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『フライトナイト 恐怖の夜』

 

毎年思うのですが、正月休み明けすぐの3連休って盛り上がりませんよね。

中には、お正月から連続してお休みという、羨ましい方もいらっしゃるようですが...。

 

さて、今年のお正月映画は、ちょっと残念なラインナップだったように思います。

しかし、昨日から正月映画第2弾が公開され、ようやく皆様にお薦め出来る作品が登場してきました。

その中で、特に僕が推薦したいのは、『フライトナイト 恐怖の夜』です。

 

ラスベガスの郊外に母親と二人で暮らす高校生のチャーリーは、オタクから卒業し、初めての恋人と楽しい高校生活を送っていました。

その頃、街では、行方不明事件が頻発。

オタク友だちのエドは「チャーリーの隣の家に引っ越してきたジェリーの正体はヴァンパイアで、彼が街の人々を襲っている」と言いますが、アダムは相手にしませんでした。

しかし、そのエドまで行方不明になり、ジェリーの家に忍び込んだチャーリーは、ジェリーの正体を目撃することになります...。

 

『フライトナイト』は、1985年にトム・ホランド監督によって作られたヴァンパイア・ホラーの名作です。

80年代といえば、『13日の金曜日』や『エルム街の悪夢』等、ひたすら残酷なスプラッター・ムービーが人気を集めていました。

その流れに逆行するかのようにホラーの古典"ヴァンパイア"を現代に復活させ、コミカルな要素を取り入れた『フライトナイト』が登場したときには、とても新鮮に感じられたものでした。

88年には、続編も製作されています。

 

今回公開された作品は、その『フライト・ナイト』を、3Dでリメイクしたものです。

主人公の家の隣にヴァンパイアが引っ越してくるというストーリーは、オリジナルと同じ!

登場人物の名前まで、オリジナル版に揃えてあります。

ただし、演出面は、大幅にリニューアルしてあります。

まず、弾丸が迫り、血しぶきが飛び散る...、まさに3Dの効果を最大限に発揮した映画となっています。

また、基本的な、絵作りが圧倒的に美しいんです。

ゴシック・ホラーの美学満載で、カッコいいビジュアルがノンストップ!

とりわけ、カメラ・ワークの見事さには、高いセンスを感じます。

中盤、追いかけてくるヴァンパイアから車で逃げるシーンがあるのですが、その車内の描写などは、かつて見たことのない撮影が行われています。

(どうやって撮影したのか、僕には分かりません。巧みなCG合成を使っているのでしょうか?)

それが、観客の心理操作とマッチングしているのですから、僕は非常に感心してしまいました。

移動撮影の多い映画ではありますが、そのカメラの動きに注目して見るだけでも、本当に面白い作品だと思います。

確かに、ストーリーは下らない、ありきたりの映画かもしれません。

しかし、伏線も丁寧に張ってあり、まったく無理がないんですよね。

休日を楽しく過ごすには、もってこいの作品です。

ドリームワークスの製作ですから、セクシーでありながら、節度も弁えています。

是非、ご家族で、カップルで、ご覧頂きたいと思います。

 

ホラーが苦手という皆さん!

どうぞ、ご安心下さい。

この作品は、そこまで怖くはありませんので...。

 

マネーボール

 

毎度、映画をご紹介すると評判が良いので、今日はこの週末にお薦めの1本を!

今回は、とりわけ、広島カープ・ファンの皆様に向けて、お届けします。

作品のタイトルは、「マネーボール」です。

まずは、概要からお知らせしましょう。

 

メジャーリーグの野球選手だったビリー・ビーンは、引退後オークランド・アスレチックスのゼネラル・マネージャーに就任します。

しかし、財政が苦しいアスレチックスでは、せっかく育てた有望選手を、強豪球団に引き抜かれるという事態が続きます。

チームの立て直しを図るビリーは、統計データを使って選手の将来的価値を予測するという「マネーボール理論」を導入し、イェール大卒のピーター・ブランドと共に、チームの改革を進めていきます。

ビリーは、これまでのやり方にしがみつこうとする抵抗勢力に迎合することなく、チームの変革を成し遂げます。

そして、ついに、公式戦20連勝という記録を打ち立てます...。

 

自分の信念を貫き、チームを変革していくビリー・ビーンを、ブラッド・ピットが熱演。

本物の元野球選手たちが、その選手役で出演していますので、試合シーンは迫力十分!

