ぷにぷにパイレーツ

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クールな脚本


第23回公演で上演する2本目の脚本が、ほぼ完成しました。
最初に書いた作品が、非常に情熱的なものでした。
それと似ないように、出来るだけクールな脚本にしてみました。
雰囲気はかなり違う2作品ですが、どちらも演技がとんでもなく難しそうです。
世界観、空気感をしっかりイメージ出来るように、頑張ります

民主的運営


日曜日の演劇ワークショップ終了後、しゃぶしゃぶ食べ放題のお店で、打ち上げを開催しました。
こちらも、大変盛り上がりましたね。
色々なお話をすることが出来ました。

参加した若い女性たちは、これまで余所の劇団で活動してきました。
そこではどんな条件だったのか伺いましたが、相当厳しいものでしたね。
費用やスケジュール等、かなり大変なんですね。
しかも、精神的苦痛も少なくないようです。
(具体的なことは、ここには書けないぐらいです)
皆さん、よくそんな状況下で、演劇を続けられますね。
とても、僕には耐えられません。

その点、"劇団ぷにぷにパイレーツ"は、かなり民主的な運営をしています。
甘いといえば甘いんでしょうが、みんなが気分良く演劇活動が出来なければ意味がありません。
もちろん、客観的で冷静な経営上の判断も必要です。
でも、少なくとも、劇団は、メンバーを不幸にしてはいけません。
身内を幸せにできないのに、観客を幸せに出来るわけがないでしょう?

演劇経験が多い人ほど、"ぷにぷにパイレーツ"の考え方に共感して下さいます。
「もっと早く出会いたかった」という感想を漏らす人もいます。
出来れば、余所の劇団を遠回りすることなく、最初からうちの劇団に入って頂きたいのですが...。
奈何せん知名度が低い劇団なので、若い人は"ぷにぷにパイレーツ"を知らないのです。

何をすべきか


昨日、約2か月ぶりとなる演劇ワークショップを開催しました。
初参加の女性を含め、若手中心のメンバーで行いました。
(一人、おっさんも混じっていましたが...)

参加者全員が演劇公演の経験者だったので、少しレベルの高い内容にしてみました。
「俳優とは何ぞや?」ということを、実践の中で掴みとって貰えたように思います。
面白いもので、僕がちょっとヒントを出すと、みんな、たちどころに演技が良くなるんですよ。
「出来ない」のではなく、「何をやればいいのか分からない」んでしょうね。
もちろん、発声、滑舌等の基本技術も向上させなければなりません。
しかし、それ以上に「何をすべきか」を考える作業が重要だということを感じ取って頂けたのではないでしょうか。

当初は2時間の予定でしたが、大変盛り上がったので、結局3時間もやってしまいました。
きっと、参加者はクタクタに疲れただろうと思います。
でも、充実感いっぱいの疲れだった筈です。
昨日掴んだことをスタート地点として、更に、自分を磨いていって貰いたいですね。 

どうぶつドーナツ


近所の元住吉まで、ブラリと散歩してみました。
有名な"ブレーメン通り商店街"がある所です。
その一角に、ちょっとした行列が出来ていました。
子ども連れのお母さんたちがズラリと並んでいたのです。
気になった僕も、時間があったので、行列に加わってみました。

そのお店の名前は、「イクミママのどうぶつドーナツ」といいます。
ほとんどのドーナツに、猫の顔が施しあります。
人気のキャラクターは"ミケ"ちゃんです。
そのほか、馬やアルパカ、タイガーなど、様々な動物の顔もあります。
それが可愛いと、女性たちの間で、大人気なんですね。

いくら人気があるとはいえ、なぜこんなに行列が出来るのか、その理由を探りました。
どうやら、お客さん一人一人が購入にかける時間が、異様に長いようなんですね。
手造りのドーナツですから、同じ"ミケ"ちゃんでも、一つ一つ顔が微妙に違います。
その中でどれが一番自分好みか、お客さんがじっくりご覧になって吟味していたんですよ!
こういう細やかなこだわりが、大事なんですね。
少々お高いドーナツですが、飛ぶように売れていました。

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やっぱり、今売れるには、可愛さが肝心です。
美味しさよりも、可愛さの方が重要です。
それも、分かりやすいキャッチーな可愛さでなくてはいけません。
一方、僕の作る演劇作品には、可愛さのかけらもありません。
むしろ、気持ち悪さを売りにしています。
だから、観客動員が一向に伸びないのかもしれませんね。

さて、ドーナツのお味の方ですが、甘さ控え目で、素材の良さを感じさせるものでした。
元住吉にいらした際には、おみやげにいかがですか?

