イッツ・ア・スモウ・ワールド

一昨日、サッカーJ1・川崎フロンターレ対サンフレッチェ広島を観戦してきました。
試合会場となった等々力陸上競技場は、朝から晩まで、大変な盛り上がりを見せていました。
僕は、試合開始3時間前に競技場に行きましたが、すでに大勢のお客さんが詰め掛けていました。
競技場前のフロンパークというイベント・スペースには、沢山の屋台が出ていて、お祭り気分!
地元・川崎の食材や、世界の珍しい料理が、各種、提供されていました。
また、この日は、「イッツ・ア・スモウ・ワールド」と題して、大相撲の力士達がイベントに参加!
手押し相撲や、どすこいPK対決、餅つきなどで、子どもたちを喜ばせていました。
サッカーの試合を見なくても、ここに来るだけで楽しい雰囲気作りがなされていたのです。

試合開始1時間半前に、競技場内に入りました。
この時点で、アウェイ側自由席には、かなりのお客さんが詰め掛けていました。
大勢で観戦しようとすると、空席を一所懸命探さないといけないぐらい混み合っていました。
試合の30分前に会場入りしたのでは、立ち見になってしまうほどの盛況ぶりです。
そのほぼ全員が、紫のユニフォームやTシャツを着ていました。
「連休で、暇だから来た」という人はほとんど見当たらず、筋金入りのサポーターが集結した感じです。
勿論、フロンターレのサポーター席も大入り満員!
素晴らしい一体感に包まれていました。
数年前までは、ホーム側もアウェイ側も空席が目立っていましたが、年々、人気が上昇しているのでしょう。
去年辺りからは、少し早めに来ないとならないぐらい、観客動員が増えています。
確実に、人気がアップしていますね。
フロンターレは、Jリーグの中でも、最もファンサービスに力を注ぐチームとして知られています。
サッカーの試合中は勿論ですが、来た時から帰るまでずっと楽しい会場作りを目指しているようです。
その努力が、今の人気に繋がっているんでしょうね。
いかにサッカー・ファン以外を取り込んでいくか...。
このスタッフの努力に、エンタテインメント業界に役立つ、様々なヒントが隠されているように思いました。

この記事の更新日:2012年4月30日 09:09 | コメント(0) | トラックバック(0)
12年ぶりの勝利!

大型連休の初日の昨日は、最高の一日となりました。
12年振りの快挙を、生で見ることが出来たのです。
昨日行われたサッカー・J1第8節で、サンフレッチェ広島は、風間八宏新監督が就任した川崎フロンターレに4-1で勝ちました。
広島は、前半15分に、MF山岸智の今季初ゴールで先制。
川崎Fも、同33分に、DF伊藤宏樹が同点ゴールを決めたました。
しかし、広島は、前半38分に、MF石原直樹のゴールで勝ち越し。
後半2分、33分にも、FW佐藤寿人がゴールを決め、結局、4-1で快勝!
3試合ぶりの勝ち点3を挙げました。
広島の対川崎戦勝利は、05年4月23日以来、7年ぶり。
等々力陸上競技場では、00年3月25日以来、実に12年ぶりの勝利となりました。
広島にとっては、素晴らしい試合となりましたね。
まず、苦手・川崎に、苦手・等々力で勝ったのが大きい!
これまで、何度も等々力で観戦しましたが、広島はいずれも惨敗。
酷い時には、7-0で負けていましたから...。
やっと、溜飲を下げることが出来ました。
また、今季これまで、点を取っていなかった山岸、石原が得点を挙げたのも大きいですね。
これで、得点パターンのオプションが増えて、ますます可能性が広がるように思います。
特に、石原選手は、これでようやく広島の一員になれたような気がしているのではないでしょうか?
DFの千葉選手からの長い縦パスが、得点の起点になっているのも良いことです。
ファン選手のクロスから得点が生まれたのも、好材料です。
今季の補強は、地味ながら、とても効果を挙げていると感じました。
しかし、なにより、寿人選手のゴールを目の前で見ることが出来たのが、最大の喜びです。
しかも2ゴールも!
なんたって、寿人がゴールすれば、盛り上がりが違います!
まさに、千両役者!
サポーターの思いをしっかり受け止めてプレーしている真摯な姿勢が、感動を呼ぶのです。
寿人の現役時代を生で見ることが出来た我々は、本当に幸せだと思います。
寿人選手は今季7点目で、現在、得点ランキング・トップを走っています。
実は、昨日は、川崎のディフェンスが不安定で、後半は、ほぼ一方的な展開になっていました。
クロスバー直撃が3本もありましたから、実際には、広島にもう少し点が入った試合ではありましたね。
これで、サンフレッチェ広島は、5勝1分2敗の勝ち点16にまで伸ばし、2位に浮上しました!
この連休中、5月3日には新潟とホームで、6日には柏とアウェイで対戦します。
ここは連勝を飾って、首位・仙台をきっちりマークしていきたいですね。
昨日、僕は、柏戦のビジター指定席のチケットを購入しました。
熱い声援を送ってきますね!
頑張れ、サンフレッチェ!

この記事の更新日:2012年4月29日 09:04 | コメント(0) | トラックバック(0)
2本目の暗記始めました!
ついに、夏の本公演で上演するオープニング作品の暗記を始めました。
ラストに上演する作品の暗記に、大方の目処が付いたからです。
勿論、ラストの作品の全てを、完璧に覚え切った訳ではありません。
でも、どうせ、まだまだ何度も直すに決まっています。
同時並行で、複数作品を覚えていった方が、効率が良いのです。
新しい作品を覚え始めると、すぐに、これまで気付かなかった欠点が、続々見えてきます。
それらを直していたら、全然、暗記が進みません。
たちまち、脚本が、真っ赤になってしまいました。
また、新たに、面白そうな演出を思い付きました。
それを取り込むと、脚本が、また少し長くなってしまいます。
楽しく、また苦しい戦いが始まりましたよ。
今日も、時間を見つけて、頑張るぞ!