(その分、演技は控えめだったりもしますが...)

我々ファンが普段見ることの出来ない球場の裏側が沢山見られるのも、嬉しいですね。

監督は、『カポーティ』等の作品で知られるベネット・ミラーです。

 

実話の映画化だけに、ストーリーが面白いとか、どんでん返しがあるとか、そんなことはありません。

その代わりに、真実の持つ重みをずっしりと感じることが出来る、良質な作品となっています。

メジャーリーガーの光と影を、哀感たっぷりに描くヒューマン・ドラマなんですよね。

アスレチックスのGMの話ではあるのですが、最後に勝つのは、ビリーの手法と大金の両方を活用したレッドソックスだったりして、何とも切ない感じがしてしまいます。

ラストシーンの微妙な感じとか、たまりませんよ!

2時間20分近い大作ですが、長さをまったく感じさせません。

野球に詳しくない方でも、人間ドラマとしてお楽しみ頂けると思います。

 

財政が苦しい野球チームと言えば、日本では、カープです。

カープは、アスレチックスのように、毎年のように、主力を引き抜かれていきます。

(今年も、危ない!)

カープ・ファンなら、誰よりも、この映画に感情移入出来る筈です。

是非、ご覧頂きたいと思います。

 

「マネーボール」オフィシャルサイト

http://www.moneyball.jp/

ファイナル・デッドブリッジ

 

3D映画の武器を活用した画期的な映画!

それは、「ファイナル・デッドブリッジ」です。

内容は、本当に、しょうもないんですよ。

絶体絶命のアクシデントから運良く逃れたことで、"死の運命"を背負ってしまった人々を描くホラー「ファイナルデスティネーション」シリーズの第5弾となります。

でも、アメリカでは、このシリーズの全作品がナンバーワンを記録するほど、人気があるんですよ。

まずは、粗筋をご紹介しましょう。

会社でチャーターしたバスが、巨大つり橋の崩落事故に遭遇する。乗客のひとり、サムは事故の直前に、橋が崩壊し上司や同僚たちが次々と死んでいくビジョンを見る。我に返り、現実ではなかったことに胸をなでおろしたのも束の間、先ほどのビジョンと同じことが現実に起ころうとしていた。壮大な景観のつり橋が、あっという間にデッドブリッジと化したのだ。事態にいち早く気づいたサムのおかげで8人が生き残るが、犠牲者たちの葬儀に謎の男が現れる......。

 

「ファイナル・デッドブリッジ」は、「アバター」の第2班の演出を担当したスティーヴン・クォーレが、初めてメガホンをとった作品です。

これまでに培った技をフル稼働し、思いもよらない、衝撃的すぎる"死亡シーン"を、飛び出す3D映像により、さらにショッキングなものにスケールアップさせているんですね。

 

まあ、いろんなものが飛び出す、飛び出す!

情け容赦なし!

気持ち悪いモノや、恐ろしいモノが、遠慮なしに観客に飛びかかってきます。

それも、大概は、先が尖がっています。

しかも、凄いスピードです。

なおかつ、ほとんどの場合、加速しながら飛んできます。

そうそう、そうこなくっちゃ!

尖ったモノが、観客の目玉から後頭部に突き抜けていくこの感覚!

これぞ、3Dの醍醐味!

最高です。

ご覧になっているお客さんは、皆さん、全身を使って、飛びかかってくるモノを除けていらっしゃいました。

その際には、前の席を蹴ったり、ポップコーンをひっくり返したり、隣に座っている彼女を突き飛ばしたりしていました。

映画の中だけでなく、映画館でも、パニック発生!

物凄い臨場感を味わえます。

僕は、「ファイナル・デッドブリッジ」を見て、初めて、3D映画の良さを知りました。

3D化して高い料金を取るなら、最低でもこれぐらいはやってくれないと、納得いきません。

皆さんの中で、「本物の3D映像が見たい」と思っていらっしゃる方は、是非、ご覧下さい。

「アバター」とは、レベルが違います。

 

ただし、ストーリーの方は、保障いたしかねます。

ていうか、3D映画を見るのに、ストーリーなんかどうだって良いじゃありませんか!

とにかく、ショッキングな絵を見て、楽しんで下さい。

気持ち悪くなること、請け合いです。

 

「ファイナル・デッドブリッジ」を楽しむポイントは、もう一つあります。

大事故を生き残った者たちは、次々に死んでいくんですが、その死に方が素晴らしい!

