATOによるユーゴスラビア空爆や、アメリカ合衆国によるアフガニスタン空爆に抗議し、ブッシュ政権のイラク侵攻をナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーに例えたこともあります。

まさに、社会派不条理劇の大家です。

 

この度、「ハロルド・ピンター全集」を購入したのは、「ぷにぷに印象派祭り」がきっかけです。

英米演劇を専門とされている、元・大学教授の方が、「ぷにぷに印象派祭り」をご覧下さいました。

僕が最も尊敬し、憧憬の念を抱いている劇作家、アーサー・ミラーの翻訳などもなさっている方です。

その先生が、僕の作品を見て、「石崎さんって、才能のある方ですね。ハロルド・ピンターやエドワード・オールビーの不条理劇に良く似ています」との感想を洩されたんだそうです。

プロの演劇の研究家の方にお褒め頂いて、こんな嬉しいことはありません。

それも、僕が目標としている2人の偉大な劇作家に譬えて頂けるなんて、光栄至極です。

ピンターやオールビーに一歩でも近付けるように、益々、努力していきたいと思っています。

 

その第一歩として、ピンターやオールビーの作品を、研究することにしました。

今、ピンターの代表作を手に入れるには、全集を買うしかないんですよね。

結構高額でしたが、中途半端な本をパラパラ読むぐらいなら、徹底的にピンターに浸った方が勉強になると思いました。

これから、じっくりと、ピンターの作品から学んでいくつもりです。

「幸せ箱」作品解説

 

★「幸せ箱」

公演の最後を飾る作品として、「幸せ箱」を上演しました。

上演時間40分という、劇団ぷにぷにパイレーツ史上、最も長い作品です。

 

幸せ箱の中には、幸せだった頃の思い出が詰まっている…。

不幸な一生を送ってきた養父と娘…。

2人は、幸せ箱の中に、何を見るのか…?

幸せ箱は、本当に、人を幸せにするのだろうか…?

 

この作品は、静かな静かな作品です。

特に、前半の20分間は、まったく動きがなく、椅子に座ったまま、優しく語り続ける演出になっています。

声を荒げる場面さえ、一切ありません。

舞台上の変化と言えば、数回、上手を見る程度です。

「可能な限り小さな演技で、お客様の集中力を切らさない」という挑戦を、ここでやってみました。

(「ブログの天使」や「日記」などの作品でも、その方向性を追求してきました)

役者の内的エモーションだけで、観客の心理を大きく動かしていけるようになることが、僕の夢なのです。

お陰様で、退屈して寝てしまう方は、いらっしゃらなかったようです。

むしろ、客席内に異様な緊張感が漂い、「次は、どうなるんだ?」と前のめりになっていらっしゃるお客様が多かったように感じました。

前半は、ドラマチックな後半に向けて、しっかり伏線を張るパートです。

しかし、早くも、洟をすする音が聞こえたり、ハンカチで目元を拭う姿が見えたりしていました。

皆さん、しっかり、作品の世界に入って下さっていたんですね。

 

後半は、椅子を取り払い、しっかりと動きを見せるパートになります。

とは言っても、動きはとても遅く、スローモーションに近いものです。

どんどん、セリフの速度も遅く、間も長く、声も小さくしていきました。

こちらから一方的にイメージを押し付けるのではなく、お客様に、自由にイマジネーションを広げて頂く為です。

実際、皆さんが、それぞれご自分の心の中で、幸せ箱を覗いて下さったようです。

特に、海岸のシーンは評判が良かったですね。

「海が見えた」「波の音が聞こえた」「海風が頬を撫でていった」といった感想をおっしゃるお客様が、大勢いらっしゃいました。

 

約8分にも及ぶ一番のハイライト・シーンは、Sachikoさんの演奏に乗せて、パントマイムで演じました。

本番では、Sachikoさんが、稽古の時の何倍もの圧力を掛けて、演奏で、グイグイ僕の背中を後ろから押してきました。

当然、僕もそれに乗って、稽古の時の何倍もの圧力で、感情表現をせざるを得なくなりました。

そうこうするうちに、僕自身が感情に飲み込まれてしまい、不思議な感覚を覚えました。

僕が感情を持っているのではなく、感情の中に僕が取りこまれてしまっているのです。

肉体は消滅してしまい、精神が感情の中に融けていって、宇宙と融合している感覚です。

皆さんには何のことだか分からないと思いますが、僕も初めての体験だったので、大いに驚きました。

舞台上でこういう霊的な体験をする時は、集中力が極度に高まっていて、非常に良い状態だと聞きます。

こんな貴重な体験が出来るからこそ、舞台はやめられないんですよね。

 

沢山の方々の、沢山の涙の中、終演した「幸せ箱」!

やはり、「ぷにぷに印象派祭り」で、最も評価された作品となりました。

作・演出の僕ですら、稽古中は勿論、本番で上演している最中も、しみじみ「良い作品だなあ…」と思っていたぐらいです。

自分で書いた脚本の中で、最も好きな作品です。

 

あなたが幸せ箱を覗いたとしたら、どんな場面を見ることになるのでしょうか?

「蝶」作品解説

 

★「蝶」

2本目に上演した「蝶」は、上演時間約10分の小品です。

「ぷにぷに印象派祭り」の中で、唯一、ポジティヴな視点を持った作品です。

爽やかな夏の青空に飛び立つ蝶に、自分の姿を重ね合わせていく青年の姿を描いてみました。

 

パントマイムの代表的なレパートリーに、”蝶”があります。

せっかく教わったので、いつか、どこかのシーンで使いたいと思っていました。

しかし、なかなか、芝居の中で蝶は登場してきませんよね?

