ぷにぷにパイレーツ

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芽が出た


いよいよ今夜、アートマイム作品を発表しなくてはなりません。
まだ振付も決まっていませんし、ストーリーさえ流動的です。
完成とは程遠いものです。

でも、きのう動いてみたら、なかなかに面白いシーンがいくつかありました。
アートマイムならではの表現が、上手く生かされているように思います。
方向性は間違っていないことを確信しました。
きょうの僅かな時間で、もう少しまとめてみるつもりです。

僕は、能力が乏しいせいか、作品を仕上げるのに、ものすごく時間をかけます。
時間をかければかけるほど、着実に質が上がっていきます。
1週間や1か月では、まだまだ発展途上です。
できれば1年は欲しい!
そんなわけで、きょうは、作品の芽が出たところをご覧頂くことになります。
ここからじっくりと育て上げていきますね。

仕方ない!


これはマズいぞ!明日、アートマイムの作品を発表しなくてはならないのに、まだ全然出来ていません。アイディアはあるんですけど、現状はただそれを形にして動いているだけです。完成度が低すぎるー!しかも、尺が長いんです。今のままだと、20分を超えてしまいそうです。かなり大胆にカットしなくてはなりません。こんなものを人に見せてはダメなんですが、出来ないものは仕方がない!頑張ったからといって、良いものが仕上がるわけではないんです。とりあえず明日上演してみて、その反応を受けて、一から作り直すことにいたしましょう。真の完成は、来年の夏を目指しています。

意義を見出す


「人間の主な関心事とは喜びを得ることでも痛みを避けることでもなく、自分の人生に意義を見出すこと」
精神科医のヴィクトール・フランクルが書いた『夜と霧』の一説です。
ナチスの強制収容所に収監され、ガス室を前にした極限状態で紡いだ言葉です。
演劇人、特に、俳優を志す人には、覚えておいてほしいですね。

成長


「他人の育成を手掛けない限り、あなたに成長はない」
ピーター・ドラッカーの言葉です。

僕が劇団の形態を崩さない理由は、ここにあります。
人に成長を促すことで、その何倍もの成長をさせてもらっているのです。

真空


作品を作る時、「作ろう!作ろう!」と頑張ると、上手くいかないものです。
自分自身が飽和状態となり、ただただカオスが広がっていくだけです。
むしろ、引き算で考えた方が良いようです。
自分の中に無を!
何もない空間を広げていく!
そうすると、生まれたスペースに、重要なことが浮かび上がってきます。
作品作りで大切なのは、自分を真空にすることです。

確定


次回・第36回公演で上演する作品が確定しました。
全部で4つの作品をやります。
タイプの違うものを集めましたので、バリエーション豊かで、楽しい公演となりそうです。
比較的短い作品ばかりですから、飽きずにご覧頂けることと思います。
ご期待ください!

呼び捨て


これまで僕は、稽古の際、劇団の女優たちを苗字で呼んでいました。
「山田さん」「田中さん」というように、丁寧に「さん」付けまでしていました。
劇団員に対しても礼を失しないように心がけていたのです。

しかし、最近、劇団の女性たちから反発の声が挙がってきました。
「下の名前で、呼び捨てにしてほしい!」
それは、照れ屋の僕には、なかなかハードルが高いことです。
しかし、みんながみんな、口を揃えてリクエストするわけですから、従うしかありません。
意を決して、次回・第36回公演の稽古から、女優たちを下の名前で呼び捨てにすることにしました。

下の名前で呼んだところ、彼女たちは違和感なく受け入れています。
むしろ、喜んでいる様子です。
距離感が近くなる感じが良いのでしょうか?
僕はいまだに抵抗がありますけど、徐々に慣れていくしかなさそうです。

「夢のとき」舞台写真


第35回公演「夢のあとに」の2本目に上演した「夢のとき」の舞台写真をご紹介します。

 

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弱い自分


大相撲秋場所も、いよいよ大詰めを迎えました。
今場所、僕は、昭和生まれの力士として最年長大関を目指す、西関脇の嘉風に注目していました。
首痛の影響からか、初日から4連敗したときには、大変心配しておりました。
しかし、そこから見事立て直し、相撲内容も充実してきました。
さすがはベテランです。

そんな嘉風のコメントが秀逸でしたので、ご紹介させて頂きます。
難しいことにチャレンジしようとする人には、きっと参考になると思います。

出番までが長いと「変化しようか」とか、弱い自分が出てくる。
これは、打ち消すとダメ。
強力になって、やってくる。
だから、抱きかかえてやるんです。
弱い自分も仲間なんです。

叱る


何度同じ過ちを繰り返せば気が済むんだ!
まったく成長していないじゃないか!
呆れて、ものも言えない!