アイデアが、満載です。

「ああ、あれが落ちてきて死ぬんだな」と思っていたら、「おい、そっちかい!」と言いたくなる死に方をしていきます。

「良くもまあ、あれだけ様々な死に方を、思い付くなあ」と、毎度、感心してしまいます。

実に、潔くて、良いですね。

 

ただし、何度も申し上げますが、本当に下らない映画です。

しかも、気持ち悪いシーンのオン・パレードです。

どなたにでもお薦め出来る訳ではありません。

ご理解頂いた上で、劇場に足をお運び下さい。

3D映画を面白くするには

 

立体映像で最も面白い演出とは、何でしょうか?

 

それは、言うまでもなく、画面から観客の方に、何かが飛び出してくる映像に決まっています。

それも、出来るだけ速く、出来るだけ鋭く、観客の目に向かって飛んでくる演出が望ましいですね。

可能なら、矢や銃弾など先が尖ったモノや、爆発物の破片、気持ち悪い昆虫といった小さなモノを、高速で飛ばして欲しい!

見ている観客が、思わず身をよじって除けてしまうぐらいじゃないと、3Dの意味がありません。

そんな演出だったら、迫力ありますよ!

絶対に2Dでは表現出来ない、3Dならではの面白さを、実現出来る訳です。

(宇宙船の船内に立体感があるというだけで、あなたは、料金を数百円、余計に払いたいと思いますか?)

 

しかし、商業映画では、それがなかなか実現出来ないようなんですね。

画面から鋭く飛び出していく演出は、一部の観客にとって、あまりにもショックが大き過ぎるということなんです。

場合によっては、最悪の事故につながるケースもあると聞いています。

(過去に、イベント映像や、パビリオンでの映像で、そんな危険があったそうです)

ですから、映画会社は、万が一の事態に備えて、リスクのある映像作りを意識的に避けているようです。

賠償請求なんかされたら、大変なことになってしまいますからね...。

 

現在の3D映画にも、申し訳程度に、何かが画面から前に飛び出してくる演出は取り込んであります。

しかし、必ず、画面のセンターを外していますし、飛び出すスピードもゆっくりです。

思い出してみて下さい。

飛び出してくるシーンは、画面の端っこの方で、蝶などがヒラヒラ舞っているような映像ばかりじゃないですか?

これでは、3Dは面白くなりませんね。

 

そんな映画界の暗黙のルールを破った映画が、実は、あったんですね。

その映画は、決して皆さんにお薦め出来る内容ではありません。

でも、正しい3D映画の在り方を示してくれています。

その映画とは...。

 

To Be Continued.

「親愛なるきみへ」

 

シネコンが隆盛する一方、ミニシアターが続々閉館し、良質な小品が見られなくなってきました。

残念なことですね。

しかし、それでも、一部の大都市には、若干数、こだわりの映画館も残っています。

なるべく見に行って応援してあげたいものです。

そんな中で、皆様にお薦めしたい映画を見つけました。

今日は、「親愛なるきみへ」という作品をご紹介しましょう!

 

2001年春、海辺で出会ったサヴァナとジョン。出会った瞬間から"恋"の予感があったが、一緒の時間を過ごすたびに強く惹かれあい、2週間で恋におちていく。しかし、米軍の特殊部隊に所属するジョンは戦地に赴かなくてはならず、サヴァナの心はゆれる。それでもふたりは絆を信じ、手紙で心を通じ合わせていく。

数か月後、任務より戻ったジョンとのかけがえのない18時間を過ごすサヴァナにとって、この愛しい時間が永遠に続くと思っていた。しかし、ある事件をきっかけに、ふたりの運命は変わっていく。苦悩の末、任務の延長を志願したジョンのもとに届いたのは、サヴァナからの別れの手紙だった。打ちひしがれ、自ら激しい戦地での任務を志願したジョンが、故郷へ帰還して初めて知った、手紙に書かれていなかった事実とは・・・。

 