そこで、あえて、蝶を主役にした作品を考えてみたのです。

 

最初は、毒を持った蝶が人を襲う話をやろうかと思っていました。

しかし、それでは、今回の公演が、暗い陰気な作品ばかりになってしまいます。

また、劇団関係者から、「そんな気持ち悪い劇はやめた方が良い!」と、猛反対されました。

そんな訳で、明るく前向きなストーリーを設定してみたのです。

 

「蝶」は、「穴」「幸せ箱」という大作2つに挟まれて、地味な印象の作品だと思います。

しかし、「蝶」が好きだというお客様は、少なくありませんでした。

「飛んでいる蝶が見えた」「抜けるように青い夏空が目に浮かんだ」などの感想を頂戴しました。

「蝶」を見て、視覚的なイメージを膨らませた方が、多かったようです。

中には、「海風を肌で感じた」とおっしゃった女性もいらっしゃいました。

本当に嬉しいですね。

 

僕は、本来、「蝶」の主人公のようなキャラクターを演じるのは苦手です。

年齢も違いますし、もっと濃い圧力のある役柄の方がやりやすいのです。

しかし、公演全体のアクセントとして、こういった明るい作品は、絶対に必要です。

今後、益々精進して、爽やかなキャラクターもしっくりくるように、レベルアップしていきたいと思っています。

「穴」作品解説

 

今日から、「ぷにぷに印象派祭り」で上演した作品の解説をお送りします。

 

★人間喜劇「穴」

2009年末、かつて僕が所属していた劇団の同期4人が集まり、「ぷにぷに印象派祭り」の企画会議を行いました。

その席上、「他の同期のメンバーはどうしている?」という話になりました。

そこで交わされた雑談が、僕の心に強烈なインパクトを残しました。

一人の同期の悲しいエピソードが、僕の中で、ムクムクと演劇作品に成長していきました。

つまり、「穴」は、実在の人物を大幅にデフォルメした作品なのです。

 

ストーリーを、簡単に、ご紹介します。

醜さゆえ、女性からまったく相手にされない(と思っている)男が、同じアパートに住む女性・ミカに恋をします。

男は、恋を成就させるために、醜さを隠そうと、全財産を叩いてあるモノを購入します。

早速装着してミカに会いに行きますが、果たして、男の想いは叶うのか…?

 

僕は、この作品を、人間喜劇と銘打ちました。

主人公やミカに寄り添い感情移入すると、とてつもない悲劇に感じられます。

しかし、その2人を俯瞰で見ると、何とも滑稽な喜劇に見える筈です。

見る人の立ち位置で、悲劇にも喜劇にも見えるよう、重層的な構造を持つ作品を目指しました。

 

ですから、まず、脚本を書く段階では、徹底的に喜劇を意識してみました。

なるべくバカバカしく、笑えるようなセリフを折り重ねていったつもりです。

そして、演出を考える時には、可能な限り、悲劇的な演技プランを選択していきました。

僕の目論見は的中したようで、マチネでは客席から爆笑が巻き起こったのに対し、ソワレでは悲しみのあまり涙をこぼした方もいらっしゃったんだそうです。

ご覧になるお客様によって見え方が異なる、稀有な作品に仕上がったのではないでしょうか?

 

この作品の特長は、主人公の動きにあります。

全てのシーンで、ポーリッシュ・マイムを取り入れてみました。

まず、主人公のねじ曲がった性格を、姿勢や一つ一つの動きで表現しています。

ストップを多用し、ぎくしゃくした人間関係を象徴しているつもりです。

一つの動きの中でもスピードを大胆に変化させ、心理の変化を有機的に表してみました。

多くのお客様が異様なストーリーに驚愕されたようですが、普段から演劇に親しんでいる方には動きそのものを楽しんで頂けたようです。

 

この作品のハイライトは、ドビュッシーの「ロマンチックなワルツ」に乗せて上演するパントマイム・シーンです。

外見の変化に合わせて人間の心理が動いていく様子を、マイムで演じてみました。

ダンスと同じように、曲の各フレーズにきちんと振付を当てて、ドラマチックに描いています。

Sachikoさんの情熱的な生演奏によって、とてもダイナミックな動きが出来たと思うんですが、いかがでしたでしょうか?

 

僕は、「穴」の方向性こそ、印象派演劇だと思っています。

見る人によって、滑稽にも哀れにも感じられる…。

強烈な映像が目に焼き付き、それが見た人の記憶の中で独自に成長し、躍動を始める…。

今後も、この方向性を発展させていくつもりです。

印象主義音楽のアペリティフ

 

皆さんは、生でご覧になりましたか?

僕は、勿論、午前3時に起きて観戦しましたよ。

やりましたね!

サッカー、ワールドカップ南アフリカ大会で1次リーグ・グループEの日本は第3戦でデンマークと対戦し、3対1で勝って2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めました。

日本は、29日に行われる決勝トーナメント1回戦で1次リーグ・グループFを1位で通過したパラグアイと対戦します。

今から、パラグアイ戦が楽しみでなりません。

ところで、皆さんは、試合を進めるごとに、日本代表がどんどん強くなっていると思いませんか?

チームワークが良くなるのは当然としても、個人個人の能力まで飛躍的にアップしているように感じます。

やっぱり、選手は、本番で経験を積み、鍛え上げられていくものなんですね。

強い相手に対して、恐れずに積極的に挑んでいく中でこそ成長出来るものなのです。

この辺は、演劇も同じですね。

難しい作品や苦手な役柄にどんどん挑戦していって、実際に舞台に乗せていかないと、向上はありえないと思っています。

サッカー観戦の中からも、様々なことが学べますね。

 

さてさて、「ぷにぷに印象派祭り」のお話もしなければ!