 

ネタかぶり


2本、3本と続けて脚本を書くと、それぞれが似てくることが良くあります。
いわゆる、"ネタかぶり"をしてしまうのです。

後で書いた脚本を修正すれば良いのでしょうが、必ずしも、そうはいきません。
先に書いた作品を直した方が良いケースが多々あります。
つまり、オムニバス公演を行う場合、1本脚本を仕上げたらそれで終了ではありません。
公演全体のバランスを考えて、すべての作品を修正していかなくてはならないのです。

脚本の時点で、その"かぶり感"に気付けばラッキーです。
セリフを覚えて、演出を付けた時に、ふと気になることも多いんですよ。
そうなると、またセリフを書き直し、覚え直し、動きのプランを考え直さなくてはなりません。
これがまた、一苦労なんですよ。

一人の作家の作品でオムニバス公演を行えば、この"ネタかぶり"は絶対に避けられません。
「事後の修正作業は必要不可欠なものだ」と割り切るべきです。
時間と手間が掛かって気持ちが折れそうになりますけど、これも演劇の醍醐味の一つ!
粘り強く取り組んでいくことにいたしましょう。

自分を好きに


自分を好きになるのは簡単です。
余所の劇団の芝居を見れば良いのです。
脚本、演出、演技、いずれも、欠点ばかりが目に付きます。
「自分ならもっと上手くやれるのに...」などと思ってしまうこともしばしばです。
芝居を制作する厳しさを知らなければ、なんだって出来るような気がするものです。

自分を好きになるのは簡単です。
決して、芝居に手を出さないことです。

自分を嫌いに


自分を嫌いになるのは簡単です。
芝居をやれば良いのです。
俳優でも、演出家でも、劇作家でも、立場は何でも構いません。
立ちどころに、自分の無能を知ることになるでしょう。
でも、それが、自己改革の出発点となります。

自分を向上させるのは簡単です。
芝居をやれば良いのです。

デビュー作品


デビュー作が最高傑作というアーティストは少なくありません。
となると、僕の最高傑作は「我が人生に悔いなし」になるのでしょうか?

さて、女性ピアニスト、HJリムのデビューアルバムを購入しました。
それが、なんと8枚組!
デビューがこんな大作なんて、聞いたことがありませんね。

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韓国生まれのHJリムは、3歳でピアノを始め、12歳の時、ピアノ学習のため単身フランスに渡りました。
ルーアン国立音楽院とパリ国立高等音楽院を首席で卒業しています。
遠く離れた韓国の家族に学習成果を見せるため、演奏している姿をyoutubeにアップした所、音楽ファンの間で大きな話題になりました。
独特の演奏スタイル、恐るべき超絶技巧、類まれなる深い音楽性が注目されたんですね。

そのデビューは強烈です。
本人の強い意志により、「ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集」がデビューCDですよ!
その作品が、いきなり全米ビルボード・クラシック・チャートの1位を獲得したんですって。
これは、聞くしかありませんね!

評判通り、これは凄い!
圧倒的な迫力です。
絢爛豪華とはこのことです。
ベートーベンがロックに聞こえます。
技術が高いのは、聞いていて実に気分が良い!
疾走するスピード感はF1級といっても過言ではありません。
クラシックの辛気臭さが苦手な方に、是非聞いて頂きたい演奏です。

CDを買わずとも、youtubeで「HJ LIM」を検索してみて下さい。
強烈な演奏を無料で聞くことができますよ!