この映画の原作「親愛なるきみへ」は、『きみに読む物語』(04)、『最後の初恋』(08)の著者であるニコラス・スパークスの作品です。

出版前から映画化権の争奪戦が繰り広げられたそうです。

監督は、『ショコラ』(00)、『HACHI 約束の犬』(08)などで知られるラッセ・ハルストレム。

純愛に苦悩する、精悍かつ繊細な若き兵士ジョンを演じるのは、『G.I.ジョー』(09)、『パブリック・エネミーズ』(09)のチャニング・テイタム。

愛と慈悲の間で揺れる、心優しき南部の娘サヴァナを演じるのは、『マンマ・ミーア!』(08)で注目され、『ジュリエットからの手紙』(10)、『赤ずきん』(11)と出演作が続く、アマンダ・サイフリッド。

若き恋人を見守るジョンの父親ミスター・タイリーを、『扉をたたく人』(07)で米国アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた演技派リチャード・ジェンキンスが演じています。

 

タイトルから分かるように、文通をテーマにした作品で、手紙がストーリーの、そして若い二人の、運命を握っています。

言葉が主役ですから、映像表現としては、厳しい条件ですね。

そこは、名手ハルストロム!

美しい映像で、違和感なく、上手く織り込んでしました。

人のやさしさ、人とのつながりが繊細に描かれた見事な恋物語です。

 

近年、ここまで徹底したラブストーリーには、なかなかお目に掛かれません。

登場する人物が、すべてイノセントでピュア。

優しさに満ちているがゆえに、すれ違い、悲しむことになるのです。

一般的な話題に上ることは少ないと思いますが、見逃すのはあまりに惜しい。

是非とも、素晴らしい映像を大きなスクリーンで堪能して頂きたいと思います。

 

「親愛なるきみへ」公式HP

http://www.cinemacafe.net/official/shinkimi/top.html

ラ・グロット企画・ショートフィルム上映会

 

2009年1月11日に開催した「初笑い!ぷにぷにコント祭り」他に出演してくれた宮下洋一さんは、映画作家でもあります。 その宮下さんの作品も上映されるショートフィルムフェスティバルが、10月15日(土)に開催されます。

都合の付く方は、是非、応援してあげて下さい!

以下、詳細です。

 

 

●ラ・グロット企画
『10/15(土)開催 ショートフィルム上映会 & 交流会』のご案内

【豪華3本立てのショートフィルム上映会! 監督舞台挨拶あり!

吉田真也監督:マルチ映像ディレクター
審査員長の内田けんじ監督が大絶賛した、緑区ショートフィルムフ
ェスティバル・グランプリ受賞作品。
九鬼正範監督:映画監督・脚本家
脚本コンテストの最高峰・城戸賞を受賞した鬼才監督が放つクライ
ムワールド全開の最新問題作。
鈴木龍彦監督:映像集団『WAGOM』主宰
新進気鋭のイチオシ若手監督。プロデューサー長谷川を思わず唸ら
せた秀逸のアイデア映像作品。

【映像関係者、様々なアーティスト達との交流会を実施! 名刺を
お忘れなく!】
イベントを通じて、新たな出会いをプロデュースします。
仕事の輪を広げるだけでなく、異業種の友達を作るチャンス!

【日時】
10月15日(土)15時開場(21時終了)途中参加可!
ショートフィルム上映会は、イベント時間内に2回開催。

【場所】
イベントスペース『ラ・グロット』にて開催。
・JR駒込駅北口改札口から徒歩5分。
・南北線駒込駅5番出口から徒歩4分。
〒170-0003 東京都豊島区駒込3-16-13

地図はコチラ。
http://www.la-grotte.com/access/

【イベント参加料】
お一人、1,500円。
定員、45名。
軽食(サンドイッチ)とフリーソフトドリンク付き。
アルコールドリンクは、一杯500円で販売。

「グレン・グールド~天才ピアニストの愛と孤独」

 

クラシック・ファンの皆様に、朗報です。

今月、大変興味深い映画が公開されます。

「グレン・グールド~天才ピアニストの愛と孤独」というドキュメンタリー映画です。

映画の公式サイトから、宣伝文句を引用させて頂きましょう。

 

"真夏でも手袋とマフラーを手放さず、異様に低い椅子に座り歌いながら鍵盤を叩く。1964年以降、コンサートは開催せず、レコードのみを発表した。50歳という若さで逝去した美しき天才ピアニスト、グレン・グールド。

 

エキセントリックな言動ばかりが取りざたされたが、「楽曲を分解し、別の形に組み直したかのような前例のないアプローチ」と評されるように、並外れた演奏技術と高い芸術性を持つ彼のピアノ演奏に人々は魅せられ、死後30年経とうとしている今でも残された彼の録音物により新たなファンを獲得し続けている。