アンケートを拝見していますと、やはりSachikoさんの生演奏の評判が良いですね。

皆様の生の声を、幾つか、ご紹介させて頂きます。

 

・音楽が生だったのが良かった。

・キーボード演奏が、すごく美しくて良かったです。

・キーボードの色々変化する音色が、印象的でした。

・ドビュッシーの生演奏が聞けるなんて…。贅沢な時間を過ごせました。

・幻想的な音楽がマッチしていて、とても面白かった。

・カラダひとつと音楽で、色んなイメージが湧きました。

・キーボードの生演奏と一人芝居、どーなるのかなあと思っていましたが、とても素晴らしく相乗効果になっていました。

・音楽とのコラボ、良かったです。特に、「幸せ箱」はタイミングも中身も◎

 

この他、音楽に対する感想をお書き頂いた方が、本当に沢山いらっしゃったんですよ。

Sachikoさんの熱演、僕も素晴らしかったと思います。

特に、「芝居と生演奏が効果的にマッチしていた」というご意見は、とても嬉しいです。

「ぷにぷに印象派祭り」は、僕の芝居をキーボードで色付けするという企画ではありません。

むしろ、印象主義音楽を引き立てるための演劇作品を上演したというつもりなんですよ。

僕の一人芝居は、Sachikoさんの演奏のアペリティフ(食前酒)に過ぎません。

あくまで、メイン・ディッシュは印象主義音楽です。

クラシックのリサイタルに行って畏まってドビュッシーのピアノ曲を聞くよりも、「印象派祭り」でのキーボード演奏の方が、より深く音楽の核心に触れて頂けたのではないでしょうか?

これをきっかけに、皆さんに、印象主義音楽に興味を持って頂けたら、最高ですね。

「ぷにぷに印象派祭り」人気投票

 

「ぷにぷに印象派祭り」で、皆様にアンケートにご協力頂きました。

アンケートの冒頭に、「上演した作品のうち、どれが気に入りましたか?」という項目を設けました。

その人気投票の結果を集計しましたので、ここで発表させて頂きます。

 

★マチネ

・第3位 「蝶」

・第2位 「幸せ箱」

・第1位 「穴」

「穴」と「幸せ箱」は大接戦でした。

僅差で「穴」が1位になりました。

マチネでは、皆さん、「穴」で大爆笑されていましたから、きっとお楽しみ頂けたのでしょう。

 

★ソワレ

・第3位 「蝶」

・第2位 「穴」

・第1位 「幸せ箱」

夜の部では、圧倒的大差を付けて、「幸せ箱」が1位になりました。

舞台上にいる僕にも、皆さんがすすり泣く音が、はっきりと聞こえました。

また、ハンカチで目を拭う方が何人もいらっしゃるのが見えました。

少しでも感動して下さったのなら、本望です。

 

★総合人気ランキング

・第3位 「蝶」

・第2位 「穴」

・第1位 「幸せ箱」

以上のような結果になりました。

 

3作品とも同じように思いを込めて作り上げたので、僕には作品に優劣は付けられません。

でも、こうやって、お客様のご意見を賜ると、色々見えてくることがあります。

他の2作品に比べると超短編で、しかもストーリー性に乏しい「蝶」は、きっと人気はないだろうと思っていました。

しかし、ちゃんと評価して下さる方もいらっしゃるんですね。

上演してみないと、作品の実力は分からないものですねえ…。

マチネとソワレで、評価がまったく違うのも面白いところです。

 

アンケートにご記入頂いたことは、今後の参考にさせて頂きます。

皆様、ご協力ありがとうございました。

「ぷにぷに印象派祭り」の一日②

 

マチネの開場時間になると、僕は、表に出て受け付けを、じゅん君は場内整理を担当しました。

滞りなくお客様をお迎えして、定刻より3分押しで開演。

ラン・スルーを行っていないにもかかわらず、実にスムーズに進行していきます。

舞台監督のじゅん君が、最大限の集中力で臨んでくれたからでしょう。

Sachikoさんのピアノも乗りに乗っていて、稽古場で聞く演奏とはレベルの違うモノになっていました。

お客様の興奮と熱気に包まれた中、無事、95分間の公演が終了しました。

 

マチネ終了後、休憩を取りながら、問題点を討議していきました。

その結果を受けて、キーボードの位置をずらしたり、客席の配置を少し変えたりしました。

また、照明のタイミングについても、微調整して貰うことになりました。

 

そんなことをしていると、あっという間に、夜の部の開場時間を迎えました。

今回は、珍しく、マチネとソワレのお客様の数がほぼ同じでした。

(いつもは、圧倒的に、マチネの方が多いのです)

コンスタントに、お客様がお越しになり、今度は定刻通り18時に開演しました。

 

ソワレは、マチネと、まったく違う雰囲気でしたね。

僕自身は、同じように演じているつもりなのに、お客様の反応がまるっきり逆なんです。

例えば、マチネでは「穴」という作品で大爆笑が止まらなかったのに対し、ソワレでは異様な緊張感が漂い、悲しみに涙をこぼした方もいらっしゃったそうです。

僕もSachikoさんも、そんなお客様のパワーに引きずられて、昼と夜では全然違うパフォーマンスを行うことになってしまいました。

演者は、絶対にお客様のエネルギーに勝てないのです。

まさに、多勢に無勢ですね。

 

ソワレには、元・劇団で同期だったロベルト君も駆け付けてくれました。

自発的に、場内整理を手伝ってくれました。

本当に嬉しいですね。

二十数年来の友人と、こんな形で一緒に公演が出来るなんて、夢のようです。

 

ソワレも、順調に95分で終了。

お客様をお見送りして、早速片付けに入りました。

撤収はすぐに終わり、20時20分頃、アトリエ無現を後にしました。

 

