ぷにぷにパイレーツ

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ドント・ブリーズ


正月三が日、皆さんは、どのようにお過ごしでしょうか?
もし暇を持て余しているようなら、ぜひ、ご覧頂きたい映画があります。
タイトルは、『ドント・ブリーズ』!
リメイク版『死霊のはらわた』のフェデ・アルバレス監督による、全米で大ヒットを記録したショッキング・スリラーです。

養育放棄の両親から離れ、妹を連れて街を出ることを夢見る少女ロッキー。
必要な逃走資金を得るため、友人2人と共に、地下室に大金を隠し持っているらしい全盲の老人の家に強盗に入る。
しかし、老人はどんな音をも聞き逃さない聴覚を持つ上に、腕力があり、人殺しも厭わない危険な男だった!
真っ暗にされた家の中で、ロッキーたちはどんどん追い詰められ...。

要は、亡霊やゾンビが出ないホラー映画です。
「迫りくる恐怖からいかに脱出するか?」という物語にすぎません。
しかし、それが本当に素晴らしい!
僕が去年たくさん見た映画の中で、ダントツのナンバーワンです。

まず、ストーリーの作り方が見事です。
ダレ場が一切なく、約90分間、ずっと緊張感が持続します。
また、カメラ・ワークが良いんです。
僕は、見ている間に、何度もその見事さに「うーん!」とうなってしまいました。
特に素晴らしいのが、伏線の張り方です。
すべての事象には理由があって、それがさりげない形で事前に紹介されているのです。
そして、ラスト・シーンの嫌な感じといったら、絶品です!
「こんなに丁寧かつ緻密に作られている映画があったんだ!」と、感心することしかできませんでした。

もちろん、ホラーとしてのクオリティも一級品です。
周りで見ていた女の子たちは、みんな震えあがってしまって、上映が終わった後、しばらく立ち上がれなくなっていました。
怖い映画が苦手な人は見ない方が良いとは思いますが、見逃すのはあまりに惜しい!
特に、"ぷにぷにパイレーツ"の作風がお好きな方なら、絶対に気に入ると思いますよ。
ただ、お正月には最も似つかわしくない作品ではありますが...。

シン・ゴジラ


僕は、滅多に日本映画を見ません。
しかし、これだけは見ておきたいと思う日本の作品が、あす・29日に公開されます。
海外作品を除けば、ゴジラ・シリーズ12年ぶりの新作となる「シン・ゴジラ」です。

「エヴァンゲリオン」の庵野秀明さんが脚本・総監督。
「進撃の巨人」の樋口真嗣さんが監督・特技監督を務めたということで、すでに世界中から注目を集めています。
しかし、僕が関心を持ったのは、そんな理由ではありません。
「シン・ゴジラ」の重要な舞台となっているのが、僕の家のごくごく近所なのです。

封切りを前に公開された予告編には、川崎市中原区の高層ビル群に出没したゴジラが映し出されています。
川崎市によりますと、約1年前に、製作者側から市内でのロケへの協力依頼があったそうです。
昨年夏から秋にかけて、武蔵小杉周辺で実景が撮影されたということです。
今回のゴジラは体長118・5メートルと史上最大で、武蔵小杉周辺の高さ百数十メートルの高層ビルと非常にバランスが良いんです。
高層マンションを、ゴジラがどのように破壊していくのか(しないのか)、興味津々です。

予告編を見ただけでも、普段僕が通る道や、利用している施設が沢山映し出されています。
ひょっとしたら、我が家もゴジラに壊されるかもしれません!
これは、気が気ではありませんね。
映画館で、いち早く確認しなくては!

ただ、ちょっと気になることが!
多摩川を挟んだ田園調布側に戦車がズラリと並んで、川越しにゴジラを攻撃しています。
東京だけ防衛しようということなのでしょうか?
神奈川は捨て石なのか...。

怒りのデス・ロード


出た出た出た!ついに出ました!
今年の映画ベスト1の最有力候補が!
少なくとも、今年前半のナンバーワンです!
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」という作品です。

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1979年に制作された『マッドマックス』は、低予算ながらも、改造車をふんだんに使い、カーアクション映画の金字塔となりました。
また、メル・ギブソンを一躍スターダムに押し上げた作品としても知られています。
「怒りのデス・ロード」は、「マッドマックス」シリーズの、30年ぶりの最新作となります。
本作ももちろん、シリーズすべての監督と脚本を務めたジョージ・ミラーがメガホンをとっています。
また、主演を務めるのは、『ダークナイト ライジング』などで活躍するトム・ハーディ!
女戦士役を、シャーリーズ・セロンが演じています。

先に言っておきます。
かなり、好き嫌いの分かれる作品だと思います。
はっきり言って、ストーリーはないに等しい!
ただ、主人公のグループと悪の軍団がひたすら戦い続けるだけです。
それがいい!
それがいいんです!
とにかく、絵の面白さだけを追求しています。
純粋に映像の美学を楽しむべき作品となっています。
それを、ストーリーが邪魔していないのが素晴らしいですね。
上映時間のほとんどが、カーアクション!
それ以外は何もありません。
セリフも、極端に少ないんです。
主人公のマックスは、何回、言葉を発したんでしょう?
映画のセリフは、少なければ少ないほど良い!
「セリフで言わなくても、絵を見りゃわかるだろ」っていう映画の方が、断然カッコいい!
映画は、絵で勝負しなきゃダメなんです!

その絵が、本当に素晴らしいんですよ。
これは、もう、見て頂くしかない!
色、造形、カメラワーク、どれを取ってみても、秀逸の美しさです。
そして何より、スタントの美学が最高です!
役者さんたちの動きが、なんて綺麗なんでしょう!
まるで、ダンス作品を映画館で見ているような気になりました。

実は、音楽も面白いんですよ。
映画のBGMって、どこからともなく流れてくるものでしょ?
しかし、この作品には、BGMを演奏する人が、ちゃんと登場してきます。
悪の軍団の中に音楽担当者がいて、カーチェイスをする車の上で演奏を繰り広げているんですよ。
この絵を見るだけでも、お金を払う価値があります!

もしご覧になるのなら、少し料金が高くなりますが、3D版をお薦めします。
3Dで映えるように、最大限の工夫をしてありますので...。

 

トリュフォー


ヌーベルバーグの巨匠、フランソワ・トリュフォーの言葉です。

撮影に入る前は、いつも、「今度こそ傑作を撮るぞ」と意気込む。
しかし、仕事が始まってしまうと、「とにかく完成してくれ」と願うだけになる。

トリュフォー先生、あなたもですか!

セッション


うちの劇団員に、是非、見てもらいたい映画があります。
去年の「サンダンス映画祭」で、グランプリと観客賞を受賞した「セッション」という作品です。

世界的ジャズドラマーを目指して名門音楽学校に入学したニーマンは、伝説の教師と言われるフレッチャーの指導を受けることになります。
しかし、常に完璧を求めるフレッチャーは容赦ない罵声を浴びせ、レッスンは次第に狂気に満ちていきます。
「スパイダーマン」などで知られるベテラン俳優J・K・シモンズがフレッチャーを演じ、アカデミー賞ほか数々の映画賞で助演男優賞を受賞。
監督は、これまでに「グランドピアノ 狙われた黒鍵」「ラスト・エクソシズム2 悪魔の寵愛」などの脚本を担当。
弱冠28歳で、長編監督2作目となるこの作品を手がけたデイミアン・チャゼルです。
厳しい指導者の下、苦悩の日々をすごしたチャゼル自身の高校時代の体験が基になっているそうです。

とにかく、フレッチャー教授の鬼の指導の演技が素晴らしい!
内面というか、体幹が鋼鉄で出来ているとしか思えない迫力です。
一切の妥協を許さず、徹底的にミュージシャンをしごきあげていく様は、その辺のホラーの何倍も怖い!
緊張感あふれる作品がお好きな方は、ご覧になることをお薦めします。
(怖がりな方は、見ない方が...)