などと、自分自身を叱っているところです。
現在、マイム作品を作っているのですが、自分の愚かさに嫌気がさしてしまいます。
今回もいつもと同じ失敗をしていて、結局、構想は破たん!
そんな演劇的発想でマイム作品を作っていたら、上手くいくわけがないのです。
もちろん、没!
これまでかけてきた時間が、すべて無駄になってしまいました。

でも、間違いに気付いて良かった!
大いに反省して、まったく違った作り方で、新たな作品を考えていきたいと思っています。
残された時間は僅か!
気合いを入れていきましょう!

「夢のあとに」から1か月


第35回公演「夢のあとに」から、きょうでちょうど1か月となりました。
時のたつのは、本当に速いですね!

この1か月、大したことはできませんでしたね。
序盤は、「夢のあとに」の残務処理に追われました。
続いて、次回・第36回公演の出演者を確定。
その脚本の改訂や整備。
公演に向けた稽古を2回。
劇団員の結婚披露パーティに出席。
そんなところでしょうか。
こうして列挙してみると、いろいろやっていますね。

今後、第36回公演の稽古が本格化していきます。
それと同時に、第37回以降の公演に向けた脚本の執筆も進めていくつもりです。
遊んでいる暇はありません。

37年ぶりの連覇


やりました!
きのう、我が広島カープが、2年連続8度目のリーグ優勝を決めました。
カープの連覇は、古葉竹識監督が率いた昭和54、55年以来、37年ぶりとなります。
平成3年を最後に去年まで両リーグを通じて最も優勝から遠ざかり、平成10年から15年連続Bクラスと低迷していたのが嘘のようです。

カープは親会社を持たない地方球団なので、運営資金は豊富ではありません。
今シーズンの12球団の日本人選手の平均年俸は3826万円ですが、カープは2767万円にすぎません。
12球団中11番目の少なさなんです。
1位ソフトバンクは7013万円なので、その4割にも届きません。
なぜそんな貧乏球団が連覇できるのか?
それは、知名度は低いけれど、素質のある選手を獲得すること。
そして、猛練習!
この2つが生命線となっているようです。
安部友裕内野手らは、キャンプで、「早出」よりさらに早い「スーパー早出」という特訓を行い、今季結果を出しました。
練習したからといって、必ず成績が上がるわけではありません。
でも、力のない者は、練習するしかないのです。
練習に勝る良薬なし!

カープの連覇は37年ぶりですが、もしまた37年間ブランクが出来たとしたら、僕は恐ろしい年齢になってしまいます。
ずっとずっと、強くあってもらいたいものです。

当たり前のこと


次回・第36回公演に向けて、きのう、2週間ぶりに稽古を行いました。
台風の襲来が心配される中、2名が参加。
4時間に渡って、みっちり稽古しました。

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今回の出演者は、やる気満々です。
遅刻をしない!
途中で勝手にやめたりしない!
稽古場の準備や後片づけを積極的にやる!
どれも、当たり前のことですねぇ。
でも、これまでは、それさえできない人が多かったものですから、僕は猛烈に感動しております。

いつも思うことですが、稽古は正直です。
わずか4時間の稽古で、二人とも見違えるように良くなっていきました。
ハッとするようなシーンが、いくつか生まれてきたのです。
しかし、所どころ良い場面があるようでは、まだまだ!
作品通してずっと良くなるように、さらに磨き上げていかなくてはなりません。
本番までまだ時間はありますが、やるべきことは無尽蔵にあります。
毎回の稽古を、ますます充実させていきたいと思っています。

稽古終了後、近くのピザ屋さんで、反省会を行いました。
大好きな芸術、特に芝居の話ができて、僕は大満足!
意識が高いメンバーだと、レベルの高い内容を話せるので、楽しくて仕方ありません。
メンバーの一人は、食事しながら、メモをとっておりました。
非常に有意義な食事会となりました。

 

努力


大相撲秋場所の前半戦で思ったような結果を出せなかった豪風(たけかぜ)関の言葉が心に沁みております。

よく稽古し、よくトレーニングし、よくケアもして、家族と一緒にいた時間なんてなかった。
でも、努力しても、簡単に結果は出ないということ。
努力が習慣になったときに、初めて結果が出る。
そして、努力して、人は成長するんです。