さあ、楽しみな打ち上げです。

劇場近くのもつ鍋屋さんで、食事を楽しみました。

Sachikoさん、ロベルト君、じゅん君と、今回の公演について振り返っていきました。

昨年末、この4人で企画を立ち上げて、半年間に渡って一緒に稽古を行い、作品を育んできたのです。

各自が、それぞれに、熱い思いを持って、取り組んでくれた訳です。

僕は、彼らに、心から感謝しています。

この素晴らしい仲間こそ、僕にとって最高の宝物だと思いました。

もし、僕が”幸せ箱”に入るなら、「ぷにぷに印象派祭り」の稽古場を選びます。

「ぷにぷに印象派祭り」の一日①

 

「ぷにぷに印象派祭り」の一日を振り返ってみましょう。

 

いつものように、午前10時集合。

まずは、キーボードのセッティングです。

設置する場所を上手ツラに決め、ケーブルをミキサーに接続しました。

そして、実際にSachikoさんに演奏して貰いながら、曲ごとの音量を確認していきました。

 

続いて、照明作りです。

基本的に、灯りのパターンは2つです。

「穴」「幸せ箱」用の暗めの照明と、「蝶」とフリートーク用の明るめの照明です。

灯体の位置や向きを調整し、光量を決定していきました。

灯りの雰囲気は、全て、じゅん君に判断して貰いました。

 

そして、場当たりに入りました。

照明や音響のきっかけの確認です。

脚本に、しっかり、きっかけを書き込んでおきました。

それを見れば、誰でも簡単に出来るように感じられるかもしれません。

しかし、実際には、芝居の雰囲気を生かすようなタイミングや、変化のスピードが必要です。

じゅん君は、稽古にも初期から参加して、作品のイメージを掴んでくれていたので、実に巧みに舞台監督の役割を果たしてくれました。

 

場当たりが終わると正午を回っていたので、弁当を食べました。

そして、客席を作り、劇場の細かい部分を調整していると、たちまちのうちに、昼の部の開場時間を迎えました。

(明日に続く)

「ぷにぷに印象派祭り」終了しました!

 

昨日、無事、「ぷにぷに印象派祭り」が終了しました。

マチネ・ソワレともに、満員のお客様の温かいお気持ちに支えられて、無事、上演することが出来ました。

ご来場頂いた皆様、本当にありがとうございました。

 

お陰様で、僕は、3作品ともに、高い集中力で上演出来ました。

Sachikoさんのキーボードも大好評でした。

また、じゅん君のスタッフ・ワークも素晴らしかったです。

僕はいまだに、その余韻に浸っています。

 

おいおい、「ぷにぷに印象派祭り」について、このブログを通して、詳しくお伝えしていこうと思っています。

今日は、もうすぐ出かけなくてはならないので…。

取り急ぎ、ありがとうございました!

本日「ぷにぷに印象派祭り」開催!

 

いよいよ本日、「ぷにぷに印象派祭り」を開催します。

公演準備のため、間もなく、劇場に向けて出発しなくてはなりません。

ご予約頂いている皆様、アトリエ無現にてお待ちしていますね。

 

それから、まだ予約を入れていらっしゃらない皆様!

マチネ・ソワレともに、当日券をたっぷりご用意しております。

是非、当日券をご利用下さい。

事前の連絡は不要ですので、直接、劇場の受け付けまでお越し下さい。

必ず、お座り頂けます。

 

なお、本公演は、最少人数のスタッフ(出演者込みで5人)で開催いたします。

従って、本日、劇場にご連絡頂いても、対応出来る者がおりません。

たとえメールをお送り頂いても、読むことが出来ません。

予め、ご了承下さい。

 

昨日、最後の稽古を行いました。

自分で言うのも何ですが、良い出来栄えになっていると思いますよ。

特に、Sachikoさんのキーボード演奏が、素晴らしい仕上がりになっています。

制作担当のじゅん君も、手放しで絶賛していました。

聞き応え十分です。

僕の芝居との呼吸もバッチリです。

想像以上の完成度になりました。

本当に沢山の方にご覧頂きたいですね。

”印象派演劇”ですから、かなりアートな雰囲気の作品ばかりですが、決して堅苦しい難解なものではありません。

稽古を見学していた小さなお子さんが、「面白かった!」と喜んでいたぐらいです。

安心してお越し下さい。

 

ちなみに、じゅん君は、3つの作品のうち、「穴」が最もお気に入りなんですって!

僕も、「穴」が一番好きです。

皆さんは、どの作品を愛して下さるのでしょうか?

 

では、後ほど、アトリエ無現でお会いしましょう!

「ぷにぷに印象派祭り」演奏曲解説

 

いよいよ、明日、「ぷにぷに印象派祭り」の本番です。

楽しみな反面、今後、あの作品たちの稽古をしなくなると思うと、寂しくもあるんですよね。

手塩に掛けて育て上げた3本の演劇作品が、巣立ちの時を迎えるのです。

子供の卒業式や成人式、結婚式の時の、親の心境に近いのかもしれません。

 

とは言え、本番前日でも、相変わらず、演出の見直しは続いていますよ。

昨夜、またまた、良い動きを発見してしまったんですよね。

そのムーヴメントが効果的に見えるように、短い時間ですが、より精度を上げていきたいと思っています。

 

昨夜、アトリエ無現で、打ち合わせと幾つかの確認作業を行ってきました。

劇場に行くと、一気に本番気分が盛り上がってくるんですよね。

果たして、あの裸舞台を、ファンタジックな空間に変えることが出来るのか、僕の腕が問われるところです。

 

今日は、この後、Sachikoさん、じゅん君と、最後の稽古を行います。

多分、1回通すだけになると思います。

各自、どこで何をするのか、しっかりイメージしながら確認していかなくてはなりませんね。

 

さて、Sachikoさんが、ご自身のブログで、、「ぷにぷに印象派祭り」で演奏する曲の解説をなさっています。

予めお読みになった上でお聞きになると、その味わいが増すかもしれません。

皆様!是非、下記をクリックして、予習をしておいて下さいね。

*グラドゥス・アド・パルナッスム博士

*眠りの森の美女のパヴァーヌ

*ロマンチックなワルツ

*アラベスク1番

SDカード

 

昨日、8GBのSDカードを2枚買ってきました。

これだけあれば、「ぷにぷに印象派祭り」の舞台写真を撮り放題でしょう。

劇団スタッフのCさんが撮影することになっていますが、下手な鉄砲数撃ちゃ当たる!