この記事の更新日:2012年4月28日 08:30 | コメント(0) | トラックバック(0)
演劇初体験
「"ぷにぷにパイレーツ"に参加したい!」という希望者が、また1名現れました。
この男性も、まったくの演技未経験者です。
しかし、懐の深い"ぷにぷにパイレーツ"は、快く受け入れます。
そして、多分、その人には、夏の新人公演に出演して貰うことになるでしょう。
色々な方に演劇を体験して頂き、その魅力を広く発信していきたいと思っているからです。
"ぷにぷにパイレーツ"は、過去にも、演劇初体験という人を、舞台に登用してきました。
「究極のロハス・スタイル」の池戸さん。
「Fight the power」の宮下さん、古田さん。
「ノー・モア納豆」の内田君...。
この他、かつてセリフ劇をやったことのないメンバーに、お芝居をやって貰ったことが多々あります。
ところが、それでつまらない舞台になったかというと、そんなことはありません。
実際、どれも爆笑を取りましたし、いまだに「あの演技は凄かった!」と言われる作品ばかりです。
少なくとも、「演技がしょぼくて、見ていられなかった」という声は、まったく聞かれませんでした。
勿論、舞台経験は豊富な方が有難いですし、キャリアのある人の方が演出しやすいのは確かです。
でも、プランニングさえしっかりしていれば、いわば素人が上演しても、それなりに面白い舞台を作れるのではないかと、僕は思っています。
どこかの劇団で変な癖が付いてしまっている俳優より、全くの素人の方が、扱いやすいものです。
色の付いたキャンバスより、白紙の方が、画家のイメージ通りに絵が描けるのと同じ理屈です。
その人の素材を理解し、長所を生かす脚本を書き(あるいは、選び)、丁寧に指導していけば、まったく問題ありません。
演技の上手さと作品の面白さは、比例しないのです。
今度の参加希望者は、ダンスという特技を持っています。
しかも、体力には、相当、自信があるようです。
その持ち味を生かせる作品を、作っていきたいですね。
この記事の更新日:2012年4月27日 08:56 | コメント(0) | トラックバック(0)
獅子丸悩む!
落語家・立川らく太が、先月末に、二つ目に昇進しました。
名前も、立川志獅丸(たてかわ・ししまる)に変わりました。
志獅丸君には、夏に予定している"ぷにぷにパイレーツ"の新人公演で、リーダーを務めて貰おうと思っています。
(新人公演に、僕は、一切出演いたしません。裏方に徹するつもりです)
その志獅丸君は、今、悩んでいます。
今度の公演で、どの演目を上演すべきか、決めかねているようです。
"ぷにぷにパイレーツ"は、これまで、ちょうど50本のオリジナル作品を上演してきました。
新人公演では、その中から、好きな演目を自由に選んで貰って、再演することにしています。
なお、本当の新人さんたちは、初演を見ていないので、選びようがありません。
だから、僕が、お薦めの作品を選び、脚本を読んで貰って、決定しています。
その点、志獅丸君は、これまで上演してきた社会風刺コントのほとんどを見ています。
それだけに、彼は、迷ってしまって、決断出来ないようなんですね。
笑いが多い作品を選びたい気持ちもあり、演技力を問われる作品に挑戦したい気持ちもあり、二人芝居をやってみたい気持ちもあり...。
どれも魅力的だし、どれも難しそうに思っているようなんですね。
特に、初演の際にバカ受けを取った作品の再演は、相当プレッシャーを感じるみたいです。
(スベったら、役者が悪いということになりますので...)
僕が強制的に決めても良いのですが、演目を選ぶ楽しみを奪ってしまっては気の毒です。
どの演目を上演するか、役者自身が決められる劇団なんて、滅多にないんですから...。
それでも、徐々に、志獅丸君の中で方向性が出てきているようです。
近々、正式に決定する筈です。
決まり次第、皆さんに、ご紹介させて頂きますね!
この記事の更新日:2012年4月26日 09:02 | コメント(0) | トラックバック(0)
今日もまた直す!
夏の本公演の最初に上演する作品の脚本に、直しを入れてみました。
そうしたら、恐ろしいことになってしまいました。
台本は、たちまち真っ赤に染まり、自分でも読解出来ない状態に!
しかも、直した所をすぐまた直すので、「2回目の直しは青、3回目の直しは緑、4回目の直しは紫」といった具合にペンの色を使い分ける必要まで生じました。
原形をとどめている文章は、ほとんどありません。
結局、全面改訂のような形になってしまいました。
ここまで修正することになったのには、理由があります。
公演のコンセプトを変えたので、作品そのものの演出も変更しなくてはならなくなったのです。
演出を変えるとなると、見せ場のセリフを、少し直さなくてはなりません。
1か所でも変更を加えると、それに合わせて、数か所の変更を余儀なくされます。
その数か所の変更が、新たに数十か所の修正を生みます。
その数十か所の修正が、今度は数百か所の...。
こんな感じで、キリがありません。
ストーリーは何一つ変わっていないのですが、全然違う脚本が出来上がりました。
勿論、これで完成という訳ではありません。
暗記を始めると、必ず、しっくりこないところが出てきます。
そうすると、また直しを入れ、それに合わせてまた直し...。
結局、本番になっても、「この脚本は完璧だ!」なんて思えないのです。
自分で妥協できる限界点を求めて、今日もまた、脚本を直しますね。
この記事の更新日:2012年4月25日 09:00 | コメント(0) | トラックバック(0)
第12稿
夏の本公演のラストに上演する新作脚本の第12稿目を、昨日、プリント・アウトしました。
直しても直しても、また直さなくてはならない所が見つかりますね。
また、1ヶ所直すことによって、全体に歪みが生じて、新たに直す必要が何箇所も出てくることがあるのです。
実際、第12稿を印刷した30分後に、大きく改訂した第13稿をプリントしましたからね。
一体、いつになったら、完成稿が出来上がるんでしょう?
しかも、これ、3本上演するうちの、1本目なんですけど...。
この記事の更新日:2012年4月24日 08:48 | コメント(0) | トラックバック(0)
第12稿
夏の本公演のラストに上演する新作脚本の第12稿目を、昨日、プリント・アウトしました。
直しても直しても、また直さなくてはならない所が見つかりますね。
また、1ヶ所直すことによって、全体に歪みが生じて、新たに直す必要が何箇所も出てくることがあるのです。
実際、第12稿を印刷した30分後に、大きく改訂した第13稿をプリントしましたからね。
一体、いつになったら、完成稿が出来上がるんでしょう?
しかも、これ、3本上演するうちの、1本目なんですけど...。
この記事の更新日:2012年4月24日 08:48 | コメント(0) | トラックバック(0)
3年前
夏の新人公演では、過去に上演して好評だった作品を再演する予定です。
新人さんでも演じやすいように、社会風刺コントを中心に据えるつもりです。
そこで、昨日、今回、上演候補に挙がっている作品を読み直してみました。
すると、世の中の変化の速さに、愕然としてしまいました。
3年前に上演したある作品では、自民党政権がテーマになっていました。
当時の総理大臣は、麻生さんです。
その劇では、福田元総理の話題が、沢山入っていました。
福田さんの時代って、遥か昔っていう感じがしませんか?