多くの観客は、指導を受けるニーマンに感情移入すると思います。
しかし、僕は、厳しい指導をするフレッチャー側に立ってしまいました。
っていうか、フレッチャーは甘い!
"テンポ"のことしか言わないんだから!
もっと色々チェックするポイントがあるだろう!
差別的な発言ばかりしていないで、上手くなるためのアドバイスをすべきじゃないの?
なんてことを、感じてしまいました。

本当は、僕もフレッチャーのように演出していきたい!
わずかなブレも許さず、完璧な演技を求めていきたい!
でも、あんな指導をしたら、たちどころに劇団員がやめていってしまいます。
ですから、腹の中はフレッチャー!
でも、それは絶対に表に出さない!
そんな感覚で、毎回、稽古を行っています。

うちの劇団員には、ニーマンになった気持ちで、稽古に精進して頂きたいですね。
あれぐらいの気迫があれば、みるみる上手くなっていくと思うのですが...。

脳内ポイズンベリー


「脳内ポイズンベリー」という日本映画を見てきました。
水城せとなさんの人気漫画を実写化したものです。
一風変わったラブストーリーとなっています。
心の中の葛藤を、天使と悪魔がささやくという演出は、昔から良くありますよね。
この作品では"理性""ポジティブ""ネガティブ""衝動""記憶"を擬人化した5人のキャラクターが登場します。
それぞれの思考が口々に意見をぶつけ、会議を繰り広げることで、主人公の心の葛藤を面白可笑しく表現しています。
5人が繰り広げる脳内の会議は、まるで舞台劇のようです。
ごく普通の恋愛物語も、ユニークな表現を用いると楽しめるものですね。

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この作品の主な舞台となっているのが、"新丸子"です。
そのほか、"元住吉"や"中目黒"など、東横線沿線の地名が沢山出てきます。
"新丸子"は、僕が毎日利用している駅です。
"元住吉"には、良く買い物にいきます。
ですから、「どこでロケをしたのかな?」と楽しみにしていました。
しかし、実際に撮影をした場所は、いずれも東横線ではありませんでした。
看板には"新丸子"と書いてあるのですが、明らかに、もっと郊外の規模の大きな駅です。
新丸子の町並みや商店街も、すべて別の場所で撮影したものでした。
まあ、仕方ないですね。
新丸子は駅も街も小さくてゴチャゴチャしていますから、映画のロケは難しいのかもしれません。
地元住民としては、ちょっと残念でした。

 

最低映画の祭典


きょうは、毒舌で失礼します。

米・最低映画の祭典として知られるゴールデン・ラズベリー賞(通称ラジー賞)が、アカデミー賞授賞式の前日となる現地時間の今日、発表されます。
ノミネート作品は、先月すでに発表されています。
主なノミネートは、以下の通りです。

●ワースト作品賞
「Kirk Cameron's Saving Christmas」
「レフト・ビハインド(原題)」
「ザ・ヘラクレス」
「ミュータント・タートルズ」
「トランスフォーマー ロスト・エイジ」

●ワースト男優賞
カーク・キャメロン(「Kirk Cameron's Saving Christmas」)
ニコラス・ケイジ(「レフト・ビハインド(原題)」)
ケラン・ラッツ(「ザ・ヘラクレス」)
セス・マクファーレン(「荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて」)
アダム・サンドラー(「ブレンデッド(原題)」)

●ワースト女優賞
ドリュー・バリモア(「ブレンデッド(原題)」)
キャメロン・ディアス(「The Other Woman」「Sex Tape」)
メリッサ・マッカーシー(「Tammy」)
ガイア・ワイス(「ザ・ヘラクレス」)
シャーリーズ・セロン(「荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて」

●ワースト監督
マイケル・ベイ(「トランスフォーマー ロスト・エイジ」)
レニー・ハーリン(「ザ・ヘラクレス」)
ダーレン・ドーン(「Kirk Cameron's Saving Christmas」)
ジョナサン・リーベスマン(「ミュータント・タートルズ」)
セス・マクファーレン(「荒野はつらいよ アリゾナより愛をこめて」)

ああ、なんということでしょう!
僕は、ワースト作品賞にノミネートされた5作品のうち3作品を映画館で見ています。
「ザ・ヘラクレス」「ミュータント・タートルズ」「トランスフォーマー ロスト・エイジ」です。
どれも、本当にひどい映画でした。
あまりの下らなさと出来の悪さに愕然としたほどです。
自分の映画を選ぶ力のなさを痛感しております。

この3本の中でも、マイケル・ベイ監督によるシリーズ第4弾「トランスフォーマー ロスト・エイジ」は群を抜いています。
圧倒的なつまらなさです。
あんなに手間とお金をかけて、あんなに酷い映画を作れるのは、一種の才能ですね。
CGで作られたロボットが出演していない時間は、耐えがたい苦痛を覚えました。
今回のラジー賞で、この作品は7部門でノミネートされています。
果たして、何部門を独占するか、注目しましょう!

実は、僕、ダメな映画を見るのが好きなんですよ。
見ている時間は辛いのですが、しばらく時が経つと、段々面白くなってきます。
「ああ、あのシーンはありえない...」
「あんな趣味の悪いセリフは考えられない...」
「主人公の精神は、完全に分裂していた...」
などなど、突っ込みどころを味わうのは、格別の楽しみです。
ですから、ダメそうな映画を見つけたら、ついつい見に行ってしまうんですよね。

今回ノミネートされている「トランスフォーマー」と「ミュータント・タートルズ」には、マイケル・ベイ監督が関わっています。
僕は、マイケル・ベイ監督の関連作品は、必ず映画館で見るようにしています。
外れなしに、外れ映画なので...。
(最近は、ニコラス・ケイジが出演している映画も、見逃せない!) 

トカレフ


何かを創造しようと思っている僕は、常に、新しい何かをものをインプットするよう努めています。
特に、作家性の強い作品は、見逃せません。
(ハリウッドの大作は最大公約数で作りますから、外れが少ない代わりに発見もありません)

先日、僕は高い期待をもって「トカレフ」という映画を見てきました。
ニコラス・ケイジが主演を務めるサスペンス作品です。
警察官役にダニー・グローヴァー、ギャングのボスをピーター・ストーメアが演じています。

犯罪に手を染めていた過去を清算し、妻と娘と幸せな生活を送っていたポール。
しかし、幸せな人生は、一瞬にして地獄と化す。
たった一発のソビエト製トカレフの銃弾で、最愛の娘が何者かに殺害されたのだ。
途方もない哀しみは歯止めがきかない怒りへと変わり、復讐心に燃えるポールは昔のギャング仲間と共に、娘を殺害した犯人を探し始める。
ロシア・マフィアが娘の殺害に関与していることを聞きつけたポールたちは、壮絶な復讐劇を開始する。
トカレフに秘められた謎、張り巡らされた罠、躍動する狂気。
娘の死の背後に潜む驚愕の真実が明らかになった時、闇に葬り去ったはずの悪が甦る。

こんなストーリーだと、壮絶なアクションを想像するでしょ?
でも、実際は、意外などんでん返しを楽しむ為の作品です。
そのどんでん返しのための伏線を張りまくっているので、アクションは案外控え目なんです。
演劇界の"どんでん返しの魔術師"を自負する僕としては、大満足の映画でした。

ここからは、自戒を込めながら、ちょっと厳しい意見を!
どんでん返しは見事なんですが、ディテールが雑な印象があります。
例えば、ポールがどれだけ残虐な犯罪を犯しても、巡査は必ず見逃してあげます。
このほか、ストーリーを前に進める為に、不自然なことが起こり過ぎるんですよね。
「ええ!そんなこと、ありえないでしょう!」と思った途端に、観客は集中力を失います。
意識が作品の中から外に出ていってしまい、客観的に批評を始めてしまうんですね。
「神は細部に宿る」といわれますけど、まさに、その意味が良く分かる映画となっていました。
僕も、気を付けなくては!

とはいえ、どんでん返しが好きな方なら、お楽しみ頂けるはずです。
もうすぐ上映は終わってしまうと思うので、見たい方はお急ぎ下さい。

ディス/コネクト


恐らく、僕にとって、今年の映画ナンバーワンになるであろう作品を見ました。
「ディス/コネクト」というアメリカ映画です。
監督は、ヘンリー=アレックス・ルビンです。

SNS上で起きた嫌がらせが原因で、自殺未遂を起こし意識不明になった少年。
その父親は仕事に忙しく、家族との会話もおろそかにしていたため、息子の自殺の原因が全くわからない。
嫌がらせを起こしていた少年は、父子家庭の寂しさ、しつけに厳しい父親に愛情を感じることができず、鬱屈した思いを抱えていた。
その父親は元刑事で、今はネット専門の探偵。
父親の威厳を示すことで息子に気持ちを伝えているつもりだった。
目の前にいたのに、お互いの本当の気持ちを知らなかった、二組の親子。
彼らを中心に、つながりを求めインターネット上を彷徨う人々が、ある事件をきっかけに大切な人と、心と体をぶつけ合い絆を取り戻そうとする。

現実世界でディスコネクトなので、SNS上でコネクトを求めていく。
しかし、関係性のギャップがきっかけで、人々の心には、さらに隙間が広がっていく。
真のコネクトとは?
人間らしさとは?
心の豊かさとは?
そんな重厚なテーマを、サスペンスタッチで描いています。
見ていると息が詰まるほどの緊張感ですが、見終わった時には許しと癒しに満ち満ちています。
ラストシーンのコネクトぶりを、是非、劇場でご覧頂きたいと思います。

アナと雪の女王


大ヒット中のアニメ映画「アナと雪の女王」が、5月第4週の週末に世界興行収入12億1900万ドル=約1242億円を突破したそうです。
「アイアンマン3」を抜いて、歴代興収ランキングの5位に浮上しました。
日本国内のデータを見てみますと、5月24・25日の週末付けで、累計興収198億4439万5000円となりました。
日本での興行収入記録でも「もののけ姫」と「ハウルの動く城」を抜いて歴代4位に浮上しました。