きっと良い写真が撮れることでしょう。

 

さてさて、「ぷにぷに印象派祭り」の本番まで、あと2日。

僕は、相変わらず、地道に稽古を繰り返しています。

 

毎回のことですが、本番直前に稽古をしていると、「この作品、本当に面白いのかな?」と疑問に思ってしまいます。

前回の「ぷにぷに冬のパン祭り」の時も、「”史上最高の日本代表”なんて、何一つ面白くないじゃないか…」なんて感じながらも、「もう今更、引き返せない」という思いで、仕方なく上演した覚えがあります。

でも、実際に上演してみたら、良く受けましたでしょ?

本番直前には、作品の欠点ばかりが、目に付いてしまうものなんでしょうね。

 

ところが、今回は、稽古をしていて、いまだに「良いねえ…」と思ってしまいます。

勿論、ダメな部分があるのは重々承知しているんですが、それでも作品の世界観がとても素敵に思えるのです。

こんなことは初めてですね。

本当に作品の出来が良いのか、僕の勘違いなのか、それは上演してみないと分かりません。

ですから、僕は、本番を凄く楽しみにしているんですよ。

ただ、今回は、お笑いじゃないので、好評なのか不評なのか、非常に分かりにくいんですけどね…。

サッカー観戦禁止!

 

サッカー、ワールドカップ南アフリカ大会は、グループHのスペイン対スイスが行われ、優勝候補のスペインが1対0でスイスに敗れる波乱がありました。

試合は、高い技術を誇るスペインがスピードあるパス回しで前半から主導権を握りましたが、スイスも持ち前の堅い守りで得点を許さず、前半を0対0で折り返しました。

そして、後半7分にゴール前の混戦からスイスのフェルナンデス選手が押し込んで先制しました。

スペインは、スイスの3倍ものシュートを放ちましたが、1点を奪うことができずに1対0で敗れ、黒星スタートとなりました。

 

うーむ、スイス、まさかの大金星!

素晴らしい試合でした。

選手が気持ちを一つにして、集中力を切らさず、全力を出し切ることが出来れば、”無敵艦隊”と称されるスター軍団をも倒せるんですね。

こんなところからも、学べちゃいますねえ。

いや、学ばなくてはなりません!

演劇だって、そうなんです。

役者同士は勿論、スタッフみんなが気持ちを一つにすれば、知名度が低い劇団だって感動的な芝居が出来るんです。

戦術(脚本)、コーチング(演出)も重要ですが、最後は本番時の集中力です。

僕たち”ぷにぷにパイレーツ”の面々も、スイス代表を見習って、「ぷにぷに印象派祭り」で大金星を挙げてきたいと思っています。

 

ところで、僕は、W杯に関して、ちょっとした失敗をしてしまったようです。

「ぷにぷに印象派祭り」の公演日程を20日に決める時に、W杯のスケジュールを確認しました。

19日に日本対オランダ戦はあるものの、20:30キックオフです。

それなら、皆さんも、夜更しや早起きをしない筈です。

ですから、20日の公演には支障がないと判断したのです。

しかし、そこには、大きな誤算がありました。

それは、僕が、サッカー観戦が大好きだということです。

昨晩も、「早く寝なくては!」と思いつつ、ついつい午前1時まで、スペイン対スイス戦を見てしまいました。

こんなことをしていては、毎朝日課にしている朝の稽古の集中力が落ちてしまいます。

W杯期間中に公演を決めてしまったこと自体、大失態でした。

しかし、決めてしまったものは仕方ありません。

気合を入れて稽古しなくては!

20日まで、あと3日です。

本番終了まで、23時からの試合のサッカー観戦禁止!

それを肝に銘じて、公演に集中していきたいと思っています。

音が渦巻く

 

昨日、キーボード担当のSachikoさんと、「ぷにぷに印象派祭り」の稽古を行いました。

益々、コンビネーションが良くなってきましたね。

特に、「幸せ箱」の劇中曲は凄い!

演奏に乗せて演技すると、自然に、強い感情表現が出来るように感じます。

ほかの曲も、そのレベルに向上させたかったので、更なる厳しい要求を出してしまいました。

(申し訳ない…)

しかし、Sachikoさんは、すぐに僕の意図を汲んでくれました。

その結果、演奏に物凄い圧力が生じ、実にドラマチックなモノに変わりました。

キーボードの演奏と言うよりも、演奏者の感情の塊が飛び出してきている印象を受けました。

Sachikoさんの人間性そのものが、音になって、渦を巻いていたのです。

これこそが、僕の求める音楽です。

表面的にキレイなBGMは必要ありません。

生演奏の音で、観客の心理の流れを、自由にコントロールして貰いたいのです。

今日の稽古の終盤で、Sachikoさんが聞かせてくれた演奏のレベルがキープ出来れば、必ずや、お客様の心は音楽で大きく揺れ動くことでしょう。

 

Sachikoさんと稽古出来るのは、あと1回のみ。

最後の最後まで、上演のレベルを上げられるよう、こだわって稽古していきたいと思っています。

「ぷにぷに印象派祭り」の予約の期限

 

いやー、やりましたね!