大ベテランの豪風関ですら、まだ努力が足りないと思っているんです。
僕も含めて、ぷにぷにパイレーツの劇団員は、さらに努力しなくてはいけませんね。

「壜」舞台写真


第35回公演「夢のあとに」の冒頭で、「壜」という作品を上演しました。その舞台写真を数枚ご紹介します。

 

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百害あって一利なし


人気女優さんが、主演・初演出する某舞台が話題になっていますね。
初日直前に、出演予定の女優2人が、演出家からの土下座の強要など、人道にもとる数々の行為を受けたという理由で降板したとされています。
演出家本人は「人格を否定するようなこと、罵声を浴びせた事実はありません」と否定しています。

今回のケースが実際どうだったかは分かりません。
しかし、日本の演劇界では、セクハラ、パワハラは当たり前!
暴力ですら、正当化されてしまっています。
若い頃にそうした指導を受けてしまうと、自分が指導する側に回ったときに同じことをしてしまいがちです。
それしか方法を知らないわけですから...。

かつて"ぷにぷにパイレーツ"に在籍した女優さんから、こんなことを言われたことがあります。
「石崎さんは、本気で私を指導してくれていない。殴ったり、蹴ったりしないから...」
悪いことをしていない人に暴力をふるうなんて、僕にはできませんよ。

演出のやり方を知らないと、恐怖で役者を支配するしかなくなってしまいます。
表面的には円滑に稽古が進むかもしれませんが、ロボットのような役者を生み出すことにつながります。
そんなやり方では、輝くような舞台を作ることは絶対にできません。

演劇の稽古は密室で行われますので、演出家のやりたい放題になりがちです。
なかには、ストレス発散のために怒鳴り散らしている演出家もいるようです。
そんな演出家と仕事をするのは、百害あって一利なし!
役者は、本当に尊敬できる演出家を選んでいかなくてはなりません。
そうしないと、芝居の魅力を見失ってしまったり、心が病んでしまう可能性がありますから...。

造花


第35回公演「夢のあとに」では、お客様にアンケートへのご協力をお願いしませんでした。
終演直後は心の整理がつかないものですし、紙に文章を書くとなると冷静になり過ぎてしまって本音を伝えていないケースが多いからです。
公演から1週間以上時間を空けて、あらためて直接お話をうかがうのが、実相を知る最も良い方法だと思っています。

これまでの公演すべてがそうでしたが、終演直後と時間を置いてからでは、お客様の感想が全然違います。
終演後のアンケートや、ロビーでの会話ではまったく話題にならなかった作品の評価が、時と共に上昇することが多いんです。
逆に、多くのお客様が感動の涙を流された作品が、いつの間にか忘れ去られてしまうこともしばしばです。
演劇作品というものは、上演が終わった瞬間が、本当の開演のように思います。

上演とは、お客様の心に、植物の種を植え付けるようなものです。
その種が時間とともに成長していき、いつか花を咲かせる!
どんな花が咲くかは、見た人次第!
畑や生育環境によって、咲く花の色や形が違ってきます。
途中で枯れてしまったとしても、仕方ありません。
そのお客様に合わなかったというだけです。
我々演劇人にできるのは、良い種を適切に植えつけることだけ!
観客に造花を押し付けるような芝居をしてはいけないのです。

コインランドリー


最近、コインランドリーの数が増えているそうですね。

 

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うちの近所に、こんな店ができました。
凄いネーミングです。
明日もまた洗ってくれるかな?

 

見せない面白さ


第35回公演「夢のあとに」で上演した4作品は、すべて、舞台ならではの表現で成り立っています。
どんなCGを用いても、あの味わいは再現できません。
どんな魅力かを具体的に言えば、"見せない面白さ"です。
セットも、大道具も、小道具さえも使わないからこそ、大切なものを見せないという演出が成立するのです。
見せないことにより、観客は必死になって、見ようとします。
それでも見えないので、自らイメージを作り出すしかなくなってしまうのです。
そこで見えたものは、お客様一人一人で違っています。
その人にとって最も適切なものが見えているはずです。
中途半端なものを見せるぐらいなら、いっそ、見せない方が良いのです。

結婚披露パーティ


きのう、結婚披露パーティに出席してきました。
新郎は、なんと、劇団ぷにぷにパイレーツの看板俳優・脇坂浩司君です!
お相手は、なんとなんと、20歳も若い女性です!
一体どうなっているのか?