「アナと雪の女王」は、凄い人気ですね!
僕も映画館で拝見しましたけど、素晴らしい映像美でした。
音楽ばかりクローズアップされていますが、是非、絵作りに注目して下さい。
出来れば、3D版でご覧頂きたい!
いや、3Dで見てあげないと、制作者が可哀そうです。
3Dを生かす為に、最大限の努力を払っている作品です。
特に、氷の表現は、細心のCG技術を駆使しても、相当難しかったはずです。
というより、CG技術が進化したからこそ、実現した映像なのではないでしょうか?
ありとあらゆる"氷"の表現を味わって頂ければと思います。
はっきり言って、ストーリーなんかに気を取られるのは勿体ない!
圧倒的なアニメーションと絵作りの素晴らしさをご堪能下さい。

それにしても、ミュージカル映画の人気って根強いですね。
去年も「レ・ミゼラブル」が大ヒットしました。
日本人は、ミュージカルが大好きなんですね。
今、日本で人気がある演劇といえば、劇団四季、宝塚ほか、みんなミュージカルです。
日本古来の演劇である能も歌舞伎も、みんなミュージカルです。
やはり、動員を確保するには、ミュージカルをやらなくてはいけないのか!
しかし、僕自身、ミュージカルが苦手なので...。

プリズナーズ


僕の嗅覚が鈍っているのか、最近、皆さんにお薦め出来る映画に出会えていませんでした。
しかし、ようやく見つけましたよ!
「プリズナーズ」というタイトルの、サスペンス・スリラー映画です。

アメリカ国民の誰しもが愛する家族と幸せなひとときを過ごす感謝祭の日、幼い少女が消えた。
平穏な田舎町に突如訪れた惨劇。
手がかりは少なく、警察の捜査は錯綜する。
そんな中、父親は、証拠不十分で釈放された第一容疑者の証言から犯人を確信する。
残された時間は少ない。
「パパはどうして助けに来てくれないの?」
愛する娘の叫びを心に聞いた父は、自力で我が子を助け出すため、決して超えてはいけない一線を超える決断をするのだが......。

この作品の主人公の父親を演じるのは、『レ・ミゼラブル』「X-MEN」シリーズのヒュー・ジャックマン。
警官を『ブロークバック・マウンテン』のジェイク・ギレンホールが演じます。
監督は、『灼熱の魂』でアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、この作品でハリウッド・デビューを果たしたドゥニ・ヴィルヌーヴ。

この映画の何が凄いかといいますと、上映時間です。
なんと2時間40分。
ストーリーの感じからすると、90分ぐらいでよさそうですよね。
それが、なんともまあ、コッテリと描かれています。
実は、この作品には、たっぷり伏線が張られています。
それがとても丁寧なんですよね。
緻密に構成していくと、どうしても尺が長くなってしまうんです。
その結果が、2時間40分なんでしょうね。
長いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、僕も伏線が大好きな方なので、この緻密さは大歓迎です。
全然長く感じません。
むしろ、雑な展開で強引に解決する作品の方がガッカリです。
こういった丁寧な手仕事の映画が、もっと増えれば良いと思いました。

この作品のタイトルは、「プリズナーズ」です。
単数の「プリズナー」ではありません。
この辺り、実に気がきいています。
センスの塊のような映画です。
是非、ご覧下さい!

ゼロ・グラビティ


僕の選択が悪いのでしょうか?
今年は、皆さんにお薦めできる映画にほとんど出会えませんでした。
僕の感性が鈍ってきたのか、映画界全体のレベルが下がっているのかは分かりません。
とにかく、映画に失望することが多い一年でした。

しかし、年末のここにきて、素晴らしい映画と出会うことができました。
間違いなく、今年のナンバーワン!
いや、2010年代の作品の中でも、1、2を争う傑作だと思います。
その映画とは、「ゼロ・グラビティ」です。

地表から600km上空。
すべてが完璧な世界で、誰もが予想しなかった突発事故が発生。
スペースシャトルは大破し、船外でミッション遂行中のメディカル・エンジニアのライアン・ストーン博士と、ベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキーの二人は、無重力空間《ゼロ・グラビティ》に放り出されてしまう。
漆黒の宇宙で二人をつなぐのは、たった1本のロープのみ。
残った酸素はわずか2時間。
地球との交信手段も断たれた絶望的状況下で、二人は果たして無事生還することができるのか?

無限に広がる過酷な宇宙という人類最後のフロンティアを舞台に、想像を絶する極限的状況を描き出す、体感型スペース・サスペンス・エンターテイメント大作です。
主演は、アカデミー賞受賞のサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニー。
監督は、オスカーノミネートのアルフォンソ・キュアロン。
最新VFXと3D技術を駆使した、リアルで臨場感に溢れる大迫力の未体験空間へと誘ってくれます。

何が良いって、上映時間が約90分!
まったく無駄のない作品です。
危機を脱して地球に帰還するということ以外の要素は、一切ありません。
縦軸が1本に絞られているのです。
横軸が1本だけ張られていますが、それも最終的に縦軸を際立たせる効果があるんです。
登場人物も2人きり!
見ている側の集中力を阻害するものが何一つないのです。
脚本の見事さには舌を巻くばかりです。

しかし、最大の魅力は、その絵作りです。
これは実際にご覧頂かないと!
本当に圧倒的です。
ほとんどカット割りのない、超ウルトラ長回し!
CGだから出来る、超高速のカメラぶん回し!
こんな映像見たことがありません。
それから、これはほとんど目立たないと思いますが、音の使い方が抜群です!
無音になるシーンの素晴らしさったらないですよ。
これは見ないと!
「ゼロ・グラビティ」を見ずして、何を見るんですか?

ただ、あまりの迫力に、周りのお客さんは、終映後、みんなぐったりしていました。
そして、逃げるように帰っていきました。
宇宙酔いしてしまう可能性があるのは否めません。
体調を整えてから、ご覧下さい!

42


2013年のプロ野球も、アジアシリーズを残すのみとなりました。
これから、広島カープのファンは、ストーブリーグで主力選手を失うのを黙って見ているしかありません。
寂しい-!
16年ぶりに、やっと3位に入ったのに...。

そんな寂しい野球ファンにお薦めしたい映画があります。
「42 世界を変えた男」です。

1947年、ブルックリン・ドジャースのGMブランチ・リッキーは周囲の猛反対を押し切り、初の黒人メジャーリーガーとなる若者ジャッキー・ロンビンソンと契約し、前人未到の道を切り開く。
しかし、ジャッキーとブランチは、一般大衆、マスコミ、さらに同じチームの選手達からさえも執拗な糾弾を浴びることになる。
男たちの、孤独で過酷な戦いが始まった。
背番号「42」を背負ったジャッキーは並々ならぬ勇気と誇りで反撃しない自制心を貫き通す。
彼の最高のプレーに、批判に満ちていたチームメイトやファンたちの心は、やがて1つになっていく。

史上初の黒人メジャーリーガー、ジャッキー・ロビンソンと、球団ドジャースのジェネラル・マネージャー ブランチ・リッキーを中心に、白人選手以外に開かれることのなかったメジャーリーグ界の堅牢な門戸をこじあけ、世界に本当の自由を示した男たちのドラマです。
監督は『、L.A.コンフィデンシャル』でアカデミー脚色賞を受賞しているブライアン・ヘルゲランドです。

まさに王道の映画です。
最近、特撮に力を入れ過ぎるあまりに、わけの分からない映画が多くなっていますよね。
でも、ドラマに力があれば、そんな小細工は必要ないことが良く分かる作品です。
メジャーリーグが舞台になっていますが、野球に詳しくなくても十分楽しめます。
思わず拍手を送りたくなったり、気分がスッキリしたり、感動すること請け合いです。
メジャーリーグでは全球団で背番号42が永久欠番となっているのですが、その理由が良く分かると思います。
野球好きなら、まさに必見!
落涙確実!
是非是非、週末にお楽しみ下さい。

ドジャースのGMブランチを演じるのは、あのハリソン・フォードです。
一見しただけでは分からないぐらい、しっかり老け役を務めていました。
見どころ満載の映画ですよ。

ポーランド映画祭2013


僕は、ポーランドをルーツとするマイムを練習しています。
ですから、ポーランドの芸術には、大変関心があります。
舞台は勿論、文学、音楽等、ポーランドのものは優先して鑑賞するようにしています。
そんな僕が、今、楽しみにしているイベントがあります。
11月30日から12月13日まで、渋谷のシアター・イメージフォーラムで開催される「ポーランド映画祭2013」です。
その前売り券が、今日から発売されます。

1950年代半ばから60年代にかけて、ポーランド映画は、大きなムーヴメントを起こしました。
今回の映画祭は、イエジー・スコリモフスキ監督の監修のもと、著名作から初公開の知られざる傑作まで、全15作品が公開されます。
どんな作品が見られるのか、具体的に、いくつかご紹介しましょう。