 

乗り換えキャンペーン


劇団ぷにぷにパイレーツは、現在、"劇団乗り換えキャンペーン"を行っています。
他の劇団に所属していた俳優さんが、この春、"ぷにぷにパイレーツ"に乗り換えた場合、入団費無料!
さらに、月々の会費も、入団後しばらくは無料となります。
(WS参加費等の諸経費は、別途かかります)
しかも、劇団を移籍しても芸名を変えなくて済む「芸名ポータビリティ」制度も適用可!
是非、この機会に、劇団乗り換えをご検討下さい。 

タイトルは重要


「樹海」「宝石箱」「線香花火」「夜間飛行」「貝殻」「地下室」
これ、何だか、分かります?
実は、ここ最近、ぷにぷにパイレーツが上演した作品のタイトルなんです。
なんとも、地味ですよね。
題名を見ただけでは、全然、面白そうじゃありません。
(公演をご覧になれば、納得頂けるタイトルだとは思いますが...)
やはり、タイトルでお客さんを呼べるようにしないといけません。

そう思って、過去には、もうちょっとイメージが膨らむタイトルを付けたこともあります。
例えば、「ずっと一緒に」「夢で会えたら」「我が人生に悔いなし」等々。
しかし、これらは、作者自身がタイトルをすぐに忘れてしまいます。
それに、凝っているわりには、そんなに面白くも感じませんね。

我ながら、マシなタイトルと思っているのは、以下の作品です。
「ベリーダンス社長」「ブログの天使」「さらば!市民球場」「ええじゃあないか」
みんな、初期の作品ですね。
時とともに上演作品がどんどんストイックになっているので、タイトルもそれに合わせて地味になってきているのかもしれません。

動員を考えると、作品タイトルは非常に重要です。
これからは、面白いタイトルを付けられる作品作りを考えていかないといけませんね。

次回(第23回)公演で上演する作品のタイトルも、地味なものになりそうです。
それぐらいアーティスティックな内容になっているということで、ご容赦下さい。

チェオ・フェリシアーノ


チェオ・フェリシアーノさんが亡くなられました。
78歳でした。

チェオさんは、サルサ・シンガーの第一人者で、全盛期のファニア・オールスターズのメンバーとしても知られています。
2008年には、これまでの功績に対して、ラテン・グラミー賞が贈られています。
チェオさんは、17日午前4:15頃に、乗っていた車がカーブを曲がりきれず、電柱に激突。
シートベルトを締めていなかった為、頭に負った損傷がもとで亡くなったと地元の警察は発表しています。

僕は、チェオさんが大好きで、高校時代から今まで、ずっと彼の歌声を聞き続けてきました。
はっきり言って「オヤジ声」なのですが、これがたまらんのです。
堂々とした男っぷり、人間味あふれる歌声から、大人の男の色気を感じてしまいます。
まさに、カンタンテ中のカンタンテです。
最近発表されたルベーン・ブラデスとの共演作も最高でした。
まだまだ活躍できた歌手だけに、残念です。
ご冥福をお祈りします。

よろしければ、こんな全盛期の映像をご覧下さい。

 

ストイック


僕が書く作品は「ストイック」だと、良く言われます。
どんなに下らないコントであっても、ストイックな匂いが漂うようです。
ストーリーにも、登場人物にも、構成にも、緩みや弛みが少ないんですね。

僕自身は、もっと軽いタッチを求めているのです。
しかし、脚本を仕上げてみると、必ず引き締まったものになっています。
享楽的だったり快楽主義だったりする作品を書こうとは思うのですが、どうも上手くいきません。
作品に魂が宿らないのです。
そもそも、魂が宿るかどうかを気にしているようでは、軽いタッチの作品は書けないのかもしれません。

去年、かなりエロチックな作品を書いて、劇団員に上演して貰いました。
しかし、実際の舞台は緊張感いっぱいで、むしろホラーのようなテイストになってしまいました。
どんなに努力しても、僕のストイックさは隠せないようです。

今では、「このストイックさは、僕の魅了である」と思うようになりました。
誰にでも、こんなに緊張感のある脚本が書ける訳ではありませんからね。
多くのお客様を集めようと思ったら、もっとユルい脚本の方が良いのは分かっています。
でも、出来ないものはしょうがない!
ますますストイックに厳しい作品を書いていきますね。

沁み込むまで


第23回公演のコンセプトは、すでに固まっています。
去年夏の「ぷにぷに!夜想曲集」同様、クラシック音楽が主役の公演です。
ある種の曲をベースに展開していきます。
"ぷにぷにパイレーツ"らしい、ファンタジックな内容になる筈です。

ですから僕は、このところクラシック音楽ばかり聞いています。
今回使うつもりの曲は、これまであまり聞いてこなかった作曲家のものです。
なかなか体に沁み込んできません。
朝から晩まで、時間の許す限り、聞き続けますね。

エンディング・プラン


僕の脚本執筆法には色々秘密があります。
その一つを、今日は公開してしまいましょう!