サッカー、ワールドカップ南アフリカ大会で1次リーグ「グループE」の日本は、今大会初戦のカメルーンとの試合に1対0で競り勝ち、ワールドカップで2002年の日韓大会以来、2大会ぶりの勝利、海外で開かれるワールドカップでは初めての勝利をあげました。

TV観戦でしたからはっきりしたことは言えませんが、カメルーンの状態が相当悪いようでしたね。

チーム内に規律がなく、各自が個人技だけで勝手にプレーしている印象でした。

いくら凄い選手が揃っていても、気持ちが一つになっていないと、勝てないんですね。

演劇と同じですね。

昨日の日本の戦い方、特に組織的な守備を見て、規律の重要性を痛感させられました。

 

さて、今日は「ぷにぷに印象派祭り」のご予約の期限について、お知らせしておきます。

6月19日(土)PM12:00をもちまして、予約の受け付けを終了させて頂きます。

勝手ながら、6月20日(日)AM0:00以降にご連絡頂いた場合、当日扱いとさせて頂きます。

ご予約料金で観劇を希望される方は、必ず、19日(土)までに、ご一報下さいますよう、お願い申し上げます。

特に、本番当日は、劇団と連絡を取るのが非常に難しい状況になってしまいます。

(連絡は無理と考えて頂いた方が良さそうです)

本当に少人数スタッフで公演を行いますので、メールや電話に対応することが全く出来ないのです。

予め、ご了承下さい。

 

ちなみに、今回のスタッフは、舞台監督、照明、音響の3人のみです。

受け付け専属のスタッフすらいないのです。

事業仕分けのやりすぎでしょうか?

結局、また、僕が受け付けを担当するしかないのでしょうか…?

広島から!

 

この週末、「ぷにぷに印象派祭り」に沢山のご予約を賜りました。

本当にありがとうございます。

中には、わざわざ、広島から見に来て下さる方もいらっしゃるんですよ。

とても嬉しいです。

皆さんの期待を裏切らないように、頑張って稽古しなくてはいけませんね。

 

せっかちな僕は、早くも、公演用の荷造りを始めました。

衣装は3パターンです。

でも、Tシャツ2枚と長袖シャツ1枚、帽子、それにズボンが2本ですから、大した量ではありません。

それに、パンフレット、アンケート、筆記用具等です。

普段、仕事帰りにボクシング・ジムに寄る時の荷物と、あまり変わりません。

一方、Sachikoさんは大変ですね。

当日、キーボードを持ちこまなければならないからです。

頑張れ、Sachiko!

「ぷにぷに印象派祭り」まで1週間!

 

「ぷにぷに印象派祭り」まで1週間!

いよいよ、気分が盛り上がってきましたね。

 

とは言っても、特別なことは、何一つありません。

今日も、普段通り、稽古をやるだけです。

 

さすがに、第10回公演ともなると慣れたものです。

何を、幾つぐらい、いつ頃までに用意するのか、はっきり分かっているので、慌てることがありません。

むしろ、「こんなに楽で良いのだろうか…?」と心配になるぐらい、要領よく出来てしまいます。

とっくの昔に、パンフレットもアンケートも印刷し終わっています。

後は、とにかく、作品の質を上げていくことだけです。

 

最近は、本番用の衣装を着けて稽古をしています。

帽子を被っただけで、途端に演技が難しくなったりするものなんですよ。

世界の見え方が違ってきたり、動きが制限されたりすることもあるんです。

実際、帽子を被ると、頭の熱が籠って、猛烈に暑く感じたりします。

今後は、より本番に近い状況を作って、稽古を重ねていきたいと思っています。

 

もう一つ頑張らなくてはならないのが、動員です。

せっかくですから、沢山の方々に、ご覧頂きたいですもんね。

”印象派”のタイトル通り、アートな世界観を目指してはいます。

でも、決して分かりにくいものではありません。

稽古を見た人は、誰もが「面白い!」と言ってくれています。

「見終わった後、とても切なくなる!」という感想も、数人から頂いています。

(例によって、「見ていると、気持ちが劇の世界に入りすぎて、呼吸が苦しくなる」「体内に手を突っ込まれて、内臓をかき回されているような気になる」といった声も聞こえてきましたが、これは褒め言葉と受け取っておきましょう!)

ストーリー自体は、非常にシンプルです。

安心してご覧頂きたいと思っています。

他の劇団では絶対にやらない、いや、出来ない手法の作品ばかりです。

これだけ静かで、動きがゆっくりな公演は、まずお目に掛れません。

(セリフを怒鳴ったり、舞台上を走り回ったりする、今時のバタバタした芝居とは、一線を画しています)

また、「穴」や「幸せ箱」は超大作なので、再演する機会は滅多にないでしょう。

ポーリッシュ・マイムのテクニックをふんだんに使っているつもりなので、僕以外の人には上演できないと思いますし…。

 

梅雨時の日曜日、W杯までの時間潰しにピッタリですよ。

是非、劇場に足をお運び下さい!

初日マニア

 

サッカーのワールドカップ南アフリカ大会が開幕しました。

開幕戦の1次リーグ、グループAの南アフリカ対メキシコは1対1で引き分けました。

また、前回準優勝のフランスと、過去2回優勝のウルグアイの試合も、0対0で引き分けました。

さすがに、大会1日目は、手堅い試合運びだったようですね。

”勝ちにいく”というよりは、”負けない”サッカーに終始したみたいです。

試合の中には”流れ”がありますが、大会全体を俯瞰しても大きな”流れ”があるんです。

その流れに乗る、あるいは流れが出来るまでは、失敗のないサッカーが続くかもしれません。

 

演劇の公演も同様で、初日や初演は、失敗が無いように上演されることが多いものです。

いくら稽古場で練習を重ねていても、本番は別物です。

ですから、役者同士は勿論、照明・音響・舞台監督といったスタッフとも、お互いに様子を見ながら、無難に進行させていくケースが頻繁に見られますね。

それが必ずしも悪いわけではないのが、面白いところです。

演劇ファンの中には、公演の初日しか見ない”初日マニア”の人が結構いるんです。

その人たちから言わせると、「最も純粋な上演は、初日である。公演を重ねていくにつれて、客に媚びたり擦り寄っていくから…」とのことです。

逆に言えば、公演が進むにつれて、作品も成長していくのです。

だから、”楽日マニア”という方もいらっしゃいますね。

楽日だと、役者も、思い残すことのないように弾けるケースも多々あるんです。

(おふざけになってしまう悪例も、見られますけど…)

あなたは、初日好きですか?楽日好きですか?