オリジナルのまま上演しても、全然ピンと来ないでしょうね。
また、麻生さん以降、鳩山さん→管さん→野田さんと、3人の総理大臣が誕生しました。
あまりにも変わるペースが速すぎます。
1年前の脚本は、もう古くて、使い物にならないのです。
最近の日本では、政治風刺コントは、賞味期限があまりにも短いのです。
こんな国って、世界でも稀でしょうね。
一方、不景気や失業、官僚天国、健康被害など、社会ネタのコントは、少しも古びていません。
と言うより、数年前より、一層の迫力を感じられます。
ほぼ原作通りで演じられる上に、初演時より、面白くなっている筈です。
ただ、あまりにもギャグにリアリティがありすぎて、逆に笑えない可能性があるぐらいです。
こうしてみると、この3年間で、日本はより悪い状態に追い込まれてしまったんですね。
いかがなものか...。
この記事の更新日:2012年4月23日 09:33 | コメント(0) | トラックバック(0)
文さんの稽古
昨日は、新人公演の稽古を行いました。
参加者は、文さん1名のみ!
(文さんのフルネームは、また改めてご紹介します)
4時間弱、たっぷり練習して頂きました。
文さんに上演して貰うのは、「究極のロハス・スタイル」という作品です。
僕の代表作の一つと言っても良い、社会風刺コントです。
黒ーい、どす黒ーい、悪意に満ちたユーモアいっぱいの作品です。
明るく爆笑するものではなく、ニヤリと口を曲げて冷笑するタイプのギャグに満ちています。
いかにも、僕らしい作品です。
当然、演技には緊張感が求められます。
ゆるい瞬間があったら、ぶち壊しになります。
体力と精神力が充実していなくてはなりません。
その点、文さんは、非常にセンスの良い女性です。
まだまだ荒削りなのは否めませんが、感覚の方は申し分ありません。
この感覚は、結構、先天的なもので、努力したからといって必ず身につくというものではないんですね。
舞台感覚さえ持っていれば、目指す方向性を把握した上で練習を効率よく行えます。
そういった意味で、文さんには、大きな可能性を感じています。
実際、この1週間で、文さんはかなり成長していました。
徐々に、舞台上の空気を動かせるようになってきたんです。
これは楽しみですね!
毎日、自宅で、内容の充実した稽古をしているのだと思います。
きっと、本番では、良い舞台を作ってくれることでしょう。
僕は、とても期待しています。
この記事の更新日:2012年4月22日 09:13 | コメント(0) | トラックバック(0)
名作と駄作の狭間
セリフを暗記しているうちに、再び、それが良い作品のような気がしてきました。
単に"良い"というレベルではなく、凄い傑作のように思えてきました。
自分が天才ではないかと錯覚するぐらい、「良く出来ている」と感じられるようになりました。
多分、これは、名作なのです!
しかし、稽古を進めていくと、またまた、駄作のように思えてくるものです。
(特に、動きの稽古を始めた頃)
自分の中で、作品の評価が、名作と駄作の間を行ったり来たりします。
そして、最終的にはそんなことはどうでも良くなってしまいます。
「せっかく書いたモノだし、頑張って覚えたんだから、もうやるしかない!」という気持ちで上演に臨むことがほとんどです。
そういう時って、案外高い評価を頂くことが多いんですよ。
自分の作品を冷静に評価出来るようになるのは、いつなんでしょう?
この記事の更新日:2012年4月21日 08:42 | コメント(0) | トラックバック(0)
ピンター?オールビー?
「ヘミングウェイに似ている!」
こんなことを、"ぷにぷにパイレーツ"のお客様に、時々言われるというお話をお伝えしました。
僕は、ヘミングウェイを意識したことはありません。
ブレヒトのマネをしようと思って、いつも努力しています。
「ブレヒトのパクリじゃない!」なんて言われたら、さぞや嬉しいだろうと思います。
しかし、実際には、「ブレヒトみたいですね」なんて言われたことは、ほとんどありません。
もっぱら、僕の作品において、影響が指摘されるのは、以下の2人の劇作家です。
ハロルド・ピンター!
エドワード・オールビー!
うーん、とても偉大な方々ですねえ。
そんなことを言われるのは、僕にとっては、光栄の至りです。
演劇評論をなさっている方や、英米演劇を研究されている大学教授までが、そうおっしゃっているのですから、きっと似ている所があるんでしょうね。
ところが、僕自身は、ピンターやオールビーに似せようと思った事は、一度もありません。
ストーリー展開も、文体も、全然違います。
第一、僕の作品の登場人物は、あんなに饒舌ではありません。
どこに共通点があるのか、僕自身が知りたいぐらいです。
確かに、「動物園物語」は何度も何度も読みました。
某劇団の「ダム・ウェイター」の稽古場に見学に行ったこともあります。
でも、その要素を自分の作風に取り入れようと考えたことは、まったくありません。
あえて言うなら、どこからともなく、にじみ出てくる雰囲気に、似たモノが感じられるのでしょう。
演出の空気感に、同じ匂いがするのかもしれません。
また、「世界をどう捉えるか」という視点にも、共通点が挙げられると思います。
面白いものですよね。
自分は全然意識していないのに、周りの多くの人が影響を指摘するなんて!
最近、ピンターやオールビーを読み直してみました。
改めて、その凄さと素晴らしさを、再認識しました。
そんな巨人に、ただ雰囲気が似ているだけでなく、レベルの方も近付けていきたいですね。
自分でも、「ピンターやオールビーに近付けた!」と思えるよう、頑張っていきたいと思います。
この記事の更新日:2012年4月20日 07:39 | コメント(0) | トラックバック(0)
短い方が良いに決まってる!
暗記しながら脚本を直していくと、どんどん無駄が省かれていきます。
装飾的な表現はが、ことごとく剥ぎ取られていくのです。
その結果、かなりハードボイルドな文体になってきました。
ダシール・ハメットの文章に似ていなくもないかな...。
かつて、何人かのお客様に、「ヘミングウェイの作品みたいだ」と言われたことがあります。
僕は、ヘミングウェイを読んだことなどほとんどありません。
影響はまったく受けていませんが、似ているところがあるとすれば、その文体かもしれません。
僕の作品は、セリフの一文が短いのが特長です。
その分、シンプルで分かりやすくなっている筈です。
当然、役者にとっても、短い方が覚えやすいんですよ。
セリフと待ち時間は、短い方が良いのだ!