・ポーランド派を代表する監督と言われながら、若くして世を去ったアンジェイ・ムンク。
残された長編5作の中から、激動の時代を生きる男の悲劇の物語「不運」 (112分)を上映。

・巨匠アンジェイ・ワイダの作品からは、迷路のような下水道での攻防戦を、息詰まるタッチで描いた「地下水道」(96分)、戦争中はレジスタンスとして活動し、戦後はテロリストとなった青年を主人公にした代表作「灰とダイヤモンド」(102分)。

・ワイダと並んでポーランド映画の名を高めたイエジー・カヴァレロヴィッチは、疾走する列車に乗り合わせた人々の人生模様を大胆なカメラワークで追った「夜行列車」(100分)。

・『砂時計』で知られるヴォイチェフ・イエジー・ハスは、ブニュエル、リンチ、J・ガルシアらを熱狂させた、17世紀を舞台にした愛と冒険の迷宮譚「サラゴサの写本」(182分)。

・近年、再評価の声が高いカジミェシュ・クッツは、「沈黙」(102分)。

・『灰とダイヤモンド』で主人公役を演じ、神話的存在となったズビグニェフ・ツィブルスキが脚本・主演し、ヤヌシュ・モルゲンシュテルンが監督した、知られざる傑作「さよなら、また明日」(88分)。

こうして列挙してみたら、僕はすでに、結構見ているんですね。
なかには、中学生の時に見たモノもあります。
僕は、昔から、ポーランド芸術が好きだったんですね!

良い機会ですから、久し振りにポーランド映画を見直してみたいと思っています。
ハリウッドの映画とは全く違う表現を満喫できると思いますよ! 

ラスト・スタンド


ゴールデンウィークも、今日が最終日!
特に予定の入っていない方は、こんな映画をご覧になってみてはいかがですか?
今日は、「ラスト・スタンド」をご紹介します。

ロス市警麻薬捜査官のレイは、捜査中に仲間を失ったことで心に傷を負い、退職を余儀なくされる。
今は保安官としてメキシコ国境にある田舎町で暮らしていた。
ある日、FBIのバニスターから、麻薬王のコルテスがスーパーカーで国境へ向けて逃走したことを知らされる。
FBIはパトカーやヘリコプターを駆使しコルテスらを食い止めようとするが、最新鋭の銃火器を備えた彼らに太刀打ちできないでいた。
レイは町にある武器をかき集め、迎撃の準備を整える。

10年ぶりとなる、アーノルド・シュワルツェネッガーの主演作品です。
シャワちゃんは、メキシコへの逃亡を図る超凶悪犯を迎え撃とうと、町の住民たちとともに熾烈な戦いに身を投じる保安官を演じます。
腕っ節が強く、人望も厚いという、まさにシュワルツェネッガーらしい役柄です。
強靭な肉体を駆使してのアクションはもちろん、激しいカーチェイスも、彼の全盛期を彷彿とさせるものとなっています。
オスカー俳優のフォレスト・ウィテカーや、名脇役のピーター・ストーメアなど、共演陣も豪華で楽しめます。

まあ、はっきり言って、相も変わらずの作品です。
30年前でも撮れたでしょう。
まさに王道中の王道です。
「こうなるだろう」と予測したことは、全部、そうなります。
目新しいことは何もなく、映画史に残るようなものではありません。
でも、それで良いんですよね。
周りのお客さんの反応も抜群です。
「やっぱり、そうでなくちゃ!」と、みんな声を挙げて喜んでいました。
ここまで盛り上がる映画館は久しぶりです。
下らない話であっても、観客の満足度は非常に高かったと思います。

「ラスト・スタンド」のお客さんのリアクションを見て、僕は少し考え直しました。
自分の作品にも、もう少し"ありきたり"の要素を入れなくてはいけませんね。
意外性や斬新さを求め過ぎると、観客の要求と乖離する可能性があるのです。
落ちが予想出来るような定番の展開を進めていく必要もありますね。
何を見ても勉強になります!

クラウド・アトラス


またまた、皆さんにお薦めしたい映画を見てしまいました。
上映時間が3時間もある大作ですが、まったくダレることなく楽しめると思います。
僕の大好きな陰鬱で不毛な世界観で満ち満ちた傑作です。
その作品とは、「クラウド・アトラス」です。

「マトリックス」シリーズのウォシャウスキー姉弟と、『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァが監督を務めた作品です。
以前は、"ウォシャウスキー兄弟"でしたが、お兄さんが性転換したので、"姉弟"になりました。
主演は、オスカー俳優のトム・ハンクスとハル・ベリー。
共演陣にも、国際色豊かな一流キャストを配しています。
アクション、ミステリー、ロマンスを織り交ぜながら、時空を行き来し展開していきます。

この映画の原作は、デヴィッド・ミッチェルの同名ベストセラー小説です。
異なる時代に舞台を置いた、6つの物語を描いています。
19世紀の南太平洋を船で旅する、サンフランシスコ出身の公証人。
第二次大戦前のベルギーで、天才作曲家に師事する若き音楽家。
1970年代のアメリカ西海岸で、原発の不正を追及する女性ジャーナリスト。
現代ロンドンで、インチキ出版社を営む老編集者。
近未来の韓国で、ウエイトレスとして生きるレプリカント。
遠い未来のハワイで、人類絶滅の危機を迎える文明の守り手。
身体のどこかに不思議な彗星のあざを持つ主人公たちが、支配と暴力と抑圧に抗して叫びをあげていきます。

6つの物語りが錯綜するので、見ていて、序盤は混乱すると思います。
でも、そんなことは気にせず、そのままご覧下さい。
中盤からは、付いていけるようになる筈です。
どのエピソードも、悲しく、虚しく、切ないので、辛い思いをする方もいらっしゃると思います。
時代を超えて一切変わることのない、人間の醜さや愚かさを、執拗なまでに描き続けているからです。
でも、その描き方が、強烈にスタイリッシュで美しいんですよ。
特に、近未来の韓国のシーンは、最高です。
これからご覧になる方の為に詳しくは書けませんが、最期のシーンなんか、究極の映像美だと思いますよ。
純然たる娯楽作品には当たりませんが、エンタテインメントの中に多少なりとも芸術性を求めたい方は必見です。

この作品で、主要な俳優さん達は、1人6役程度、演じています。
なかには、その役者さんだとまったく見抜けないぐらい、上手に化けているシーンもあります。
遠い未来の場面で、ヒュー・グラントが出演しているのを見つけられたら、あなたは相当な通です。
是非、チャレンジしてみて下さいね。

ゼロ・ダーク・サーティ


今の段階で断言しても大丈夫だと思います。
今年の映画ナンバーワンは、「ゼロ・ダーク・サーティ」です。
これを上回る作品が年内に公開される可能性は、まずないでしょう。

2003年、パキスタンにあるCIAの部署に、情報分析官マヤが派遣されてくる。
捕虜の拷問に最初は目を背けるマヤだが、次第に、そんな状況に慣れて行く。
やがて、ビンラディンの連絡員と思われる男、アブ・アフメドの情報をつかむマヤだが、なかなかその尻尾をつかむことができない。
手詰まりになって行く中、CIA局員を狙った自爆テロが発生。
同僚の死を受け、マヤの心の中の何かが大きく変わる。
そしてマヤはアブ・アフメドを発見する。
はたしてビンラディンの居所はつかめるのか...?

「ゼロ・ダーク・サーティ」は、「ハート・ロッカー」でアカデミー賞監督となったキャスリン・ビグローの最新作になります。
前作同様、アメリカが今まさに直面している戦争が描かれています。
9.11テロから10年が経ち、人々のビンラディンに対する記憶も薄れようとしている2011年5月1日。
アメリカのネイビーシールズが、ビンラディンの隠れ家を急襲し、殺害する事件が起きましたた。
その裏には、ひとりのCIA女性分析官の功績があったのです。
「ゼロ・ダーク・サーティ」は、分析官マヤがパキスタンに赴任してから8年間掛けて、ビンラディンの隠れ家を探し出す過程をリアルに描いています。

ビンラディンが殺害されたのは、東日本大震災から2カ月も経っていない時期でした。
世界的な大ニュースながら、日本では、あまり詳しく伝えられなかった記憶があります。
それ以前に、タリバーンの実状を、日本人はほとんど理解できていません。
そういった意味で、この映画には、日本人が学ぶべきことが沢山描かれているんですよ。
ビンラディンが隠れていた場所が、まさか、あんな場所だとはまったく思ってもいませんでした。
(てっきり、洞窟で殺害されたものだと、誤解していました)
また、無差別自爆テロの恐ろしさを、改めて、体感することも出来ました。
中東情勢は勿論、21世紀のアメリカの変遷を知る上でも、非常に役立つ映画だと思います。

しかも、映画の出来が抜群に良いのです!
豪華なCGを使ったアクション・シーンなどは、ほとんどありません。
しかし、これほど手に汗握る緊張感溢れる映画は、滅多にありません。
エンタテインメント作品としても、超一級品です。
特に、映画のクライマックスとなるビンラディン殺害シーンは、まるでドキュメンタリーのように再現されています。
自分が、兵士になったような錯覚に陥ること、間違いありません。

上映時間2時間45分の大作ですが、長さはまったく感じません。
残虐な映像が苦手な方にはお薦めしませんが、映画好きの方なら必見だと思います。
映像の出来が抜群ですので、DVDでは勿体ない!
是非、劇場でご覧下さい。

ゴースト・ライダー2


今年になって見た映画はすべて不作で、満足出来るものは1本もありませんでした。
しかし、とうとう見つけましたよ。
自信を持って、皆様にお薦めしたい映画を!
ただし、一般の映画ファンにお薦めするものではありません。
演技や演出を学ぶ人に、是非、ご覧頂きたいと思っています。
その映画のタイトルは、「ゴースト・ライダー2」です。
まずは、ストーリーから!