海岸のシーン

 

「ぷにぷに印象派祭り」本番まで、あと9日と迫ってきました。

でも、性懲りもなく、まだまだ演出の見直しを行っていますよ。

 

昨日、「幸せ箱」のハイライトとも言える海岸のシーンの動きを、大きく変更することに決めました。

実は、今週のJIDAIさんのレッスンで、素敵なマイムの動きを教わりました。

あまりに魅力的だったので、早速、作品に導入したくなったのです。

ストーリーが変わる訳ではないので、お客様にとっては小さな変更かもしれません。

でも、演じる僕からすれば、シーンのカッコよさがグッとアップする、非常に効果的な改善になります。

(同時に、主人公の心情を隠喩的に表現する動きにも繋がっています)

30秒程度のシーンですけど、集中的に練習していますよ。

 

ここだけでなく、すべての作品のすべてのシーンの動きに、僕なりのこだわりをみせているつもりです。

出来ましたら、お客様には、物語だけでなく、細かい演出や動きにも、注目して頂きたいと思っています。

「幸せ箱」こそ最高傑作

 

でも、やっぱり、「ぷにぷに印象派祭り」の目玉作品は、「幸せ箱」なんですよね。

自分で言うのも妙ですが、これは本当に良い作品です。

「良くこんな物語を思い付いたなあ!」と、自分に感心してしまいます。

キャラクターは全員魅力的ですし(出演するのは僕だけですけど)、セリフもカッコイイんですよ。

稽古をしていても、「ああ、良いなあ…」と、しみじみ味わってしまうことも少なくありません。

脚本を読んだ方、そして稽古を見学した方全員が、「幸せ箱」を気に入って下さっています。

なかには、「幸せ箱」がいかに良い作品であるか、滔々と僕に語り続ける方も何人かいらっしゃいました。

演出面でも、皆さんがご覧になったことのない、画期的なモノを採用しています。

(凄く自然に仕上がっているので、特別な演出を施していることにお気づきにならないかもしれませんが…)

そして、何と言っても、キーボード演奏!

ラストで演奏される「亡き王女のためのパヴァーヌ」には、是非、ご期待頂きたいですね。

「幸せ箱」の為に書かれた曲のように思えるほど、実にマッチしています。

この作品こそ、まさに印象派演劇!

僕の最高傑作だと思います。

やっぱり「蝶」が好き!

 

「ぷにぷに印象派祭り」で、2本目に上演する「蝶」という作品が、最近好きになってきました。

勿論、自分で脚本を書いて演出している訳ですから、作品としての出来は非常に良いと思っています。

パントマイムと、詩のようなセリフが上手く噛み合って、僕ならではの世界観が表出出来ているように感じます。

それに加えて、稽古を重ねるにつれて、主人公の心情や状況が、より一層僕の心に沁みるようになってきました。

特にストーリーがある作品ではないのですが、何とも言えず、良いですよ!

映像的というか、視覚的というか、とにかく綺麗な明るい世界が広がっていくのです。

特に、ラストシーンは、演じている僕でさえ、目の前がキラキラして見えるようになってきました。

稽古を見学した、某・有名劇団の幹部の方も、「蝶が飛んでいるのが見える!」と言ってくれました。

10分程度の短い作品ですけど、どなたにでも気に入って頂けると思います。

「穴」の口直しにもピッタリです。

(僕自身は、「穴」の方が、歴史的大傑作だと思っていますけど…)

是非、「蝶」に、期待して下さい。

「穴」が苦手?

 

一昨日の稽古が終わった後、Sachikoさんと少しお話ししました。

その時、意外な事実が発覚したのです。

 

実は、Sachikoさんは、最初、「穴」という作品が苦手だったそうなんです。

その気持ちは良く分かります。

どす黒いマグマが渦巻いているような、禍々しいキャラクターが主人公ですからね。

しかし、Sachikoさんは、稽古を重ねていくうちに、「穴」が大好きになってきたんですって。

この作品の持つ可笑しさ、悲しさ、切なさなど、人間の持つ様々な面を強く感じ取れるようになってきたそうなんです。

今では、主人公に自分の姿が重なって見えるんですって。

ラストシーンも、とても気に入ってくれているようです。

嬉しいことですね。

 

この「穴」という作品は、お客様を選ぶ作品かもしれません。

普段、演劇やアート作品を見慣れていない方には、取っ付きが悪い恐れがあります。

「作品がつまらない」という心配は一切していませんが、圧力の強さにお客様が怯えてしまう可能性があるのです。

でも、僕は、確信しています。

見ている時は不気味でも、見終わってしばらく時間が経てば、きっとその味わいが広がっていく筈です。

家に帰った頃、あるいは1週間経った頃、ひょっとしたら1年後かもしれません。

必ずや、皆さんに、強い印象を与える作品です。

是非、期待して下さいね。

本番2週間前の稽古

 

昨日は、Sachikoさんとの音楽稽古でした。

本番2週間前とあって、気合の入ったお稽古となりました。

 

まずは、公演全体を、1回通してみました。

特に大きなトラブルもなく、すんなり通すことが出来ました。

時間を計ってみたところ、全体で90分弱。

本番はもう少し長くなりますけど、100分以内には終了する筈です。

 

少し休憩を取りながら、改善点を討議しました。

まず、「蝶」で演奏される「2つのアラベスク~第1曲」の音色を変えることになりました。

劇的世界を優先すべきか、音楽性を優先すべきか微妙な選択でしたが、その中庸とも言える良い音を見つけることが出来ました。

また、「穴」で使う「マ・メール・ロワ」と「ロマンチックなワルツ」の演奏について、非常に細かい注文を出させて頂きました。

特に、「ロマンチックなワルツ」!