この記事の更新日:2012年4月19日 07:41 | コメント(0) | トラックバック(0)
難しい方を選べ!
今、暗記中の作品のクライマックス・シーンのストーリーを変えてしまいました。
かなり大胆な変更になります。
作品の本質が変わるわけではないのですが、印象はまったく別のモノになると思います。
作品を着想した時から、僕は、2つのプランを持っていました。
当初は、そのうち、無難に演技出来る方を採用していました。
しかし、暗記している最中に、こんなことを考えてしまいました。
「そんな弱気なことでどうする!難しい方を選択して、自分をレベルアップさせい!」
そもそも、エンタテインメント性を抑えた、アート感覚が売りの作品です。
安全策を取っても仕方ありません。
そんな訳で、とんでもなく演出の難しい作品に仕上がりそうです。
後日、演技の練習をする時、僕は泣いているかもしれません...。
迷った時は、困難な方を選べ!
この記事の更新日:2012年4月18日 07:28 | コメント(0) | トラックバック(0)
恐怖の環境テロリスト
一昨年、ぷにぷにパイレーツは、「ノーモア納豆」という社会風刺コントを上演いたしました。
この作品は、環境テロリストを主人公としたものです。
過激な"動物愛護主義者"が、納豆菌の保護を始めるというお話です。
かなりナンセンスなテイストでまとめたので、「そんなバカな!」というあり得ない展開にしたつもりだったんです。
ところが、現実は、僕の考えが及ばない程、クレイジーな状況に追い込まれていたんですね。
先月末に、新潮選書から出版された『恐怖の環境テロリスト』を読んで、そう思いました。
環境のためなら人でも殺す。
調査捕鯨船に高速艇で体当たり、イルカ漁師に暴言連発、製薬会社に放火攻撃--。
奴らは「お騒がせ集団」なんかじゃない。
カルト的思想と違法手段で武装した環境テロリストだ。
背後には彼らを英雄扱いして稼ぐ世界的TVチャンネル、ショーン・ペンらハリウッドの大御所達。
巨額のカネで繋がった"動物愛護業界"とは何なのか?
なぜ今日本を狙うのか?
黒い活動家の正体を暴く...。
そんな内容の新書です。
環境保護や動物愛護を名目に、デモや放火、酷い時には爆破まで辞さない...。
これは、まさに犯罪です。
FBIは、この犯罪形態を、エコ・テロリズムと定義しています。
1997年に、医薬品開発のため動物実験を行うイギリスの企業が標的になったケースでは、活動家が社員の自宅に押し寄せたり、社長を襲って大ケガを負わせたりしています。
取引銀行までも脅迫し、この企業を、倒産寸前にまで追い込んでいます。
日本では、主にシー・シェパードの活動が報道されていますが、彼らはまだ穏健派なんだそうです。
欧米で大暴れしてきた『動物解放戦線』や『SHAC』は、まさにプロのテロリスト集団です。
そんな彼らの次の標的は、日本!
捕鯨だけでなく、畜産業、森林関連産業、外食産業...、様々な面から、彼らは容赦なく攻撃してくる筈です。
その実態を、皆さんにも、是非知って頂きたいと思います。
「ノーモア納豆」は、時代を先取りし過ぎていたのかもしれません。
これからが、本格的な、環境テロリストの時代なのですから...。
この記事の更新日:2012年4月17日 07:49 | コメント(0) | トラックバック(0)
新人公演2回目の稽古
昨日、新人公演に向けて、2回目の稽古を行いました。
詳しくは書けませんが、新人さん2人とも、いい感じです。
舞台初挑戦とは思えません。
この段階で、ここまで出来ていれば、まずは安心といったところです。
まだ、基本の考え方を伝えている段階ですが、数ヵ月後には、かなり面白いキャラクターを演じてくれるのではないでしょうか?
また、立川志獅丸君も、稽古に初参加しました。
さすがの貫録で、台本を持ったままですが、すでに笑えるレベルで演じていました。
次の稽古は、土曜日です。
参加者は一人きりですが、厳しく指導していきたいと思います。
この記事の更新日:2012年4月16日 07:00 | コメント(0) | トラックバック(0)
慌てず騒がず
「うおー!全然覚えていないではないか!」
前日覚えた筈のセリフが、翌日になるとほとんどスッポリ抜けています。
「自分はバカなんじゃないか」と自己嫌悪に陥りそうになります。
しかし、僕も経験を重ねてきましたから、そんなことではたじろぎません。
「覚えた部分も、僅かながらあるではないか!何て偉いんだ!天才だ」と思うようにしています。
「ダメだ」と決めつけてしまうと、本当にダメになってしまいますからね。
結局、急激に自分の能力を上げることは出来ないので、地道に努力するしかないのです。
本番まで、まだ3カ月あります。
普通の劇団なら、まだ脚本が出来上がっていない時期です。
慌てず騒がず、ゆっくりやっていきますね。
さて、今日は、夏に予定している新人公演のお稽古を行います。
今回で2回目、約1ヶ月ぶりのお稽古になります。
その間にどれだけ成長してくれたのか、今日はその成果を見るのが楽しみです。
"ぷにぷにパイレーツ"は稽古回数が少ないのが特徴の劇団なので、ぐいぐい前に進んでいきますよ。
今日は、早くも、動きを付けていこうと考えています。
動きがあった方がセリフを覚えるのも早いし、セリフの言い方も上手くいくものです。
演劇初心者のメンバーには大変かもしれませんが、いつかは必ず通る道です。
気合いを入れて、頑張って頂きましょう!
この記事の更新日:2012年4月15日 08:39 | コメント(0) | トラックバック(0)
ストーリーなし!
夏の本公演では、3本の作品を上演する予定です。
そのうちの、既に脚本を書き終えている2本は、ちゃんと、ストーリーのあるモノです。
まだ執筆に着手していない残りの1本は、「思い切って、ストーリーのない、前衛的な作品にしようかな」なんて考えています。
『ぷにぷに印象派祭り』や『赤いカーニバル』の公演でも、ストーリーのない作品に挑戦はしてみたものの、結局挫折してしまいました。
そして、ストーリー性は薄いけれど、ちゃんと意味の通る「蝶」と「地下室」にまとめてしまいました。
別に、上記2作品がまずい訳ではありませんが、初志貫徹出来ていないところが不甲斐ないですよね。
実現出来なかった理由は2つ。
①ストーリーのない作品作りは、僕にはとても難しい!