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ぷにぷにパイレーツからは、僕を含めて4人がお祝いに駆けつけました。
そのうち、僕と立川志獅丸君が、パーティの司会を務めさせて頂きました。
おかげさまで、大いに盛り上がりましたね。
とても良い雰囲気で、パーティは進行していきました。

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ぷにぷにパイレーツに入団すると、結婚したり、妊娠したりする人が多いんです。
感受性が豊かになり、意識が全身に及ぶので、魅力的になっていくのかもれませんね。

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そんなことはともかく、脇坂君!結婚おめでとうございます。
末永く、お幸せに!

 

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大相撲秋場所


きょうから、大相撲秋場所が始まります。
白鵬、稀勢の里、鶴竜の3横綱が初日から休場という、寂しい場所になってしまいました。
しかし、逆に言えば、大関以下の力士にとっては願ってもないチャンスです。
大関昇進2場所目の高安が、悲願の初優勝を果たすのか?
昭和生まれ以降では史上最高齢の関脇となる35歳5か月の嘉風が、大関獲りの足掛かりとするか?
富山県出身では22年ぶりの幕内力士となる朝乃山が、どんな相撲を見せるのか?
などなど、注目点の多い場所となりました。

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先日、元・関脇の隆乃若さんと、お仕事でご一緒させて頂きました。
写真をご覧ください。
僕とのサイズの違いはいかがですか?
僕もかなりがっちりしている方ですけど、痩せて見えますね。
って言うより、子どものようです。
隆乃若さんは、身長190㎝。
引退から10年たった今、体重がかなり減って115キロだそうです。
とにかく、厚みが凄いんです。
こんな人と戦っても、絶対勝てないなと思ってしまいました。
でも、人柄はマイルドで、とても紳士的な方でした。
現役当時、イケメン力士として人気を集めていましたが、今でも十分カッコいいですよ!
お話も面白く、大相撲の知られざる一面を語って下さいました。
今後はちょくちょくお会いすることになりますので、さらに深いお話をうかがっていきたいと思っています。

 

「夢のあとに」


第35回公演「夢のあとに」のアンコールとして、とても短いマイム作品を上演しました。
作品タイトルは、公演タイトルと同じく「夢のあとに」です。
わざわざ劇場に足を運んで下さったお客様への感謝の気持ちと、別れを惜しむ気持ちの両方を込めて演じました。

上演時間は、驚異の1分58秒!
なんと2分を切っています。
もちろん、劇団の最短記録です。
これ以上短い作品を作るのは難しいのではないでしょうか?

これこそ、まったくストーリーがない作品です。
ただ、別れのシーンをシンプルに演じているだけです。
この作品の感想は、誰からも聞くことができませんでした。
皆様、いかがでしたでしょうか?

お客様の評判はともかく、僕自身、「こういう作り方もあるんだなあ」と勉強になった作品でした。
舞台芸術に、新たな可能性を感じました。
この路線は、まだまだ掘り下げられそうです。
今後、さらに純度の高い作品作りを心がけていきたいと思っています。

 

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「巻貝」


第35回公演の3本目に「巻貝」という、抒情詩のような作品を上演しました。
海に潜って、大きな巻貝を探すお話です。
僕の海中の演技を楽しんで頂くことがメインの作品です。

上演時間約20分。
しかし、セリフは3回しか出てきません。
しかも、そのうちの2回は、まったく同じセリフです。
オープニングとラストに置かれているのですが、それぞれ、まったく違った意味で聞こえたはずです。
オープニングでは、セリフの額面通りの意味に。
ラストでは、主人公の万感の思いを強く受け止めながら聞けたのではないかと思っています。

作品の終盤、客席のあちこちから、一斉に鼻を啜る大きな音が聞こえてきました。
僕は上演しながら「空調が寒いのかな?」と思っていました。
しかし実際は、皆さん、泣いていらっしゃったんですね。
「胸がジーンとして、目頭が熱くなった」とおっしゃって下さった方が、大勢いらっしゃいました。
本当にありがたいことです。

照明を担当したうちの劇団員も作品に見入ってしまい、ラストで鳥肌が立ちまくってしまったそうです。
そのせいで暗転することを忘れて、僕は本来より長く演技を続けなくてはなりませんでした。
逆に、良い余韻になったかもしれませんね。

 