 

数多くあるグールドに関する映像作品は彼の音楽家としての才能を描いたものが多いが本作は、その才能と共に彼の知られざる本質の謎に焦点をあて、グールドを愛した女性たちの証言でその謎に迫ろうと試みている。

 

グールドのデビュー当時の恋人フランシス・バロー、人妻である画家コーネリア・フォス、ソプラノ歌手ロクソラーナ・ロスラックなど、これまで公の場でグールドについて語ったことのなかった人々へのインタビューと、未公開の映像や写真、プライベートなホーム・レコーディングや日記からの抜粋などを通して、伝説の人物としてではなく、ひとりの人間としてのグレン・グールドに焦点を当てたドキュメンタリーである"

 

いかがですか?

見たくなったでしょう?

予告編を見てしまった僕は、今から、公開が楽しみでなりません。

「グレン・グールド~天才ピアニストの愛と孤独」は、10月29日(土)から、渋谷アップリンク他で上映されます。

インシディアス

 

映画の話題を書くと評判が良いので、今日は、現在公開中の作品をご紹介します。

 

昨日、「インシディアス」という作品を見てきました。

いわゆるホラー映画の範疇に入るものです。

粗筋は、こんな感じです。

 

ジョシュとルネの夫婦の間には、3人の子供がいます。

一家は、老朽化した家に引っ越しますが、家の中で、不可解な出来事が起こります。

屋根裏から不審な音が聞こえたり、物が勝手に動いたり、不吉な声が赤ちゃん用のモニターから聞こえるなど、おかしな出来事が続くのです。

そんななか、小学生の息子ダルトンが、梯子から落ちて昏睡状態に陥ってしまいました。

耐えかねた夫婦は、この家を引き払い、別の建物へと移り住みますが、問題は一向に解決しません。

やがて、見えない何かは、ジョシュたち家族へと忍び寄っていきますが...。

 

「ソウ」と「パラノーマル・アクティビティ」のスタッフが作ったホラーとして、話題になっていますよね。

ストーリー展開は、確かに「パラノーマル・アクティビティ」に似ています。

しかし、見た感じは、完全に「ソウ」のテイストです。

ストーリーが何であれ、やはり監督の作風が前面に出てしまうものなんですね。

後半になればなるほど、「ソウ」シリーズにしか見えなくなっていきました。

勿論、それは悪いことではありません。

ジェームズ・ワン監督の美意識が強く打ち出され、恐ろしくも美しい映像になっていました。

特に、冥界に進んでからの世界観は絶品です。

僕も、あんな舞台を作ってみたい!

また、ラスト・シーンは、「そうこなくっちゃ!」と思わせるモノでした。

腕の良い監督の作品って、見ていて気持ちが良いですね。

 

映画館の他のお客さんの反応は物凄く、皆さん、本当に怖がっていらっしゃいました。

悲鳴を上げたり、ポップコーンを取り落としたりする人が続出していました。

なので、ホラー好きじゃない皆さんには、お薦めいたしかねます。

でも、怖いモノが大好きな方なら、見逃しては勿体ない!

是非是非、映画館でご覧になって下さい。

ツリー・オブ・ライフ

 

このところ、映画を見ると、こんな感想を持つことが多いんです。

「面白いんだけど、別に、見なくても良かったかな...」

そんな不満をお持ちの皆様に、お薦めしたい映画があります。

第64回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したファンタジードラマ「ツリー・オブ・ライフ」です。

 

若い頃に弟に死なれたジャックは、仕事で成功し中年にさしかかった今も、子ども時代のトラウマに囚われていた。1950年代半ば、中央テキサスの田舎町で暮らしていた10代のジャック。夢のように美しい風景に包まれていながら、彼の生活は、強権的な父親に完全に支配されていた。「男が成功するためには、なによりも力が必要」と信じ、自分の信念を息子たちに叩き込もうとする父親。我が子に無償の愛を注ぎ続ける聖母のごとき母親。そんな相反する両親に挟まれ、翻弄されるうち、幼かった少年はやがて純真さを失い、そんな自分に傷ついていく...。時が経っても痛みを伴う回想の中で、ジャックは心の平安にたどりつけるのか?