②演劇に馴染みのないお客様が喜ばないので、次回公演に来て貰えない!
しかし、今年は何とか頑張って、ストーリーをはく奪した作品にトライしたいと思っています。
具体的なプランは出来ているんです。
あとは、作業を行うのみ!
共演して下さるミュージシャンと相談しながら、丁寧に作り上げていくつもりです。
3作品中、1つぐらい難解なものがあっても良いではありませんか!
(あとの2本が面白いことは保証します)
これ以上、観客数が減ることは考えにくいので、思い切っていきますよ!
この記事の更新日:2012年4月14日 09:39 | コメント(0) | トラックバック(0)
『セチュアンの善人』エピローグの有無について
2週間ほど前、"東京演劇集団風"の上演した『セチュアンの善人』について、感想を書きました。
その中で、「なぜ、原作にあるエピローグをカットして上演したのだろう?」という疑問を投げかけました。
すると、"風"の方から、ご丁寧に、それに対する回答を頂戴しました。
芸術監督の浅野佳成さんに確認の上、そのコメントを送って頂いたものです。
今日は、その主旨を、簡単にご紹介させて頂きたいと思います。
「エピローグに書いたブレヒトの批評は、今の時代には甘い」と感じるからやらなかった。
いま、我々は、もっと途方もない時代に生きている。
私たちには、「仕組みの中に取り込まれてしまっている」という現実がある。
思想史家・藤田省三さんは『全体主義の時代経験』の中で、こう記している。
「"処方された幸福"を"自ら開発した幸福"と取り違えて、ベンベンと満足の日を送る精神の死骸が残らざるを得ないであろう」
いつか、今そのものを批評し、さらには、我々自身が批評されていく世界をつくらなければならない......。
そんな思いから、今回はエピローグを語れない。
客席とともに思考したいとの思いで、芝居を提示する...。
以上のようなお答えでした。
僕自身は、劇作家的な目線から「エピローグがあった方が、皮肉で面白いなあ...」と思っていました。
しかし、"風"の皆さんは、今の日本の問題を踏まえて、より厳しい姿勢でこの作品を上演されていたんですね。
その固い決意に、僕は、心打たれてしまいました。
このように、劇評に対し、真摯に回答して頂ける劇団は非常に珍しいと思います。
ここまで真面目に作品に対峙し、また演劇を通して社会を見つめ直そうとする取り組み自体が、レア・ケースです。
今の日本では、目の前の"受け"だけを狙う演劇や、お金儲けの手段として用いられる演劇ばかり、跋扈しています。
エンタテインメント性重視の商業主義化に抗い、観客の批評性を喚起する叙事的演劇を提唱したブレヒトの作品を上演すること自体が、すでに挑戦的なものなのです。
そういった骨のある演劇を希求する"風"の公演に、今後、ますます注目していきたいと思っています。
今年の夏、"風"の公演予定には、かなり面白いラインナップが並んでいますよ。
(8月3日~5日に、ブレヒトの『マハゴニー市の興亡』も上演されます)
また、まだまだレベルは低いものの、ブレヒト先生に一歩でも近付けるように、僕も鋭意努力していくつもりです。
今年の年末には、再び、どす黒い社会風刺作品を提示する予定ですよ!
この記事の更新日:2012年4月13日 09:15 | コメント(0) | トラックバック(0)
セリフ暗記のコツ
結局、脚本を直してばかりいて、一向にセリフの暗記が進みません。
でも、毎日、力づくで無理やり覚えています。
現在のノルマは、毎日、原稿用紙8枚分!
何度も繰り返し、声を出して読んでいきます。
勿論、そんなに簡単に、頭に入る訳はありません。
翌日になって、まだ覚えているセリフの割合が、2割あれば良い方です。
でも、そんなの、一切、気にする必要はありません。
1ヶ所でも、2ヶ所でも、「覚えている所があって、ラッキー!」と考えるべきです。
大切なのは、単語を1個づつ順番に暗記することではありません。
全体の流れを大きく把握し、役の心理の流れを掴んでいくことです。
「この一言で、怒りから悲しみに変わっていくんだよなあ...」という風に、登場人物の心の動きに共感出来れば、セリフはすぐに覚えられます。
僕の経験からすれば、「自分の能力は大したことない」と認めることが、速く暗記するコツのように思います。
「自分は出来る!」と勘違いしているから、覚えられないことに腹が立ち、脳を硬化させてしまうのです。
「もともと自分は暗記能力が低いんだから、気長に!気長に!」と肩の力を抜いていれば、いつしかセリフは入ってきます。
スケジュールを長めに取って、リラックスして暗記に取り組みましょう!
その方が、頭ではなく、体でセリフが言えるようになる筈ですよ。
この記事の更新日:2012年4月12日 08:25 | コメント(0) | トラックバック(0)
ショボく見える...
セリフの暗記を始めると、急に、その作品がショボく見えてきます。
まあ、実際にショボいのかもしれませんが、少なくとも執筆した時のスケール感は感じなくなります。
なんともちっぽけで、つまらないモノに思われるんですね。
「こんなの上演して、みんな退屈しないかな...」なんて、不安になったりもします。
それは、今回に限った話ではなく、これまで上演した数十本の作品すべてにおいて起こった現象なんですね。
自作だから、その脚本が良いモノなのかどうか、上演してみないと分からないという部分があるのかもしれません。
(「リア王」や「桜の園」のように歴史的な評価が定まった作品なら、そんな感覚は覚えないんでしょうか?)
そんな訳で、僕は、セリフを暗記しながら、脚本を修正しまくってしまうんです。
毎日、改訂版を印刷しなくてはならないぐらい、赤が入るんですよ。
脚本を暗記する時は、作品全体ではなく、一つの文章、一つの単語に意識を集中させます。
そのキャラクターの小さな心理変化を丁寧に拾っていく感じです。
当然、世界観は小さくなりますよね。
"木を見て森を見ず"という状態なのですから...。
ですから、最近は、「ショボく見えるのは、作品作りにおいて、もっとも重要な過程だ!」と思うようにしています。
自分では「ショボい!」と思っていても、舞台に掛けると好評を博することの方が、圧倒的に多いのですから...。
この記事の更新日:2012年4月11日 08:44 | コメント(0) | トラックバック(0)
2012年夏の本公演のセリフ暗記開始
朗読会とパントマイムの発表会が終わり、ようやく、この春の予定が一段落しました。
そこで、昨日から、夏の本公演に向けて、セリフの暗記を始めました。
暗記に先立ち、まず、脚本を読み直してみました。
すると、構造的な大きな欠陥を発見してしまいました。
(以前から、気になっていた所ではあるのですが...)