実は、僕は、作品のエンディングを決めずに、脚本を書き始めます。
とはいっても、無計画に書くのとは違いますよ。
演劇は落語や小説と違って、オチの瞬間に終わる訳にはいきませんよね?
オチのあと、演劇ならではのエンディングが必要になります。
そのエンディング部分だけを、事前に決めないという話です。
オープニングからオチまでの部分は、かなり緻密に準備しておく必要があります。

なぜ、エンディングを決めないのか?
それは、予め考えておいたものは、ほとんど使い物にならないからです。
エンディングは、頭で考えるモノではありません。
体で感じるモノです。
絵として美しいか?
綺麗な響きの音になっているか?
舞台上にパワーが漲っているか?
余韻を残す空気感があるか?
暗転しても、そこに生命を感じられるか?
などなど、エンディングを決めるには、相当な配慮をしなくてはならないのです。
エンディングを理屈で考えても仕方ありません。
実際に自分で動いてみて、肉体がしっくりくるものを選んだ方が、印象的な終わり方になると僕は思っています。

ただ、僕以外の人が上演する場合、その感覚には必ず差があります。
また、人によって出来ることが違います。
得手不得手もあります。
ですから、他人向けに脚本を書く場合は、第2、第3のエンディング・プランを用意するようにしています。

とん茶を食え!


かねてから食べてみたかったものがありました。
おとといの夜、ついに、それを食す夢が叶いました!
新宿のとんかつの名店「すずや」の"とんかつ茶づけ"を、堪能させて頂いたのです。

「うなぎの茶づけ」は聞いたことがあっても、「とんかつ茶づけ」は珍しいでしょ?
元々は、「すずや」の料理人のまかないから始まったものだそうです。
やがて、それは、「裏メニュー」として拡がり、長い年月をかけて商品化されました。

食べ方は、いたってシンプル!
最初は、温キャベツがタップリ乗ったとんかつを、定食として食べます。
ご飯が残り少なくなってきたら、ご飯の上にとんかつとキャベツをのせて、お茶をかけてかき込みます。
わさびを入れると、なお良いですね。
とんかつの脂っこさが消えて、実に爽やかな食後感です。

さすがに人気店だけあって、夕方早い時間から、大入り満員!
ほぼ満席になっていました。
そんななか、僕の隣に座ったのが、演劇界の大御所のKさんです。
小劇場演劇の第三世代に位置する、僕の大学の先輩です。
現在は、日本劇作家協会の理事を務めていらっしゃいます。
一人で、派手な帽子をかぶって、来店されました。
そして、「すずや」のとんかつを、満喫されていたのです。
日本を代表する演劇人が二人が並んで舌鼓!
演劇界で一流になりたければ、新宿「すずや」で「とん茶」を食え!

 

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なぞかけ


10日ほど前に、放送番組で"ねづっち"さんにお世話になりました。
ねづっちさんは、漫才コンビ"Wコロン"のなぞかけの名人として知られる芸人さんです。
そのねづっちさんの単独ライヴが、昨夜、新宿で行われたので拝見してきました。
公演タイトルは「ねづっちのイロイロしてみる60分」!
約1時間、ほぼ一人で喋り倒す公演です。
(ゲストコーナーも少しだけあります)

さすがに、圧倒的なフリートークでしたね。
息をもつかせぬ怒涛のお喋りでした。
内容も、トークの技術も、実に素晴らしいものでした。
テレビで見るのとは、全然違います。
やっぱり、板の上で鍛えられた人は、舞台で見ないとダメですね。

漫談が面白いのは当然ですけど、やはり、売りの"なぞかけ"が驚異的でした。
昨日は、"なぞかけ"ではなく、寿司屋がネタを振舞う形でやっていました。
普通のなぞかけより、オチを付けるペースが早くなるんですね。
それなのに、お客さんが出した問いを、いとも簡単に解いていました。
ちょっと考えたりする間もあったりするんですが、それはギャグが出なくて困っているのではないようです。
いくつか思い付いたうち、どれを言おうか考えているのだと思います。
その証拠に、一つ答えを言った後、2つ3つ続けて別のギャグを言っていましたからね。
あまりの早さに、ついていけないお客さんもいたほどです。
TVでは、相当ペースを落としてやっているんですね。
凄く頭の良い人だと思いました。

ねづっちさんの単独ライヴは、毎月開催されているそうです。
次回は、5月12日(月)の19:30開演です。
会場は、歌舞伎町の"新宿ハイジアV-1"です。
料金も、前売り1000円、当日1200円と格安!
興味のある方は、是非一度、ご覧下さい。

チェーホフ治療院


疲れがたまったり、体調が優れない時、整体に行ったりしますよね?
じゃあ、劇作の調子が悪い時は、どうしたら良いのでしょう?
どこに駆け込めば良いのでしょう?
どうやって、元の状態に戻したら良いのでしょうか?