父親を救うために冥界の魔王メフィストと契約し、体内に悪魔を宿した男、ジョニー・ブレイズ。
静かに暮らしていた彼の所にモローという僧侶が「ある少年を助けて欲しい」と依頼してきた。
その少年・ダニーは母親・ナディアがメフィストと契約して生まれた"運命の少年"だった。
メフィストは自分の魂を入れる新しい"器"としてダニーを狙っていたのだ。
ジョニーはダニーを守るため、ゴーストライダーとなってメフィストにたち向かう...。

まあ、正直言って、ストーリーはどうでもいいです。
ストーリーのことは、はなから忘れて下さい。
ストーリーなんか、なくて良い映画なのですから。
感動しようとか、教訓を得ようと思っている人は、見ない方が良いでしょう。
この作品は、ひたすら演出力を味わう映画なのです。

とにかく、ゴースト・ライダーの演技が素晴らしい!
顔が燃えているドクロが主人公なのですが、実に芝居が上手い。
CGなのに、演技が圧倒的なのです。
無駄な動きは一切なく、ここを見せたいという部分だけを明確に動かしていきます。
しかも、絶妙の間とタイミング!
これこれ!これなのです!
演技にとって大切なことを、非常に分かりやすく見せてくれています。
特に、タメの取り方が絶妙です。
いくらお金をかけて凄いCGを使っても、タメがない演出になっているから最近の娯楽映画はつまらないのです。
ライダーが悪人の魂を吸い上げるシーンなんて、絶品です!
これが映画!
これが演技です!
カメラワークといい、編集といい、もう言うことないですね。
まさに、至福のひと時でした。

それ以外にも、対決シーンになるとまったく映像の質感を変えてみたり、2分割画面を上手く活用したり、映像テクニックのオンパレードです。
良いと思ったシーンを細かく書いていると、キリがありません。
監督のマーク・ネヴェルダインさんとブライアン・テイラーさんは、さぞや腕の良い、センスあふれるアーティストなのでしょう。
僕はもう、次回作を楽しみにしています。

ただ、繰り返しますけど、アメコミの映画化ですから、ストーリーは本当に下らないものです。
途中で帰ってしまうお客さんも、ちらほら見受けられました。
(「ゴースト・ライダー2」じゃなくて、「レ・ミゼラブル」にすれば良かったですね...)
そんな方は、僕の作品を見ても、きっと満足されないでしょうね。
「ゴースト・ライダー2」が好きかどうかで、僕との相性が分かるかもしれません。
僕にとって、映画や演劇は、ストーリーを見せるモノではなく、表現そのものを見せるモノです。
はっきり言って、ストーリーなんて、どうでも良いのです!
リアリティなんて、必要ないのです!
さあ、「ゴースト・ライダー2」を大スクリーンで見て、表現を満喫しましょう!
ただし、肌に合わなくても、当方は一切関知しませんので、そのつもりで...。

MIB3


久々に、映画の話題を!

現在、大ヒット中の「メン・イン・ブラック3」を見てきました。
ウィル・スミス演じる陽気なエージェント"J"と、トミー・リー・ジョーンズ演じる無愛想なエージェント"K"のコンビの活躍を描く「MIB」シリーズ3作目になります。
まずは、ストーリーからご紹介しましょう。

月面のルナマックス銀河系刑務所から、凶悪S犯のアニマル・ボリスが脱獄。
地球に逃亡した。
超極秘機関"MIB"のエージェント"J"と"K"は、ボリスが関係する犯罪の捜査を始める。
しかし、ある日、出勤した"J"は、相棒の"K"が40年前に死んでいると聞く。
どうやら、ボリスは40年前に自分を逮捕した"K"を恨み、過去に遡って"K"を殺してしまったらしいのだ。
"J"は40年前にタイムスリップし、若き日の"K"とボリスの阻止に乗り出す...。

この作品の舞台が1969年というところがミソなんですね。
エージェント"J"が1969年にタイムスリップし、ヤング・エージェント"K"とともに、大暴れするというものです。
きっと若き日のトミー・リー・ジョーンズはこんな感じだったんだろうと思わせるジョシュ・ブローリンの演技が見ものとなっています。
もちろん、CGで作られたエイリアンたちもたくさん登場するので、こちらも楽しみに。

本来、僕は、「MIB3」のような軽い映画は好きではないのです。
僕の好みは、クールでハードボイルドな緊張感たっぷりの作品です。
では、なぜ僕は、「MIB」シリーズを、すべて映画館で見ているのでしょうか?
実は、「MIB」は、現在数少なくなった、ギャグ満載の作品なんですね。
コント作家でもある僕としては、アメリカの最新のギャグを勉強しない訳にはいきません。
そういう視点で、僕は、「MIB」をじっくり見ているんです。

かつて、ギャグ映画が全盛の頃は、ストーリーを書く脚本家の他に、ギャグだけを書く専門のギャグ作家も脚本制作に携わっていました。
大勢のギャグ作家の生み出したギャグを随所に取り込んで、一つの物語に仕立てていったんですね。
「MIB」は、その時代の匂いが残った貴重な作品なんです。

「MIB3」には、秀逸なギャグが沢山盛り込まれています。
これからご覧になる方の為に具体的には書きませんが、久々にプロのギャグを見たように思います。
特に、最初にタイムトリップする際に展開されるギャグは最高です。
2012年のギャグ大賞を差し上げたいと思います。

特撮ばかりに目がいく作品ですが、ご覧になる際には、ちょっとだけギャグに意識を置いてみて下さい。
数倍、面白く感じると思いますよ!

『ドライヴ』


春の大型連休後半戦が、スタートしました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?
「特に予定はない」という方のために、今日は、お薦めの映画をご紹介したいと思います。
その映画とは、第64回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した『ドライヴ』です。
まずは、ストーリーから!

天才的なドライブ・テクニックを武器に、昼はアクション映画のカースタント、夜は強盗の逃走を請け負うドライバー。
ある晩、彼はアパートの同じ階に住むアイリーンという若妻と、偶然、エレベーターに乗り合わせ、ひと目で恋に落ちる。
だが、彼女には、服役中の夫スタンダードがいた。
やがて服役から戻り、更生を誓うスタンダードを見たアイリーンは、ドライバーを思いながらも、家族を守る選択をする......。

監督は、デンマーク出身の新鋭ニコラス・ウィンディング・レフン。
主演は、『きみに読む物語』のライアン・ゴズリングと、『17歳の肖像』のキャリー・マリガン。
スタントマンと逃がし屋の二つの顔を持つ男の姿をクールに描き、批評家たちの称賛を浴びた注目のクライム・サスペンスです。
フィルム・ノワールのような静謐さと、緊張感溢れるバイオレンスが融合しています。
めくるめく展開と、激しい愛の物語に、心を揺さぶられること間違いありません。

『ドライヴ』は、本当に良い作品です。
現時点で、「今年の映画ナンバーワン!」と断言しても構わないと思っています。
数年に1本あるかどうかという大傑作です。

ただ、この作品は、人を選ぶところがあるかもしれません。
決して、「ストーリーが面白い」とか、「意外などんでん返しが待っている」ような作品ではありません。
「大いに笑う」こともなければ「涙が止まらなくなる」ものでもありません。
いわゆる盛り上がりやクライマックスもない、淡々とした展開です。
じゃあ、何が良いかと言いますと、とにかく、その演出のスタイリッシュさです!
こんなにストイックで、クールで、カッコいい映画は、滅多にお目に掛かれませんよ。
まず、セリフがほとんどありません。
しかも、主人公の声の小さいこと!
いわゆる"説明"を拒否し、「とにかく映像を見てくれ!」という潔さを感じます。
映画や演劇を見慣れていないと、分かりにくいと感じる可能性もありますね。
でも、これが芸術です。
これが、リアルな人間です。
その甲斐あって、1秒たりとも緩むことなく、約110分間に渡り圧倒的な緊張感が満ち溢れています。
とにかく、絵作りの良さったら、ありません。
"R15"指定されていますけど、この作品は、子どもには勿体ない!
是非、大人の皆さんにご覧頂きたいと思います。

でも、実は、ジェームズ・サリスの原作小説は、映画よりもう一回り良いんですよ。
早川文庫から出版されていますから、興味のある方は、是非、ご一読下さい。
ストーリー(特に結末)が、全然違いますから...。

「TIME」

 

お薦めの映画をご紹介します。

今回は、「TIME」というSF作品です。

監督・脚本は、『ガタカ』の監督や『トゥルーマン・ショー』の脚本で知られるアンドリュー・ニコル。

主人公ウィルを演じるのは元イン・シンクでソロシンガーとして成功した、ジャスティン・ティンバーレイク。

まずは、ストーリーから!