 

監督は、『地獄の逃避行』『天国の日々』『シン・レッド・ライン』、そして『ニュー・ワールド』の4作品のみという寡作家で、"伝説の監督"と呼ばれるテレンス・マリック。

製作にも名を連ねたブラッド・ピットが父を、『ミスティック・リバー』と『ミルク』で二度のオスカーに輝いたショーン・ペンが息子を演じています。

 

「面白可笑しくはないんだけど、見て良かった」と思える作品です。

序盤、難解な叙事的映像が延々と展開され、意識を失いそうになりますが、気にしなくても大丈夫!

1時間弱を凌げば、その後は、感動の嵐が押し寄せてくる筈です。

ごく平凡な一家の物語を丁寧に丁寧に描くことで、見るものは、それぞれの経験と重ね合わせながら、深い思索におちいっていきます。

分かりやすい映画ではありませんが、冒頭で、テーゼが明確に示されますので、安心して下さい。

すべての登場人物に"救い"が訪れるラストシーンを、皆さんは、どう評価されるのでしょうか?

とにかく、近年稀にみる大傑作だと思います。

「娯楽ではなく、芸術作品を見たい」と思っていらっしゃる皆さん、是非、お見逃しなく!

「デビル」

 

昨日、「デビル」という映画を見てきました。

純然たるホラーではありませんが、タイトル通り、悪魔のお話です。

 

ストーリーは、こんな感じです。

高層ビルで一人の男が墜落死した。

現場に急行したボーデン刑事(クリス・メッシーナ)は、ロザリオを握りしめた死体に違和感を感じつつも、状況から自殺と断定する。

ちょうどその頃、同じビルのエレベーターが突然停止し、閉じ込められた5人の男女が照明が消えるごとに一人ずつ残酷な死を遂げる事態が起きていた。

外界から彼らを助ける事が出来ない中で、事件を解明しようとする刑事は常識ではありえない事態を目のあたりにし、それが“何かの力”で行われていることを感じる。

自殺者がオフィスに残していた「悪魔の足音が聞こえる」というメモ、次々と犠牲になる5人のプロフィール。

全ての謎が明らかになった時、そこには驚愕の事実があった。

 

今、夏休みの子供向けの大作映画ばかりが話題になっています。

その陰に隠れる形になっていますが、「デビル」のような良質のエンタテインメント作品にも注目して頂きたいですね。

まず、脚本が素晴らしい!

マイケル・ナイト・シャマランの原作・製作ですので、「シックス・センス」のような、しっかりしたどんでん返しで終わっています。

無駄な要素が一切なく、すべてのシーンがラストに向けての伏線となっていることに、感心してしまいます。

登場人物のキャラクターがはっきりしている上に、ブレが無いのも良い点です。

演出も的確で、狭くて撮影の難しいエレベーター内の状況を、分かりやすく、かつ美しく見せていました。

なにより、上映時間が80分というところが、最高です!

歴史に残る傑作ではありません。

でも、演劇の作品作りには、大変参考になると思います。

上映館が少なく、見られる地域は限定されてしまいますが、もしお近くで上映していましたら是非ご覧下さい。

ただし、怖がりな方は、おやめになった方が良いかも…。

 

詳しい情報は、下記サイトでご確認下さい。

http://devil-movie.jp/

インサイド・ジョブ~世界不況の知られざる真実

 

「インサイド・ジョブ~世界不況の知られざる真実」というドキュメンタリー映画を見てきました。

これは、なぜ巨大な金融危機が訪れたのか、米の金融界にメスを入れたアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門受賞作品です。

 

2008年に起きたリーマン・ブラザーズ社破綻。

なぜそれがきっかけで、世界同時不況が起きたのでしょうか?

アメリカでは、長い間、1930年代の大恐慌を教訓に金融業界に規制がかけられていました。

しかし1980年代のレーガン政権時代以降、規制は次々に撤廃され、投資や利益の追求に歯止めが利かなくなっていきました。

企業の役員や顧問が政治家を動かし、法律を改正。

ハイリスク、ハイリターンが求められ、とうとう国家規模のネズミ講に進展していき、ついに住宅バブルが崩壊したというわけです。

 

アメリカの住宅ローンの破綻が、なぜ世界同時不況につながるのか、日本にいると分かりづらいところがありますよね。

この作品は、そんな疑問にテンポのいい編集と明快な解説で答えてくれます。

この金融危機に関わった多くの人々へのインタビューから浮かび上がってくるのは、金融界、政界、経済学界がグルになって、大っぴらに行った犯罪は、誰も罪に問われないというアメリカの現実なんですね。

一般庶民たちは家も仕事も失うが、金持ちには税金が投入され、彼らの懐は一切痛みません。

それどころか、破たんした会社の首脳陣は、大儲けしてしまっているのです。

それも100億円単位で!