そんな時、僕は、「チェーホフ治療院」のお世話になるようにしています。
台本を書くのに困った時は、チェーホフの4大戯曲を読むのです。
僕の場合、それで、立ちどころに調子が良くなります。
ただ、声を出して読めば良いだけです。
痛い所や凝った部位に、チェーホフは良く効くんです。
体も心もスッキリして、脚本を書く意欲が湧いてきます。
詳しい説明はやめておきますが、劇作家の皆さん!
騙されたと思って、一度お試し下さい。

ただし、あまりのチェーホフの作品の素晴らしさに、脚本を書く気を失う副作用もあります。
ご注意を!

入魂


第23回公演用の脚本が1本仕上がりました。
まだまだ長いけど、これはもう仕方ありません。
この長さでいくことにいたしましょう!
次に書く作品は、短めにしないといけませんね。

この作品は、公演の最初に上演するつもりでした。
でも、出来上がってみると、最後に上演するしかないものになっていました。
なかなか思い通りには書けないものです。

仕上がったといっても、まだまだ、魂が入っていません。
これから、その魂を吹き込む作業を行うことになります。
これが、結構、時間が掛かるんですよ。
いつになったら完成するのでしょう?
気が遠くなってしまいます。

キツイ!


久し振りに会った劇団員に、「僕の指導をどう思うか」改めて聞いてみました。
すると、「本当にキツイ!」という答えが返ってきました。
でも、それは、僕が厳しいという話ではないようです。
そこで、もっと詳しく尋ねてみました。

"石崎さんは絶対に怒らず、懇切丁寧に説明を繰り返す...。
そして、決して諦めない...。
それなのに、自分は、その期待に応えられない...。
だから、自己嫌悪に陥ってしまい、本当にキツイ..."

優しくしてもキツイ!
厳しくしてもキツイ!
演出家は、どうすればいいの?!

ロバート・シェクリー


脚本を書いていて、それを諦めたくなる瞬間が何度も訪れます。
矛盾を感じたり、断層を自覚したり、統一感の欠如を味わったり...。
そんな時、僕は、ロバート・シェクリーの言葉に勇気を貰います。

"なぜ、あることが起きて、別のことが起きないのか。
それに理屈をつけようとするな。
理屈を求めるな。
そもそも理屈があるなんて考えるな。
分かったか?"

非日常


舞台の脚本は、非日常を描くモノです。
ありふれた日常を、ひたすらリアルに描いても退屈なだけですからね。

しかし、非日常の設定には、どこかしら無理があります。
ありえないことが起こるから非日常なのですが、それを観客に「ありえない」と思わせてはいけないのです。
当然の如く、そこには矛盾があります。
その違和感をいかに感じさせないかが、脚本家の腕の見せ所です。

ただ、所詮、ありえないことを描きますから、おかしなところは何箇所か残ります。
「あんな凄い超能力を持っているくせに、なんでこれは出来ないんだ?」
「なんで今、タイムトリップしないの?」
「さっきはあんなに勇気があったのに、なぜ、肝心の時に臆病になってしまったの?」
「そんな絶妙のタイミングで、二人が出会う訳ないでしょう...」

しょうがないんです。
いや、しょうがないと思うしかないんです。
そんなことを気にしていたら、脚本を仕上げることはできません。
矛盾に気付いても、「やむをえん!」と、開き直ることが重要です。
そして、「ごめんなさいね、才能がなくて...」と、心の中でお客様に手を合わせて謝りましょう!
大丈夫!
お客様だって鬼ではありません。
劇場にあら探しに来る方は少数ですから、案外許して貰えるものです。
お客様の優しさに甘えて、無理な設定を押し通しましょう!