これぞまさに「ぷにぷに印象派祭り」を象徴する曲なだけに、Sachikoさんに申し訳ないぐらい厳しい要求を出してしまいました。

言ったら言った分だけ、必ず良くなるので、ついつい言い過ぎてしまうのです。

そして、「幸せ箱」の劇中曲について、僕が長々とイメージを説明していきました。

その意図を汲み取ったSachikoさんの演奏の良かったこと!

音楽が耳から入ってくるのではなく、みぞおち辺りからスーッと沁み込んでいくイメージでした。

稽古のたびに何度も聞いている曲なのに、僕は感動して、胸が熱くなってしまいました。

このクオリティが、全ての曲、全ての公演でキープされたら、本当に素晴らしいと思います。

僕は、大いに期待しています。

 

本番まで、残り2週間!

僕も、限りある時間を有効に使っていきたいと思っています。

今日も、頑張って稽古するぞ!

「ぷにぷに印象派祭り」まで2週間!

 

「ぷにぷに印象派祭り」まで、あと2週間!

毎日、地道に稽古を続けています。

今日は、Sachikoさんと音楽稽古を行いますよ。

稽古するたびに、著しくレベルアップしていきますので、今日どうなるか、楽しみです。

 

さて、現時点での、「ぷにぷに印象派祭り」の予約状況をお伝えします。

14時開演のマチネは、5割強、客席が埋まっています。

18時開演のソワレは、まだ4割程度といったところです。

昼・夜ともに、まだまだ十分お席はご用意出来ます。

ただ、いつものパターンからすると、本番2週間前辺りから急に予約が殺到し始めます。

観劇をご希望の方は、念のため、ご予約をお薦めいたします。

特に、ソワレは、今後団体のお客様が入る予定なので、お早めにお願いします。

カッコ悪い帽子

 

「穴」という作品で使う帽子を購入しました。

出来るだけセンスの悪いモノにしたかったので、選ぶのに結構苦労しましたよ。

カッコ悪い帽子ばかり探して、試着していくのも恥ずかしいですね。

何軒かお店を巡って、ようやく、とびっきり冴えない帽子を発見しました。

価格は990円也!

公演以外では絶対着用しないでしょうから、凄く高価に感じました。

でも、帽子を使う演出に決めてしまっているので、仕方ありません。

泣く泣く、レジで千円札を出しました。

投資した分、お客様にはしっかり楽しんで頂けるようにしなくてはなりません。

 

公演の度ごとに、妙な衣装が増えていっています。

カメラを買いました!

 

カメラを買いました。

CASIOのEX-FH100という機種です。

1秒間で40枚の連写が出来たり、シャッターを押す前に遡って写真が撮れたりする、優れモノです。

勿論、動画も様々な撮り方が出来ます。

きっと、これで、立派な公演写真が撮れる筈です。

しかし、色んな機能が付いているため、操作がとても複雑です。

操作マニュアル本も、ものすごい文量です。

使いこなせるようになるには、もう少し時間が掛りそうです。

僕は、こういうことは苦手なので、先に劇団員のCさんに、撮影に精通して貰おうと思っています。

「ぷにぷに印象派祭り」で、良い写真が撮れるかな?

辞任表明

 

総理大臣が辞任を表明してしまいました。

おかげで、今年秋~冬の公演で上演しようと思って書いた社会風刺コント「豪快先生」の脚本を、大幅に改訂せざるをえなくなりました。

総理大臣が主要な登場人物だったからです。

夏の参院選の結果によっては、上演そのものも出来なくなってしまうかもしれません。

せっかく面白いナンセンス劇が書けたと喜んでいたのですが…。

残念です。

まるで、ミュージカル!

 

先日の音楽稽古に参加した制作担当のじゅん君が、自分のブログに、その感想を書いてくれました。

少し引用させて頂きます。

 

”1度通し練習もしたのですが、前回の練習の成果もあってか、座長で出演の石崎とピアノのSachiko2人の息も合っていて、もう明日本番でも大丈夫!って感じになっていました。

 

私も今回初めてわかったのですが、石崎の演技は音楽の流れに合わせて計算されていて、その意味ではまるでミュージカル!(中身はまったく異なりますが・・・)

 

とにかく、とても独特な劇に仕上がっていると思います。”

 

 

ミュージカルに例えられてビックリしましたが、言われてみれば、その通りです。

僕の作品は、まるでダンスの振付のように、曲のどの部分で何をするか、予め、全て決めてあるんです。

即興の要素は、ほとんどありません。

ですから、演奏のテンポや表現が変わると、必然的に縁起の質自体が変わってしまうんです。

極端な話、演奏が間違ってしまうと、僕は何も出来なくなってしまうんです。

僕は、決して歌を歌ったりはしませんが、完全に”ミュージカル”の感覚なんですよね。

僕の意識の中では、あくまで音楽が主役で、演技が脇役です。

 

 

その良い関係性が築けるよう、僕は、もっともっと、音楽の中に溶け込んでいかなくてはいけません。

 

 

頑張らなくては…!

「ぷにぷに印象派祭り」予告編③~お好み焼き

 

一昨日の稽古の後、近所のお好み焼き屋さんで、打ち上げを行いました。

そこで、公演CMの動画を撮影しました。

しかし、ちょっとしたハプニングがあったため、ごく短い作品1本しか撮れませんでした。

たった6秒のモノですから、お時間は取らせません。

どうぞ、下記をクリックして、ご覧下さい!

「ぷにぷに印象派祭り」予告編③~お好み焼き