それを直そうとすると、作品全体を、かなりいじらないといけません。
脚本が真っ赤になるほど修正が入りました。
結局、ラストの落ちまで変えてしまいました。
どんでん返しの結末を捨てて、あくまで主人公の心情に寄り添う形にしました。
その結果、当初想定していたエンタテインメント性はほぼなくなり、詩のような作品になってしまいました。
以前から、僕の書いた演劇作品は、「まるで詩のようだ!」と多くのお客様に言われてきましたから、これが僕の本質なのかもしれません。
万人に受ける作品ではなくなったかもしれませんが、分かる人には強く共感して頂けるモノになったと思います。
改めて、脚本を打ち直し、印刷して、暗記を始めたところ、すぐにまた直しが入りました。
それも、ほとんど全ての文章に!
いざ、口に出してみると、主人公のキャラクターと口調が合っていないのです。
よりストイックに、セリフを変えていかなくてはいけません。
一体、いつになったら、決定稿が完成するのでしょうか?
この記事の更新日:2012年4月10日 08:38 | コメント(0) | トラックバック(0)
Diamond Knuckle 18

昨日、大森ゴールドジムで開催された"Diamond Knuckle 18"に行ってきました。
この大会には、僕の通っている北澤ボクシングジムから、3人のプロが出場しました。
いずれも期待の若手選手だけに、観戦しない訳にはいきません。
大声を上げて、しっかり応援してきましたよ。
この試合会場は比較的コンパクトで、一番後ろにある立見席でも、十分良く見えます。
どこにいても、後楽園ホールのリングサイド席ぐらいの距離感です。
ですから、選手の息遣いや被弾した音が良く聞こえます。
凄い迫力を満喫できます。
第一試合は、フライ級の柿島プロ。
若干21歳の柿島プロにとって、デビュー2戦目の試合です。
柿島プロは、とにかく運動量豊富!
4ラウンド、ずーーーーと、動き回っていました。
しかも、きっと、メンタルが強いんでしょうね。
いくらパンチを浴びても何事もなかったように...、いや、それまで以上に動き続けていました。
あまりの運動量に、最後は相手も疲れてしまったようで、減点まで誘っていました。
結果の方は、4R判定勝ち!
見事、緒戦を勝利で飾りました。
第2試合は、デビュー3戦目の三浦プロ(バンタム級)。
ジムで良く会話する選手なので、僕は、一所懸命応援させて頂きました。
しかし、残念ながら、1回、TKO負け。
ペースを掴む前に、試合が終わってしまった感じでした。
まだ22歳の若さです。
次戦に期待しましょう!
第3試合は、同じくバンタム級の齊藤裕太プロ。
これまでに挙げた2勝はいずれもKOですから、この日もKO勝ちを期待していました。
齊藤プロは、とにかくパンチが速い!
ジャブが、面白いように、相手の顔面を捉えます。
上を意識するあまり、下ががら空きになるので、ボディもどんどん当たっていきます。
序盤、猛攻を仕掛けてきた相手でしたが、1Rの途中からすっかり大人しくなってしまいました。
そして迎えた3R、齊藤プロの脅威の右ストレートが敵の顎をヒット!
相手は、まるで小さな昆虫のように、遠くに吹っ飛んでいきました。
レフェリーが、そこで試合を止め、見事なTKO勝ち!
リング上で、齊藤プロの喜びが爆発しました。
試合後、3選手とお話させて頂き、試合の状況を教えて貰いました。
色々、勉強になりましたねえ。
改めて、ボクシングの奥深さを知ることが出来ました。
やっぱり、ボクシングって面白いですね。
生で見ると、本当に楽しめます。
僕はボクシングをちょっと齧っているだけに、観戦中、ついつい体を振ってしまうほどです。
凄く、感情移入してしまうんですよね。
まるで、3試合戦ったかのような、心地よい疲れを感じました。
テレビでしかご覧になったことのない皆さん!
是非是非、会場で観戦して頂きたいと思います。
ボクシングって、いいものですよ!

(上の写真中央が、柿島プロです)
この記事の更新日:2012年4月 9日 08:49 | コメント(0) | トラックバック(0)
パントマイムって難しいなあ!
昨日は、パントマイムの発表会でした。
ごくごく内輪の勉強会だと思っていたら、意外にお客さんが多くてビックリ!
(ぷにぷにパイレーツの本公演のソワレより、大勢いらっしゃいました。トホホ...)
伺ってみたら、「これからマイムを始めたい」という方々が中心だったようです。
僕は、トップ・バッターとして、「執行室(仮題)」を上演しました。
僕の大好きな、陰気で、物々しくて、重苦しい作品です。
一般的なパントマイムのイメージとはかけ離れた雰囲気に包まれています。
僕の個性を生かした作風だと思います。
ただ、着想してから僅か2日後の上演です。
当然、完成度はまだまだ低いモノです。
上演しながらも、「次、どうしようか?」と考えているようなレベルでした。
お陰で、重要なモチーフを飛ばしてしまったり、見せ場をサラリと簡単に演じてしまったり...。
失敗を数えたら、キリがありません。
やはり、稽古不足は否めませんね。
反省しきりです...(汗)。
しかし、お客さんの反応を見たところ、凄く集中してご覧頂けたようです。
小さなお子さんも、僕の上演中は、とても静かにして、大人しく見ていました。
後で、一般のお客さんに「ちゃんと分かりましたか?」と尋ねてみました。
すると、「分かるに決まってるじゃありませんか!」と、強い口調で言われてしまいました。
何とか、訳の分からない失敗作にならなくて済んだようです。
まずは、良かった、良かった...。
とは言え、まだまだ満足のいく出来栄えではありません。
今後、この作品を再演するかどうかは分かりません。
でも、より深化させたい動きが幾つか入っていましたので、それに関しては練習を続けていきたいと思っています。
パントマイムって、難しいなあ!
この記事の更新日:2012年4月 8日 08:19 | コメント(0) | トラックバック(0)
執行室
本日、パントマイムの発表会に出演します。
ごくごく身内で行われるものですので、一般の方はご覧頂けません。
いわば、勉強会のようなもので、上演後はそのまま懇親会に突入するようです。
ただ、そこに集まるメンバーが、強力なんですよね。
日本でもトップクラスのマイマーをはじめ、かなりの実力者が何人か参加します。
僕なんかが作品を披露して良いのかどうか分かりませんが、もうやるしかありません。
いっぱい恥をかいて来ようと思います。
今日、発表するのは、まだまだモチーフの段階のモノです。
人前でやってみて手応えを感じることが出来れば、改めて、中編の作品に発展させるかもしれません。
当初は、軽いコメディ・タッチの作品を考えていましたが、全然上手くいきませんでした。
結局、去年上演した「地下室」同様、相当重苦しい雰囲気になってしまいました。
仮にタイトルを付けるならば、「執行室」が適当でしょうか?