しかも、インタビューに応じた“戦犯”たちの多くは、まったく悪びれず、いまだに高給を取り続けています。

今のアメリカは、1%の悪党どもが巨額の富を手にするために、99%もの国民が貧困に苦しむ図式となっているのです。

 

多少、米経済の知識がないと、あの猛烈なテンポに付いていくのは難しいかもしれません。

実際、僕にも、分からない部分が何箇所かありました。

でも、そんなことを気にする必要は、一切ありません。

是非ともご覧になって、義憤を感じて頂きたい!

権力者や資本家がグルになると、庶民にはどうしようもない現実を直視して頂きたい!

政権が変わっても、本質は何一つ変わらないということを知って頂きたい!

 

我が国も、今、未曾有の危機に瀕していますが、その元凶を作ったのも、アメリカと同じ構造です。

利益の為なら危険を承知で推進していき(危険だからこそ、利権は大きいのです)、国民には間違った情報を与え続け、いざという時には、国民の血税を投入して対処を図る…。

責任の所在は、政府にあるのか、企業にあるのか、学者にあるのかは、明らかにされないままです。

結局、不利益を被るのは、国民という図式です。

私たちに、今何が出来るかは定かではありませんが、少なくとも、こういった映画を見て、現実の一端に触れてみる必要があるように思いました。

 

残念ながら、この作品、まもなく上映を終了する映画館が多いようです。

興味のある方は、お急ぎ下さい。

わたしを離さないで

 

計画停電は、関東地方の映画館にも、大きな影響を与えています。

夕方5時以降の上映を取り止める映画館も多いですし、中には、シネコンまるごと休業してしまったところもあります。

確かに、上映中に停電してしまったら、大変なことになりますからね。

 

昨日は、停電がないということだったので、久し振りに映画館に足を運んでみました。

そして、『わたしを離さないで』という作品を見てきました。

これは、素晴らしかった!

深い感動を覚えました。

今の時点で、「2011年公開作品の最高傑作」と断言して間違いないでしょう。

(ちなみに、昨年の最高傑作は『マチェーテ』でした)

 

『わたしを離さないで』は、カズオ・イシグロの書いた大ベストセラー小説の映画化作品です。

粗筋は以下の通りです。

 

キャシー、ルース、トミーの3人は、小さい頃から一緒だった。

田園地帯に佇む寄宿学校ヘールシャムで絵や詩の創作に励んだ日々。

しかし外界から完全に隔絶されたこの施設には幾つもの謎があり、キャシーたちは普通の人たちとは違う〈特別な存在〉としてこの世に生を受けたのだった。

18歳の時にヘールシャムを出た3人は、農場のコテージで共同生活を始める。

恋人同士となったルースとトミーを、複雑な思いで見つめるキャシー。

コテージを巣立って離ればなれになった彼女たちは、それぞれに定められた過酷な運命をまっとうしようと懸命に生きていく。

やがて訪れた再会の時、かけがえのない絆を確かめ合った3人に残された時間は、あまりにも短かった…。

 

決して、面白可笑しい作品ではありません。

グロテスクで生々しいシーンも幾つかあります。

結末も、ハッピーエンドではありません(超アンハッピーエンドです)。

娯楽を求めて、デートやレジャーで見に行ってはいけません。

(周りには、デートで見に来ていて、終映後、気まずい雰囲気になっているカップルが大勢見受けられました。また、ポップコーンを大量に買い込んで入場したのに、ほとんど手付かずのまま外に持ち出していく人もいましたよ。確かに、この映画を見ながら、ポップコーンは食べられない!)

芸術作品を鑑賞するスタンスでご覧頂きたいと思います。

”生”について、静かに考えることが出来る作品だと思います。

 

演出的にも、実に、僕好みです。

ファースト・シーンが、ラスト・シーンと同じ!

静かに静かに進行していき、大声を張り上げるシーンは(確か)1ヶ所だけです。

随所にメタファーを含んでいて、寓話的であると同時に、私たちの人生をも象徴しています。

特に、ラストのナレーションの余韻は何なんでしょう?