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連環の計


第35回公演「夢のあとに」は、"ぷにぷにパイレーツ"の本公演のうち、最もお客様が少ないものになってしまいました。
結局、大きな赤字が出てしまいました。
でも、そんなの、別に大したことではありません。
これからしばらく、僕が節約を心がければ済む話です。
あれだけ素晴らしい経験をさせて頂いたことを考えれば、安いものです。
どんなお金の遣い方よりも、意味があります。
千冊の本を読むより、一万の舞台を見るより、絶対に勉強になります。
こんな安価で成長する機会を頂いたことを、感謝しなくてはなりません。

しかし、あまりに観客が少ないと、お客様が動揺されるかもしれません。
そこで、僕は、ある計略を練りました。
名付けて、「連環の計」です。
ちなみに、「連環の計」は、三国志の中で最も有名なエピソードです。
赤壁の戦いにおいて、孫権・劉備連合軍が、敵対する曹操軍の船団の火攻めに成功した作戦のことです。
僕が「連環の計」として、具体的に何をしたかは言えませんが、そのはかりごとは実に上手くいきました。
来場された皆様が、まるで客席が混みあっているかのような錯覚を覚えたはずです。
この作戦は使えます。
今後も動員には苦労し続けるでしょうから、あたかも会場が混んでいるかのように見える作戦を、次々に編み出していきたいと思っています。
本当は、お客様が増える秘策を考えるべきなのでしょうが...。

サルスベリ


うちのテラスのサルスベリが、また新たな花をつけていました。
ことし最初に咲いたのは、6月でしたでしょうか?
サルスベリは、漢字で「百日紅」と書くように、初夏から秋までの長い間、花を咲かせます。
一つ終わっても、すぐ次の花が咲きます。

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僕も、先日、公演を終えたばかりですが、すぐに次の作品を作らなくてはなりません。
サルスベリにあやかって、次々に美しい作品を生み出せるよう、頑張っていきますね。

 

「夢のとき」


第35回公演「夢のあとに」の2本目に、「夢のとき」というパントマイム作品を上演しました。
セリフは一切なく、ストーリーもありません。
ただ、僕の動きを見て頂くことを主眼にした、ストイックな作品です。

ストーリーはありませんが、テーマ性は設けていたつもりです。
抑圧する人と抑圧される人。
それが入れ替わりで次々に登場し、切れ目なく人格が変化し続けるというものです。
虚実皮膜を感じた方もいらっしゃれば、最近の不安定な世界情勢に想いを馳せた方もいらっしゃいました。
ただただ僕の動きに見入ったという方、僕の出す気迫に圧倒されたという方もいらしたようです。
ありがたいことに、意味が分からず退屈した人はほとんどいらっしゃらなかったようです。
あらためて、演劇で大事なのはストーリーではなく、演技だということを確認できました。

劇団創立11周年となる来年からは、さらに作品から意味を剥奪していこうと思っています。
演劇に理屈を持ち込むのは、僕の感覚からするとダサい!
抽象性は高いけれど、圧倒的に面白い作品を目指していきたいと考えています。

 

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第36回公演の稽古スタート


「夢のあとに」の公演が終わってまだ2週間しか経っていませんが、のんびりしている暇はありません。
きのう、次回・第36回公演の初めての稽古を行いました。
先月末をもって正式に出演者が決まったので、顔合わせを兼ねて集まってもらったんです。

今回の出演者は3人です。
2人は、"ぷにぷにパイレーツ"のレギュラーメンバー!
もう1人は、過去に"ぷにぷに"への出演歴があり、「夢のあとに」を見てもう一度参加したいと思った若手です。
まったくタイプの異なる3人なので、バリエーション豊かな公演となりそうです。

動きを重視する"ぷにぷにパイレーツ"では、初回から立ち稽古を行います。
初回から濃厚な稽古を行い、わずか1分のシーンに2時間もかけてしまいました。
僕は、どんなささやかな場面でも、超緻密な演技を要求しますので、役者は大変だと思います。
でも、気の抜けたところを一瞬たりとも観客に見せてはいけません。
厳しく、でも楽しく、稽古を進めていきたいと思っています。

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4時間の稽古終了後、近くのカフェで、決起集会を行いました。
お洒落なお料理やドリンクに舌鼓を打ちながら、次回公演の詳細を詰めていきました。
また、演劇や芸術についての話にも花が咲きました。
真面目な人ばかりなので、なかなか良いチームワークが生まれそうです。
とても有意義な飲み会となりました。

 

「夢のあとに」から2週間

 

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きのう、久しぶりに、後楽園ホールでボクシングの試合を見てきました。
僕が練習している北澤ジムの選手が出場したので、応援に行ったのです。
死力を尽くして懸命に戦っているところを見ると、刺激を受けますね。
僕らも負けないように必死に頑張らなくては!