 

そこは、お金の代わりに"時間"が通貨として売買される世界。

25歳になった時から、体内時計が、余命の時間を刻んでいきます。

スラムゾーンに住む青年ウィルは、余命あと23時間。

しかし、偶然、ひとりの男から100年分の時間をもらい、富裕ゾーンに入りこみます。

そこには、半永遠の命を持ち贅沢な生活を送る人々がいました。

ウィルは、そこで、富豪の娘シルビアと知り合います。

その頃、時間の秩序を守る監視局員たちが、ウィルの追跡を開始していました...。

 

この映画は良いですよ。

まず、なんでこんな世界になったのかといった、余計な説明が一切ない!

非常に不条理な世界なんですけど、それを皆が受け入れているんです。

これって、今の日本と似ていませんか?

また、貧富の差がどんどん開くようになっている社会構造も、象徴的です。

一方、時間を有効に使うのは、時間が限られていることを意識している人間である点も、皮肉なものです。

当然、無理がある展開や、すっきりしないラストといった問題点はありますけど、僕はそんなこと一切気になりません。

エンタテインメントでありながら、強烈な社会風刺を利かせた秀作であると、高く評価します。

 

なんといっても、全ての物価が、余命の時間で換算されるのが面白いですね。

バス料金が2時間、高速道路の料金が1ヶ月、高級ホテルの1泊は1年なんて、凄い発想だと思いません。

我々の貰う給料やギャラも時間を売った代わりに得るモノではありますが、こんな風に、時間で表示されたら、何も買えなくなってしまいますね。

見終わった後、ゾッとする作品であります。

 

最近の映画にしては珍しく、残虐なシーンや猥褻な描写が少ないので、どなたにでもお薦め出来ます。

ただ、後味の良い作品ではありませんが...。

 

『フライトナイト 恐怖の夜』

 

毎年思うのですが、正月休み明けすぐの3連休って盛り上がりませんよね。

中には、お正月から連続してお休みという、羨ましい方もいらっしゃるようですが...。

 

さて、今年のお正月映画は、ちょっと残念なラインナップだったように思います。

しかし、昨日から正月映画第2弾が公開され、ようやく皆様にお薦め出来る作品が登場してきました。

その中で、特に僕が推薦したいのは、『フライトナイト 恐怖の夜』です。

 

ラスベガスの郊外に母親と二人で暮らす高校生のチャーリーは、オタクから卒業し、初めての恋人と楽しい高校生活を送っていました。

その頃、街では、行方不明事件が頻発。

オタク友だちのエドは「チャーリーの隣の家に引っ越してきたジェリーの正体はヴァンパイアで、彼が街の人々を襲っている」と言いますが、アダムは相手にしませんでした。

しかし、そのエドまで行方不明になり、ジェリーの家に忍び込んだチャーリーは、ジェリーの正体を目撃することになります...。

 

『フライトナイト』は、1985年にトム・ホランド監督によって作られたヴァンパイア・ホラーの名作です。

80年代といえば、『13日の金曜日』や『エルム街の悪夢』等、ひたすら残酷なスプラッター・ムービーが人気を集めていました。

その流れに逆行するかのようにホラーの古典"ヴァンパイア"を現代に復活させ、コミカルな要素を取り入れた『フライトナイト』が登場したときには、とても新鮮に感じられたものでした。

88年には、続編も製作されています。

 

今回公開された作品は、その『フライト・ナイト』を、3Dでリメイクしたものです。

主人公の家の隣にヴァンパイアが引っ越してくるというストーリーは、オリジナルと同じ!

登場人物の名前まで、オリジナル版に揃えてあります。

ただし、演出面は、大幅にリニューアルしてあります。

まず、弾丸が迫り、血しぶきが飛び散る...、まさに3Dの効果を最大限に発揮した映画となっています。

また、基本的な、絵作りが圧倒的に美しいんです。

ゴシック・ホラーの美学満載で、カッコいいビジュアルがノンストップ!

とりわけ、カメラ・ワークの見事さには、高いセンスを感じます。

中盤、追いかけてくるヴァンパイアから車で逃げるシーンがあるのですが、その車内の描写などは、かつて見たことのない撮影が行われています。

(どうやって撮影したのか、僕には分かりません。巧みなCG合成を使っているのでしょうか?)

それが、観客の心理操作とマッチングしているのですから、僕は非常に感心してしまいました。

移動撮影の多い映画ではありますが、そのカメラの動きに注目して見るだけでも、本当に面白い作品だと思います。

確かに、ストーリーは下らない、ありきたりの映画かもしれません。

しかし、伏線も丁寧に張ってあり、まったく無理がないんですよね。

休日を楽しく過ごすには、もってこいの作品です。

ドリームワークスの製作ですから、セクシーでありながら、節度も弁えています。

是非、ご家族で、カップルで、ご覧頂きたいと思います。

 

ホラーが苦手という皆さん!

どうぞ、ご安心下さい。

この作品は、そこまで怖くはありませんので...。

 

マネーボール

 

毎度、映画をご紹介すると評判が良いので、今日はこの週末にお薦めの1本を!

今回は、とりわけ、広島カープ・ファンの皆様に向けて、お届けします。

作品のタイトルは、「マネーボール」です。

まずは、概要からお知らせしましょう。

 

メジャーリーグの野球選手だったビリー・ビーンは、引退後オークランド・アスレチックスのゼネラル・マネージャーに就任します。

しかし、財政が苦しいアスレチックスでは、せっかく育てた有望選手を、強豪球団に引き抜かれるという事態が続きます。

チームの立て直しを図るビリーは、統計データを使って選手の将来的価値を予測するという「マネーボール理論」を導入し、イェール大卒のピーター・ブランドと共に、チームの改革を進めていきます。

ビリーは、これまでのやり方にしがみつこうとする抵抗勢力に迎合することなく、チームの変革を成し遂げます。

そして、ついに、公式戦20連勝という記録を打ち立てます...。

 

自分の信念を貫き、チームを変革していくビリー・ビーンを、ブラッド・ピットが熱演。

本物の元野球選手たちが、その選手役で出演していますので、試合シーンは迫力十分!

(その分、演技は控えめだったりもしますが...)

我々ファンが普段見ることの出来ない球場の裏側が沢山見られるのも、嬉しいですね。

監督は、『カポーティ』等の作品で知られるベネット・ミラーです。

 

実話の映画化だけに、ストーリーが面白いとか、どんでん返しがあるとか、そんなことはありません。

その代わりに、真実の持つ重みをずっしりと感じることが出来る、良質な作品となっています。

メジャーリーガーの光と影を、哀感たっぷりに描くヒューマン・ドラマなんですよね。

アスレチックスのGMの話ではあるのですが、最後に勝つのは、ビリーの手法と大金の両方を活用したレッドソックスだったりして、何とも切ない感じがしてしまいます。

ラストシーンの微妙な感じとか、たまりませんよ!

2時間20分近い大作ですが、長さをまったく感じさせません。

野球に詳しくない方でも、人間ドラマとしてお楽しみ頂けると思います。

 

財政が苦しい野球チームと言えば、日本では、カープです。

カープは、アスレチックスのように、毎年のように、主力を引き抜かれていきます。

(今年も、危ない!)

カープ・ファンなら、誰よりも、この映画に感情移入出来る筈です。

是非、ご覧頂きたいと思います。

 

「マネーボール」オフィシャルサイト

http://www.moneyball.jp/

ファイナル・デッドブリッジ

 

3D映画の武器を活用した画期的な映画!

それは、「ファイナル・デッドブリッジ」です。

内容は、本当に、しょうもないんですよ。

絶体絶命のアクシデントから運良く逃れたことで、"死の運命"を背負ってしまった人々を描くホラー「ファイナルデスティネーション」シリーズの第5弾となります。

でも、アメリカでは、このシリーズの全作品がナンバーワンを記録するほど、人気があるんですよ。

まずは、粗筋をご紹介しましょう。

会社でチャーターしたバスが、巨大つり橋の崩落事故に遭遇する。乗客のひとり、サムは事故の直前に、橋が崩壊し上司や同僚たちが次々と死んでいくビジョンを見る。我に返り、現実ではなかったことに胸をなでおろしたのも束の間、先ほどのビジョンと同じことが現実に起ころうとしていた。壮大な景観のつり橋が、あっという間にデッドブリッジと化したのだ。事態にいち早く気づいたサムのおかげで8人が生き残るが、犠牲者たちの葬儀に謎の男が現れる......。

 

「ファイナル・デッドブリッジ」は、「アバター」の第2班の演出を担当したスティーヴン・クォーレが、初めてメガホンをとった作品です。

これまでに培った技をフル稼働し、思いもよらない、衝撃的すぎる"死亡シーン"を、飛び出す3D映像により、さらにショッキングなものにスケールアップさせているんですね。

 

まあ、いろんなものが飛び出す、飛び出す!