精一杯、演じてきますね。
この記事の更新日:2012年4月 7日 09:26 | コメント(0) | トラックバック(0)
ここからが難しい...
明日は、パントマイムの発表会です。
ようやく、作品の内容が決まりました。
あるテクニックをベースに作り上げますが、それは滅多に使わないものです。
他の人が舞台で上演しているのを、見たことがありません。
それだけに、どうすればその動きが効果的に生かせるのか、自分で模索しなくてはなりません。
単なるテクニックの披露にならないよう、きちんとエモーションを盛り込んでいく必要もあります。
最後の仕上げの段階ですが、ここからが難しい...。
時間がないので、早速、今から稽古します!
この記事の更新日:2012年4月 6日 07:20 | コメント(0) | トラックバック(0)
マクベス
必要があって、シェイクスピアの「マクベス」を、久し振りに読み直しました。
物凄いですね!
何が凄いって、あのセリフ量です。
オリジナル脚本のまま上演したら、一体、何時間掛かるんでしょう?
役者は、どうやって覚えるのでしょう?
それでも、「マクベス」はシェイクスピア作品の中では、短い方なんですけどね。
改めて思ったんですけど、シェイクスピアって、完全なセリフ劇ですね。
すべてがセリフで説明されています。
もし、役者全員が棒立ちで朗読のように演じたとしても、十分成立する筈です。
観客には全情報を言葉で開示し、真実が隠されることは一切ありません。
その為、伏線は引かれず、ラスト近くになって突然重要な情報が明らかになったりします。
(特に、「マクベス」の幕の引き方は納得いきません!)
セリフの素晴らしさは文句なしですが、作劇術としては何とも古臭い感じがしました。
「シェイクスピアを批判するなんて、何様のつもりだ!」と怒られそうですが...。
僕は、脚本を書く時、出来るだけセリフを減らしたいと思っています。
可能な限り肉体で表現し、それでは伝え切れない部分を、セリフに託す形にしています。
そういった意味で、シェイクスピアは、僕の目指すスタイルとはまったく異なっています。
ただ、セリフを書いていると、ついつい長くなってしまうのも事実です。
油断すると、心の動きを、全部、言葉で説明したくなってしまいます。
ましてや、シェイクスピア風のカッコいいフレーズを思い付いた時は、最高の気分になります。
しかーし、そこはグッと我慢です。
うっかり書いてしまったら、容赦なくカットしなくてはなりません。
劇作家の独りよがりのセリフは、観客にとっては大迷惑なんです。
「劇作家の存在を、舞台から如何に消すか」が、作劇において非常に重要だと僕は考えています。
演劇に馴染みのない皆さんは、「シェイクスピアこそ演劇」と思っていらっしゃるかもしれません。
確かに、本で脚本を読むなら、シェイクスピア作品はとても分かりやすいのは事実です。
でも、舞台での上演を見るなら、他にもお薦めしたい劇作家が沢山います。
今後、折を見て、ご紹介していきますね。
この記事の更新日:2012年4月 5日 08:07 | コメント(0) | トラックバック(0)
今季初勝利
やりましたー!
広島カープが、昨夜、今季初勝利を挙げました。
二回に、広瀬のタイムリーで先制し、六回に倉のスクイズで追加点を挙げました。
八回にも倉の2点二塁打で突き放しました。
大竹投手が、七回まで好投し、無失点でつなぎました。
巨人は、チャンスで一本が出ず、早くも2度目の零敗を喫しました。
カープが本拠地開幕戦で勝利するのは、2002年以来、10年ぶりのことです。
大竹投手、見事なピッチングでしたね。
緩急を付けた投球で、巨人打線を完全に翻弄しました。
5回2死一、二塁のピンチも、ボウカー外野手を、139キロの直球でショート・ゴロに仕留めています。
7回を5安打無失点、110球の力投は、申し分ありません。
試合後、お立ち台で「地元開幕戦だったので、絶対に勝ちたかった。これからも、どんどん勝っていきたい」と語っていました。
怪我をする前の大竹投手は、力任せに投げている感じでした。
しかし、今は、一球一球丁寧に、低目を狙って投げています。
また、勇気を持って緩い球を使い、相手打者のタイミングを狂わせていました。
全ての球に、意志と意図があったように思いました。
故障を機に、何かを掴んだのかもしれません。
昨日のようなピッチングをしてくれれば、今季は二桁勝利間違いなし!
カープ悲願のAクラス入り、いや、優勝が現実になるかもしれませんよ!
何を見ても演劇の参考になるものですが、昨日の大竹投手の投球も勉強になりましたね。
演技は、力いっぱいやれば良いモノではありません。
(体や声の)コントロールこそ、重要なのです。
また、パワーだけで勝負するのではなく、緩急を付けていくことも忘れてはいけません。
一瞬たりとも気を抜かず、全てにおいて丁寧に演じる...。
当たり前のことをきちんとやれば、自ずと結果は付いてくるように思います。
さあ、今日のカープの予告先発は、福井投手です。
昨日の大竹投手のピッチングを参考に、丁寧な投球を期待したいですね。
四球病を克服出来れば、福井投手の活躍は約束されているのですから...。
この記事の更新日:2012年4月 4日 08:05 | コメント(0) | トラックバック(0)
5年目に突入
本格的にパントマイムの練習を始めて、5年目に突入しました。
体が硬いので、なかなか思うようには上手くなりません。
でも、着実に、技術と知識が身に付いてきているように感じています。
以前は、マイム作品を作ろうとした時、何も思い付かなくて苦労したモノでした。
色々な経験を積んだ今は、作品のアイディアを、様々に発想できるようになりました。
ただ、それらのモチーフで実際に動いてみると、いずれもどこかに物足りない部分が出てきてしまいます。
ある程度マイムが出来るというだけでは、1本の作品を仕上げることが難しいのです。
特に、ラストに向かって展開する、「起承転結」の"転"の部分が上手くいきません。
それまでと違う展開に急に転がすと、(セリフなしの)動きだけでは、意味が分からなくなってしまうんですね。
自分の無力を痛感しますけど、それも、発展途上なら仕方ない!