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さて、第35回公演「夢のあとに」から、きょうでちょうど2週間です。
たった2週間しか経っていないのに、遥か昔のことのように感じられます。
すでに、次の公演に向けて準備を始めているからでしょうか?
車を走らせているとき、バックミラーを通して後ろを見ると、とても小さく感じられるのと似ていますね。

この1週間で、「夢のあとに」にご来場頂いた何人かのお客様にお会いすることができました。
皆さん、熱く熱く感想を語って下さいました。
でも、作品のストーリーについて触れる人は一人もいませんでした。
全員が、僕が出していた"気"のことばかり話されるんです。

「石崎さんの放つ"気"が、劇場全体を覆いつくしていました!」
「"気"が、客席にいた私にまで襲い掛かってきたんです!」
「"気"って、目に見えるものなんですね!」

本番直後にも「体から赤い光が見えた」とか、「空間が歪んでいた」という感想を頂戴しました。
不思議な"光"や"色"について話される方が多いんですよね。
僕自身は意識していませんが、どうやら超能力を発揮していたようです。

こうした特殊な経験を出来ることこそ、舞台の醍醐味です。
お客様をさらなる"夢"の世界にお連れできるよう、ますます努力していくつもりです。
今後とも、よろしくお願いします!

 

「壜」


第35回公演「夢のあとに」のオープニングに、「壜」という人間喜劇を上演しました。
死を極端に恐れる男が、病気に備えてありとあらゆる薬を集めていき、壁いっぱいの棚に薬壜を並べているというお話です。
基本的には、ラストの衝撃の"どんでん返し"をお楽しみ頂くものです。
途中で何度も登場人物の人格が入れ替わるところも、見どころとなっています。

上演時間は、ジャスト30分!
脚本の量は、原稿用紙60枚ちょっとです。
無言のシーンも多いので、セリフを言うときには超高速で、息つく間もなくまくし立てている感じです。
アナウンサーの仲間から「あのスピードで、噛まずに喋れるだけでも凄い!」と言われました。
息を吸えるところも限られるので、予め、呼吸のポイントを決めておかなくてはならないほどでした。
稽古を始めた頃は、頻繁に酸素不足に陥って、頭が真っ白になっていたものです。

この作品には、とんでもない数の伏線や、細かい"どんでん返し"が入れ込んであります。
上演中に小爆発が何度も何度もあり、最後に大爆発が起こります。
見終わった後に「そういえば...」と、序盤に仕掛けた罠に気付くようになっています。
何人かの方が2回ご覧になりましたが、そこで初めて分かる落とし穴も沢山あるんです。
僕の作品らしい、うるさいぐらい緻密に練り上げた、黒い喜劇となっています。

「壜」の評判は、本当に良かったですね。
感想をうかがえた方全員から、「すごく面白かった」と言って頂けました。
ストーリーの展開を楽しまれた方、ユニークな演出を満喫された方、人間の愚かさや悲しさを痛感された方などなど、人によって味わい方は様々でした。
我ながら、厚みのある作品を作ることが出来たと自負しています。

これだけ評判の良い作品を作ってしまうと、次回にプレッシャーがかかってしまいますね。
「壜」を超える作品を作れるように、頑張っていきますね。

 

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涼しい


9月に入ると同時に、一気に涼しくなりましたね。
「先月20日が、これぐらい涼しかったらよかったのに...」なんて思ってしまいます。

というのも、第35回公演「夢のあとに」の最大の反省点は、暑さ対策なんです。
晩夏の開催ということで、暑さを想定して稽古を重ねました。
冷房はつけない!
長袖を着る!
休みなしに何度も続ける!
そのほか、暑さに慣れるための工夫をいろいろ行ってきました。

しかし、予想外だったのは、8月上旬と中旬の涼しさです。
毎日雨が降り、気温もそれほど上がりませんでした。
ですから、冷房を付けないだけでは不十分だったんですね。

本番時、照明のあまりの暑さに、滝のように汗が出てしまいました。
自分の汗で、何度も足が滑ってしまいました。
目に大量の汗が入り、痛いやら、痒いやら...。
「壜」の途中から頭が痛くなってきましたが、あれは熱中症だったに違いありません。
僕の想定は、全然甘かったんですね。

テニスの沢松奈生子さんは、「猛暑の全豪オープン前は、サウナで素振りを行っていた」とご本人からうかがったことがあります。
真夏に公演を開く場合、僕も、サウナで稽古しなくてはいけませんね!