アンナ・カレーニナ


僕は滅多にハッピーエンドの作品を書きません。
ほとんどが不幸な物語です。
60本以上の自作を上演してきましたが、そのうちハッピーエンドは5本ぐらいしかないと思います。

僕が悲劇を好むのには、ちゃんとした理由があります。
トルストイ作「アンナ・カレーニナ」の冒頭の文章が、その理由を分かりやすく説明してくれています。
「幸福な家庭はどれも似通っているが、不幸な家庭はそれぞれのかたちで不幸である」

見る側はハッピーエンドがお好きなようですが、作る側としては不幸な結末の方が面白いのです。

池に石を


原稿用紙90枚以上あった新作脚本を、短くしてみました。

しかし、依然、75枚以上あります。

なかなか大胆にカット出来ませんね。

というのも、1ヶ所切れば、そこに盛り込まれていた情報をどこかに移すことになります。

当然、移そうとする場所のセリフを、大幅に改定する必要が生じます。

それに伴って、その周辺の文章も少しづつ直していかなくてはなりません。

池に石を投げ込むと、同心円上に波がひろがっていく感じに似ていますね。

つまり、1ヶ所カットすると、作品全体の構造を根本から変えていく必要があるのです。

たった1ヶ所でそれですから、大幅にカットするとなると、とんでもない手間が掛かってしまいます。

1ヶ所直すたびに、僕は倒れ込んでしまうぐらい疲れてしまうんです。

しかし、作品の質を上げる為には、やらなくてはならない作業です。

気を強く持って、頑張っていきたいと思います。 

ドロシー・セイヤーズ


脚本を書きたいと思っている方に、良く相談を受けます。
皆さん、どうやら、最後まで書き終えることが出来ないようなんですね。
そんな方々に、ドロシー・セイヤーズのこの言葉を贈ります。
「唯一できることは、自分が書きたいものを書いて、最善を祈ることだ」
こう考えれば、最後まで脚本を書き終えることが出来る筈です。

カープ本


2014年のプロ野球が開幕して、1週間が経過しました。
我が広島カープは、開幕ダッシュに成功!
ここまで5勝2敗で、首位・巨人とは1ゲーム差の2位につけています。
この調子でいけば、大方の評論家の予想通り、Aクラス入りは間違いなさそうです。
今季は、ルーキーの大瀬良投手、九里投手、田中内野手や、人的補償で巨人から獲得した一岡投手らの活躍が鍵を握りそうです。
若くてカッコいい選手が増えましたから、ますます注目度はアップすることでしょう。

それにしても、最近のカープの人気は凄いですね。
去年、「カープ女子」が話題になったのも、記憶に新しいところです。
それに便乗してか、このところ「カープ本」の出版が相次いでいます。

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なかでも驚いたのは、「別冊カドカワ 総力特集 広島東洋カープ 2014」というムックです。
1冊まるごと広島東洋カープ号となっていて、カープ以外の記事は掲載されていません。
10名以上の選手の単独撮りおろし写真や、インタビュー記事をはじめ、カープ好き著名人、アーティストのインタビュー、寄稿も満載!
さらに、中国新聞の人気コラム「球炎」の歴代記事を収録し、担当記者にも取材を敢行しています。
前田智徳氏や佐々岡真司氏、山崎隆造氏、高橋建氏によるOBインタビュー。
これは読むしかないでしょう?
税別1200円でしたが、迷わず購入してしまいました。
ニヤニヤしながら読んでいますが、特に写真が良い!
大瀬良投手や一岡投手の写真なんか、最高に可愛いです!
カープ女子必読の書ですね。

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また、「週刊 ベースボール 2014年 4/14号」も凄いことになっています。
"広島東洋カープSPECIAL 鯉党へ贈るカープ大特集号!"ですよ!
野球専門誌ですから、普段は12球団を平等に取り上げているのに、今回はどうしちゃったんでしょう?
内容は、以下のようなものです。
CLOSE-UP Vへのキーマン 前田健太/大瀬良大地/堂林翔太
若鯉ダブルインタビュー 九里亜連&田中広輔
裏話満載!? 鯉番記者座談会
松田オーナー代行が語る「カープ新時代」
評論家が語る赤ヘル打線復活への道
データ解析 カープが優勝する条件
プロ野球80周年企画"レジェンド"に聞く!第5回 衣笠祥雄インタビュー
うわー!これも読むしかありませんね。