見事としか言いようがありません。

 

ぷにぷにパイレーツをご覧になったことのある方が、この映画を見たら、きっとこう思われることでしょう。

「石崎は、いつも、こういう作品を作ろうとして、失敗しているんだな…」って。

YouTube Video Awards Japan 2010

 

「YouTube Video Awards Japan 2010」の受賞作が発表されました。

これは、2010 年に YouTube に投稿された動画の中から、「アニメーション」、「ブログ・ハウツー」、「ペット・動物」、「音楽」、「実写・特撮」、「乗り物・テクノロジー」、「風景・夜景・自然」の 7部門で最も人気のある動画を、ユーザー投票で選出する動画大賞です。

いずれも、個性に溢れたユニークな作品ばかり! 

きっと、地上波TVの金太郎飴のような番組を見るよりも、遥かに面白く感じられる筈です。

(マスコミ業界で生きる僕が、こんなことを言ってはいけないのかもしれませんが…)

お時間のある時に、下記をクリックして覗いてみて下さい。

YouTube Video Awards Japan 2010

 

でも、実は、賞を逃したノミネート作品の方が、遥かに面白く感じます。

以下の動画もチェックしてみて下さいね。

ATELIER SIESTA(アトリエ・シエスタ)

Good bye Good boy

スラムドッグ$ミリオネア

2009年アカデミー賞で8冠を獲得した「スラムドッグ$ミリオネア」を見てきました。

ゴールデングローブ賞でも沢山の部門で受賞し、大変前評判の高かった作品です。

上映館を調べてみると、その数の少なさに驚きました。

劇場に行ってみると、客席もとても空いていて、拍子抜けした程です。

作品は、とても素晴らしいものでした。

粗筋と主な内容は、こんな感じです。

インドのスラム出身の少年ジャマールは人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと1問で2000万ルピーを手にできるところまできた。しかし、これを面白く思わない番組のホストは警察に連絡。彼はズルをして正答を得ていたとされ、詐欺容疑で逮捕されてしまう。ジャマールは警察署での警官の厳しい尋問に対し、正答を知ることになった自分の過去を話し始める。そこには1人の少女を追い続けた彼の人生の物語があるのだった…。

発祥地イギリスはもちろん、日本など世界中でローカライズされ人気となっている「クイズ$ミリオネア」。難問の続くこのクイズ番組で最後の1問までたどり着いたスラム出身の少年ジャマールは、いかにしてその答えを知ることになったのか? 彼自身が過去を振り返ってその理由を話す中で、一途にある少女を思い続けた少年の人生が浮き彫りになっていく。ジャマール、彼の求める少女ラティカ、そしてジャマールの兄サリームの三人が紡ぐ物語は、純愛や欲望といったものが絡み合い非常にドラマチック。インドを中心に撮影された映像は、生命力と疾走感にあふれ、観る者をグイグイと引き込んでいく。

僕の大好きなダニー・ボイル監督ならではの、スタイリッシュでカッコいい映像が、テンポ良く展開されます。

特に、大胆なカットバックを多用した表現は、他の追随を許さない出来だったと思います。

ここ数年で、最も気に入った映画の一つです。

 

しかし、今ひとつ日本で大ヒットしないのも良く分かります。

ジョニー・デップやブラッド・ピットのような有名なスターが出演していないのが、まず第一の理由。

インドが舞台と言うのも、恐らく、日本人が触手を伸ばさない原因となっているでしょう。

そして、内容がとても悲惨なのも、客足を伸ばさない大きな要因となっていると思います。

予告編やTV・CMでは悲惨なシーンを一切見せていませんが、映画の99%以上は、インドのスラムの悲惨さを描いたものです。

(CMは、本編中の数少ない爽やかなシーンだけを繋いだものです)

実は、残虐なシーンのオンパレードです。

でも、ダニー・ボイル監督作品なら、それぐらい予想が付きそうなものですよね。

ですから、誰にでもお薦めできるわけではありません。

ストーリーだけを追いかけたい人や、映画で夢を見たい人には向いていないと思います。

でも、映画芸術ならではの表現を楽しみたい人、新たな映像世界を満喫したい人にとっては、必見の映画だと思います。

特に、ラストシーンの演出は、カッコいいですよ!

 

最近、同じような映画ばかりで食傷気味なあなた!

「スラムドッグ$ミリオネア」で、斬新な映像世界を満喫してみて下さい。