情け容赦なし!

気持ち悪いモノや、恐ろしいモノが、遠慮なしに観客に飛びかかってきます。

それも、大概は、先が尖がっています。

しかも、凄いスピードです。

なおかつ、ほとんどの場合、加速しながら飛んできます。

そうそう、そうこなくっちゃ!

尖ったモノが、観客の目玉から後頭部に突き抜けていくこの感覚!

これぞ、3Dの醍醐味!

最高です。

ご覧になっているお客さんは、皆さん、全身を使って、飛びかかってくるモノを除けていらっしゃいました。

その際には、前の席を蹴ったり、ポップコーンをひっくり返したり、隣に座っている彼女を突き飛ばしたりしていました。

映画の中だけでなく、映画館でも、パニック発生!

物凄い臨場感を味わえます。

僕は、「ファイナル・デッドブリッジ」を見て、初めて、3D映画の良さを知りました。

3D化して高い料金を取るなら、最低でもこれぐらいはやってくれないと、納得いきません。

皆さんの中で、「本物の3D映像が見たい」と思っていらっしゃる方は、是非、ご覧下さい。

「アバター」とは、レベルが違います。

 

ただし、ストーリーの方は、保障いたしかねます。

ていうか、3D映画を見るのに、ストーリーなんかどうだって良いじゃありませんか!

とにかく、ショッキングな絵を見て、楽しんで下さい。

気持ち悪くなること、請け合いです。

 

「ファイナル・デッドブリッジ」を楽しむポイントは、もう一つあります。

大事故を生き残った者たちは、次々に死んでいくんですが、その死に方が素晴らしい!

アイデアが、満載です。

「ああ、あれが落ちてきて死ぬんだな」と思っていたら、「おい、そっちかい!」と言いたくなる死に方をしていきます。

「良くもまあ、あれだけ様々な死に方を、思い付くなあ」と、毎度、感心してしまいます。

実に、潔くて、良いですね。

 

ただし、何度も申し上げますが、本当に下らない映画です。

しかも、気持ち悪いシーンのオン・パレードです。

どなたにでもお薦め出来る訳ではありません。

ご理解頂いた上で、劇場に足をお運び下さい。

3D映画を面白くするには

 

立体映像で最も面白い演出とは、何でしょうか?

 

それは、言うまでもなく、画面から観客の方に、何かが飛び出してくる映像に決まっています。

それも、出来るだけ速く、出来るだけ鋭く、観客の目に向かって飛んでくる演出が望ましいですね。

可能なら、矢や銃弾など先が尖ったモノや、爆発物の破片、気持ち悪い昆虫といった小さなモノを、高速で飛ばして欲しい!

見ている観客が、思わず身をよじって除けてしまうぐらいじゃないと、3Dの意味がありません。

そんな演出だったら、迫力ありますよ!

絶対に2Dでは表現出来ない、3Dならではの面白さを、実現出来る訳です。

(宇宙船の船内に立体感があるというだけで、あなたは、料金を数百円、余計に払いたいと思いますか?)

 

しかし、商業映画では、それがなかなか実現出来ないようなんですね。

画面から鋭く飛び出していく演出は、一部の観客にとって、あまりにもショックが大き過ぎるということなんです。

場合によっては、最悪の事故につながるケースもあると聞いています。

(過去に、イベント映像や、パビリオンでの映像で、そんな危険があったそうです)

ですから、映画会社は、万が一の事態に備えて、リスクのある映像作りを意識的に避けているようです。

賠償請求なんかされたら、大変なことになってしまいますからね...。

 

現在の3D映画にも、申し訳程度に、何かが画面から前に飛び出してくる演出は取り込んであります。

しかし、必ず、画面のセンターを外していますし、飛び出すスピードもゆっくりです。

思い出してみて下さい。

飛び出してくるシーンは、画面の端っこの方で、蝶などがヒラヒラ舞っているような映像ばかりじゃないですか?

これでは、3Dは面白くなりませんね。

 

そんな映画界の暗黙のルールを破った映画が、実は、あったんですね。

その映画は、決して皆さんにお薦め出来る内容ではありません。

でも、正しい3D映画の在り方を示してくれています。

その映画とは...。

 

To Be Continued.

「親愛なるきみへ」

 

シネコンが隆盛する一方、ミニシアターが続々閉館し、良質な小品が見られなくなってきました。

残念なことですね。

しかし、それでも、一部の大都市には、若干数、こだわりの映画館も残っています。

なるべく見に行って応援してあげたいものです。

そんな中で、皆様にお薦めしたい映画を見つけました。

今日は、「親愛なるきみへ」という作品をご紹介しましょう!

 

2001年春、海辺で出会ったサヴァナとジョン。出会った瞬間から"恋"の予感があったが、一緒の時間を過ごすたびに強く惹かれあい、2週間で恋におちていく。しかし、米軍の特殊部隊に所属するジョンは戦地に赴かなくてはならず、サヴァナの心はゆれる。それでもふたりは絆を信じ、手紙で心を通じ合わせていく。

数か月後、任務より戻ったジョンとのかけがえのない18時間を過ごすサヴァナにとって、この愛しい時間が永遠に続くと思っていた。しかし、ある事件をきっかけに、ふたりの運命は変わっていく。苦悩の末、任務の延長を志願したジョンのもとに届いたのは、サヴァナからの別れの手紙だった。打ちひしがれ、自ら激しい戦地での任務を志願したジョンが、故郷へ帰還して初めて知った、手紙に書かれていなかった事実とは・・・。

 

この映画の原作「親愛なるきみへ」は、『きみに読む物語』(04)、『最後の初恋』(08)の著者であるニコラス・スパークスの作品です。

出版前から映画化権の争奪戦が繰り広げられたそうです。

監督は、『ショコラ』(00)、『HACHI 約束の犬』(08)などで知られるラッセ・ハルストレム。

純愛に苦悩する、精悍かつ繊細な若き兵士ジョンを演じるのは、『G.I.ジョー』(09)、『パブリック・エネミーズ』(09)のチャニング・テイタム。

愛と慈悲の間で揺れる、心優しき南部の娘サヴァナを演じるのは、『マンマ・ミーア!』(08)で注目され、『ジュリエットからの手紙』(10)、『赤ずきん』(11)と出演作が続く、アマンダ・サイフリッド。

若き恋人を見守るジョンの父親ミスター・タイリーを、『扉をたたく人』(07)で米国アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた演技派リチャード・ジェンキンスが演じています。

 

タイトルから分かるように、文通をテーマにした作品で、手紙がストーリーの、そして若い二人の、運命を握っています。

言葉が主役ですから、映像表現としては、厳しい条件ですね。

そこは、名手ハルストロム!

美しい映像で、違和感なく、上手く織り込んでしました。

人のやさしさ、人とのつながりが繊細に描かれた見事な恋物語です。

 

近年、ここまで徹底したラブストーリーには、なかなかお目に掛かれません。

登場する人物が、すべてイノセントでピュア。

優しさに満ちているがゆえに、すれ違い、悲しむことになるのです。

一般的な話題に上ることは少ないと思いますが、見逃すのはあまりに惜しい。

是非とも、素晴らしい映像を大きなスクリーンで堪能して頂きたいと思います。

 

「親愛なるきみへ」公式HP

http://www.cinemacafe.net/official/shinkimi/top.html

ラ・グロット企画・ショートフィルム上映会

 

2009年1月11日に開催した「初笑い!ぷにぷにコント祭り」他に出演してくれた宮下洋一さんは、映画作家でもあります。 その宮下さんの作品も上映されるショートフィルムフェスティバルが、10月15日(土)に開催されます。

都合の付く方は、是非、応援してあげて下さい!

以下、詳細です。

 

 

●ラ・グロット企画
『10/15(土)開催 ショートフィルム上映会 & 交流会』のご案内

【豪華3本立てのショートフィルム上映会! 監督舞台挨拶あり!

吉田真也監督:マルチ映像ディレクター
審査員長の内田けんじ監督が大絶賛した、緑区ショートフィルムフ
ェスティバル・グランプリ受賞作品。
九鬼正範監督:映画監督・脚本家
脚本コンテストの最高峰・城戸賞を受賞した鬼才監督が放つクライ
ムワールド全開の最新問題作。
鈴木龍彦監督:映像集団『WAGOM』主宰
新進気鋭のイチオシ若手監督。プロデューサー長谷川を思わず唸ら
せた秀逸のアイデア映像作品。

【映像関係者、様々なアーティスト達との交流会を実施! 名刺を
お忘れなく!】
イベントを通じて、新たな出会いをプロデュースします。
仕事の輪を広げるだけでなく、異業種の友達を作るチャンス!