続けていれば、いつかは出来るようになるかもしれません。
地道に練習を重ねていきたいと思います。
この記事の更新日:2012年4月 3日 07:40 | コメント(0) | トラックバック(0)
新人公演出演者募集を締め切りました!
2012年夏の新人公演の出演者募集を、3月末日にて締め切らせて頂きました。
お陰様で、2名の新人の参加が決定いたしました。
この2名は、まったく演劇経験がありません。
数か月間でどこまで上達するのか、僕自身、とても興味があります。
頑張って、演出していきたいと思っています。
なお、新人公演には、"立川らく太"改め"立川志獅丸"も参加します。
新人公演の詳細は、決まり次第、ご紹介いたしますね。
この記事の更新日:2012年4月 2日 07:20 | コメント(0) | トラックバック(0)
夏の公演の概要決定(4月1日版)
今年夏の"ぷにぷにパイレーツ"本公演の概要が、4月1日の今日、決定しました。
7月1日~8月31日の2カ月間、後楽園ホールで開催いたします。
公演タイトルは、「平清盛祭り」です。
演目は、「一本刀土俵入り」と「瞼の母」の二本立てとなっています。
共演は、ベルリン・フィルハーモニー・オーケストラです。
入場料は、10万円均一とさせて頂きます。
チケットは、事前予約をされた方の中から、抽選で当たった10万名様のみ、お求め頂けます。
皆様のお申し込みをお待ちしています。
新年度のスタートに当たる4月1日に、お知らせさせて頂きました。
この記事の更新日:2012年4月 1日 09:10 | コメント(0) | トラックバック(0)
セチュアンの善人
昨日、東京演劇集団風の公演「セチュアンの善人」を観劇してきました。
出演者25人、上演時間3時間40分、途中休憩2回という超大作です。
そのボリュームだけでも圧倒的ですが、それ以上に、内容が物凄かったです。
どう説明して良いか分かりませんが、とにかく素晴らしい!
現時点で、2012年の演劇公演のベストであることは間違いないと断言できます。
それどころか、このクオリティは、数年に1本あるかどうかというモノだと思います。
見逃した方は、本当に損をされましたよ!
善人であり しかも生きよ!
「ひとりでも人間らしく生きている善良な人間がいる限り、この世は今のままでよい」という神さま会議の決議に基づいて、三人の神さまが善人を探しに下界に降りてくる。
通りすがりのセチュアンの町で、一夜の宿を探すなか、唯一の善人、娼婦シェン・テに出会う。
しかし我々の世界では、善良な人間は、善良なままでは生きられない。
「善人のままで生きていろ」という神さまの掟は、稲妻のようにシェン・テを真っ二つに引き裂いた。
シェン・テは利己的な人々から身を守るため、情け知らずで貪欲な従兄シュイ・タの個性を身につけて生きていくが...。
この作品は、ブレヒトが、亡命中の1938~40年に執筆し、1943年にスイスのチューリッヒで初演された、現代・中国を舞台にした寓話劇です。
今回の上演では、フランスの俳優オリビエ・コントと、街頭詩劇"スーフルール・コマンド・ポエティック"のメンバーが加わり、神様の役をフランス語で演じていました。
衣裳は、ポーランドの美術家、ズザンナ・ピョントコフスカが担当。
まさに、ヨーロッパの芸術の香り溢れる舞台となっていました。
それにしても、風の俳優さん達は、どなたも素晴らしい演技をなさいます。
身体をしっかり使い、それを出発点としてセリフが出てくるので、言葉に嘘がありません。
強烈な説得力で、観客を惹きつけていきます。
また、呼吸の使い方が実に適切で、自分のボディを最良の楽器としてフル稼働させているように思いました。
また、皆さん、動きが綺麗なんですね。
止まるべきところはしっかり停止し、観客の目に、ヨーロッパ絵画のような美を焼きつけてくれました。
本来、パワーと美を両立させるのは、難しいことなんですよ。
それを軽々と実現させる辺り、「さすがは風の俳優さんだ」と感心いたしました。
また、演出も素晴らしい!
3層に重なる、かなり特殊な舞台構造になっていましたが、それを効果的に生かし切っていました。
神様のシーンなどで見世物的な面白さを加えながらも、根本的には実に骨太な演出でした。
過去の日本の他の劇団の上演では、主役のシェン・テをもっとヒロイックに描いていました。
しかし、風は、批評的な見地から、彼女の生き方の是非を、はっきりとは明示していません。
ブレヒトの芝居は"叙事的演劇"と呼ばれますが、まさにその精神を生かしたモノになっていたように思います。
しかし、何より、ブレヒトの脚本の凄さに、僕は完全にノックアウトされました。
まあ、何と言えば良いのでしょうね?
僕のような無力な劇作家は、ブレヒト作品の前に、ひれ伏すしかありません。
脚本を書こうという意欲を失ってしまうぐらい素晴らしい!
皆さんに、「僕の書くしょうもない作品を見る暇があったら、ブレヒト作品をご覧なさい」とアドバイスしたいぐらいです。
しかし、そんなことも言っていられないので、一歩でもブレヒトに近付けるように努力するしかありません。
そのために、早速、「セチュアンの善人」の影響を受けるつもりです。
かなり意図的に影響を受けることを、ここに宣言いたします。
勿論、そのままパクるという訳ではありません。
ブレヒト作品は娯楽用ではないので、一般のお客さんには難しい部分もあります。
そこに付け込んで、僕は、ブレヒトのテイストにエンタテインメント性を加味することで、何とか存在意義を見出していきたいと思っています。
実は、これまでも、そうしてきたんですけどね...。
風の上演で、一つだけ不思議に思ったことがあります。
原作では、ラストにエピローグが付いています。
俳優が観客に詫びるという、強烈なエピローグです。
今回、それは演じられていなかったんですね。
僕は、あのエピローグがあった方が、毒性が強くて印象深いと思うのですが...。
今回、なぜエピローグを外したのか、その理由を一度伺ってみたいですね。
「セチュアンの善人」は、ブレヒト作品のうち、「肝っ玉おっ母とその子どもたち」と並ぶ最高傑作だと思います。
そんな名作が、日本で、滅多に上演されないのは残念なことです。
翻訳が全集でしか読めないのも、寂しい限りです。
是非、風による再演、再再演を望みます。
また、他の劇団にも、挑戦して頂きたいと思っています。
皆さん、チャンスがあれば、必ずご覧になって下さいね!
この記事の更新日:2012年4月 1日 08:54 | コメント(0) | トラックバック(0)