地方の弱小球団だったカープが、今や、全国的な注目を集めています。
それにのって、まだまだ「カープ本」が出版されそうです。
また、財布の紐が...。

 

 

WS開催


4月27日(日)の夕方、演劇ワークショップを開催することになりました。
今回のWSは、初心者を対象としたものです。
いつもの厳しくストイックな感じではありません。
楽しく遊びながら演劇体験をして頂こうと思っています。
ですから、どなたでもご参加頂けます。
演劇未経験の方、大歓迎!
もちろん、演劇経験者にも参考になることが沢山あるはずです。
劇団HPの"お問合わせ"のところから、お気軽にお問合わせ下さい。

日時:2014年4月27日(日)17:00~19:00
場所:東急東横線・新丸子駅から徒歩3分の会場
参加費:2000円
服装:ズボンであれば、普段着で大丈夫です。 

店舗は劇場


今、劇団ブームが訪れています。
演劇界は衰退の一途をたどっていますが、劇団だけは盛り上がっているんですよ。
実際、外食産業にまで、劇団の波が押し寄せているのです。

最近うちの近所に出来た回転寿司チェーンに行ってみました。
そこには、写真のような変な張り紙が貼ってありました。
なんじゃ、こりゃ!

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調べてみると、そのチェーンでは、「店舗は劇場」「店舗で働くスタッフ全員が一座の劇団員」というコンセプトを掲げているようです。
接客サービスも重要な商品であるとの考え方から、お客様に対して劇団員一人ひとりが「接客はニコニコ・言葉はハキハキ・行動はキビキビ・寿司はイキイキ」を劇団員の姿勢として、それぞれの役柄を一生懸命に演じているそうです。
劇団員たちは、一座の舞台で "観客"を精いっぱいもてなすのです。
そして芝居小屋よろしく、店内には、経営理念が染め抜かれた幟が並んでいます。
それは「お客様の満足が私達の喜びです」で始まり、最後は「どうかご叱責ください」で締めくくられています。

このお寿司屋さんでは、お芝居のようなことは一切やりません。
単に、劇団を名乗っているだけです。
あえて言えば、店員さんたちがやけに明るく、声が大きい点だけが劇団風だったでしょうか。
経営者は、劇団をどう理解しているのでしょうか?
やはり、演劇界は誤解されています。
演劇は衰退するしかない...。

 

三つのルール


W・サマセット・モームは、こう言いました。
「小説を書くには三つのルールがある。
残念ながら、誰もそのルールを知らない」

戯曲も同じです。
僕も、そのルールを知らない...。

耐える


自分が書いた脚本を読み直すと、本当に愕然とします。
自らの能力の低さを、とことん思い知らされるからです。

面白くないストーリー!
リアリティのない展開!
薄っぺらいキャラクター!
稚拙なセリフ回し!
退屈な演出プラン!
無理やりな結末!
意味のない長さ!
ああ...、どの点をとって見ても、ダメなことばかりです。

でも、それが、脚本を書くということだと思います。
自分の無能さを受けとめる!
そして、それに耐える!
なんとストイックな作業でしょう!
なんと自虐的な行為でしょう!
でも、脚本執筆を「辛い」と感じない人には、良い脚本は書けない筈です。
まずは自分の能力の低さを知って、そこから改めて出発するしかないのです。
脚本家に求められる最大の資質は、耐えることだと思います。

責任重大


今日から4月!
新年度を迎えました。
社会の様々な制度が変わります。
新たな出会いもあるでしょう。
これが何かのきっかけになると良いですね。

さて、ぷにぷにパイレーツは、2月から3月にかけて、怒涛の公演ラッシュでした。
それを終えて、今は、第23回公演の準備をしているところです。
同時に、それ以降の公演企画を考えなくてはなりません。
というよりも、今後の劇団のあり方を検討する時期にあるようにも思います。
動員力をアップさせる為に拡大路線を進むべきなのか?
はたまた、本当にやりたいことをストイックに追求すべきなのか?
非常に迷うところです。

演劇で最も大切なのものは、脚本でも、演出でも、演技でもありません。
公演コンセプトこそ、重要なのです。
それを間違えると、劇団員全員の努力が無駄になってしまいます。
座長の責任は重大です。

ぷにぷにパイレーツは、今後、どんな姿になっていくのか?
どんなメンバーが所属し、どんな作品を上演しているのか?
じっくり考えていきたいと思っています。