【日時】
10月15日(土)15時開場(21時終了)途中参加可!
ショートフィルム上映会は、イベント時間内に2回開催。

【場所】
イベントスペース『ラ・グロット』にて開催。
・JR駒込駅北口改札口から徒歩5分。
・南北線駒込駅5番出口から徒歩4分。
〒170-0003 東京都豊島区駒込3-16-13

地図はコチラ。
http://www.la-grotte.com/access/

【イベント参加料】
お一人、1,500円。
定員、45名。
軽食(サンドイッチ)とフリーソフトドリンク付き。
アルコールドリンクは、一杯500円で販売。

「グレン・グールド~天才ピアニストの愛と孤独」

 

クラシック・ファンの皆様に、朗報です。

今月、大変興味深い映画が公開されます。

「グレン・グールド~天才ピアニストの愛と孤独」というドキュメンタリー映画です。

映画の公式サイトから、宣伝文句を引用させて頂きましょう。

 

"真夏でも手袋とマフラーを手放さず、異様に低い椅子に座り歌いながら鍵盤を叩く。1964年以降、コンサートは開催せず、レコードのみを発表した。50歳という若さで逝去した美しき天才ピアニスト、グレン・グールド。

 

エキセントリックな言動ばかりが取りざたされたが、「楽曲を分解し、別の形に組み直したかのような前例のないアプローチ」と評されるように、並外れた演奏技術と高い芸術性を持つ彼のピアノ演奏に人々は魅せられ、死後30年経とうとしている今でも残された彼の録音物により新たなファンを獲得し続けている。

 

数多くあるグールドに関する映像作品は彼の音楽家としての才能を描いたものが多いが本作は、その才能と共に彼の知られざる本質の謎に焦点をあて、グールドを愛した女性たちの証言でその謎に迫ろうと試みている。

 

グールドのデビュー当時の恋人フランシス・バロー、人妻である画家コーネリア・フォス、ソプラノ歌手ロクソラーナ・ロスラックなど、これまで公の場でグールドについて語ったことのなかった人々へのインタビューと、未公開の映像や写真、プライベートなホーム・レコーディングや日記からの抜粋などを通して、伝説の人物としてではなく、ひとりの人間としてのグレン・グールドに焦点を当てたドキュメンタリーである"

 

いかがですか?

見たくなったでしょう?

予告編を見てしまった僕は、今から、公開が楽しみでなりません。

「グレン・グールド~天才ピアニストの愛と孤独」は、10月29日(土)から、渋谷アップリンク他で上映されます。

インシディアス

 

映画の話題を書くと評判が良いので、今日は、現在公開中の作品をご紹介します。

 

昨日、「インシディアス」という作品を見てきました。

いわゆるホラー映画の範疇に入るものです。

粗筋は、こんな感じです。

 

ジョシュとルネの夫婦の間には、3人の子供がいます。

一家は、老朽化した家に引っ越しますが、家の中で、不可解な出来事が起こります。

屋根裏から不審な音が聞こえたり、物が勝手に動いたり、不吉な声が赤ちゃん用のモニターから聞こえるなど、おかしな出来事が続くのです。

そんななか、小学生の息子ダルトンが、梯子から落ちて昏睡状態に陥ってしまいました。

耐えかねた夫婦は、この家を引き払い、別の建物へと移り住みますが、問題は一向に解決しません。

やがて、見えない何かは、ジョシュたち家族へと忍び寄っていきますが...。

 

「ソウ」と「パラノーマル・アクティビティ」のスタッフが作ったホラーとして、話題になっていますよね。

ストーリー展開は、確かに「パラノーマル・アクティビティ」に似ています。

しかし、見た感じは、完全に「ソウ」のテイストです。

ストーリーが何であれ、やはり監督の作風が前面に出てしまうものなんですね。

後半になればなるほど、「ソウ」シリーズにしか見えなくなっていきました。

勿論、それは悪いことではありません。

ジェームズ・ワン監督の美意識が強く打ち出され、恐ろしくも美しい映像になっていました。

特に、冥界に進んでからの世界観は絶品です。

僕も、あんな舞台を作ってみたい!

また、ラスト・シーンは、「そうこなくっちゃ!」と思わせるモノでした。

腕の良い監督の作品って、見ていて気持ちが良いですね。

 

映画館の他のお客さんの反応は物凄く、皆さん、本当に怖がっていらっしゃいました。

悲鳴を上げたり、ポップコーンを取り落としたりする人が続出していました。

なので、ホラー好きじゃない皆さんには、お薦めいたしかねます。

でも、怖いモノが大好きな方なら、見逃しては勿体ない!

是非是非、映画館でご覧になって下さい。

ツリー・オブ・ライフ

 

このところ、映画を見ると、こんな感想を持つことが多いんです。

「面白いんだけど、別に、見なくても良かったかな...」

そんな不満をお持ちの皆様に、お薦めしたい映画があります。

第64回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したファンタジードラマ「ツリー・オブ・ライフ」です。

 

若い頃に弟に死なれたジャックは、仕事で成功し中年にさしかかった今も、子ども時代のトラウマに囚われていた。1950年代半ば、中央テキサスの田舎町で暮らしていた10代のジャック。夢のように美しい風景に包まれていながら、彼の生活は、強権的な父親に完全に支配されていた。「男が成功するためには、なによりも力が必要」と信じ、自分の信念を息子たちに叩き込もうとする父親。我が子に無償の愛を注ぎ続ける聖母のごとき母親。そんな相反する両親に挟まれ、翻弄されるうち、幼かった少年はやがて純真さを失い、そんな自分に傷ついていく...。時が経っても痛みを伴う回想の中で、ジャックは心の平安にたどりつけるのか?

 

監督は、『地獄の逃避行』『天国の日々』『シン・レッド・ライン』、そして『ニュー・ワールド』の4作品のみという寡作家で、"伝説の監督"と呼ばれるテレンス・マリック。

製作にも名を連ねたブラッド・ピットが父を、『ミスティック・リバー』と『ミルク』で二度のオスカーに輝いたショーン・ペンが息子を演じています。

 

「面白可笑しくはないんだけど、見て良かった」と思える作品です。

序盤、難解な叙事的映像が延々と展開され、意識を失いそうになりますが、気にしなくても大丈夫!

1時間弱を凌げば、その後は、感動の嵐が押し寄せてくる筈です。

ごく平凡な一家の物語を丁寧に丁寧に描くことで、見るものは、それぞれの経験と重ね合わせながら、深い思索におちいっていきます。

分かりやすい映画ではありませんが、冒頭で、テーゼが明確に示されますので、安心して下さい。

すべての登場人物に"救い"が訪れるラストシーンを、皆さんは、どう評価されるのでしょうか?

とにかく、近年稀にみる大傑作だと思います。

「娯楽ではなく、芸術作品を見たい」と思っていらっしゃる皆さん、是非、お見逃しなく!

「デビル」

 

昨日、「デビル」という映画を見てきました。

純然たるホラーではありませんが、タイトル通り、悪魔のお話です。

 

ストーリーは、こんな感じです。

高層ビルで一人の男が墜落死した。

現場に急行したボーデン刑事(クリス・メッシーナ)は、ロザリオを握りしめた死体に違和感を感じつつも、状況から自殺と断定する。

ちょうどその頃、同じビルのエレベーターが突然停止し、閉じ込められた5人の男女が照明が消えるごとに一人ずつ残酷な死を遂げる事態が起きていた。

外界から彼らを助ける事が出来ない中で、事件を解明しようとする刑事は常識ではありえない事態を目のあたりにし、それが“何かの力”で行われていることを感じる。

自殺者がオフィスに残していた「悪魔の足音が聞こえる」というメモ、次々と犠牲になる5人のプロフィール。

全ての謎が明らかになった時、そこには驚愕の事実があった。

 

今、夏休みの子供向けの大作映画ばかりが話題になっています。

その陰に隠れる形になっていますが、「デビル」のような良質のエンタテインメント作品にも注目して頂きたいですね。

まず、脚本が素晴らしい!

マイケル・ナイト・シャマランの原作・製作ですので、「シックス・センス」のような、しっかりしたどんでん返しで終わっています。

無駄な要素が一切なく、すべてのシーンがラストに向けての伏線となっていることに、感心してしまいます。

登場人物のキャラクターがはっきりしている上に、ブレが無いのも良い点です。

演出も的確で、狭くて撮影の難しいエレベーター内の状況を、分かりやすく、かつ美しく見せていました。

なにより、上映時間が80分というところが、最高です!

歴史に残る傑作ではありません。

でも、演劇の作品作りには、大変参考になると思います。

上映館が少なく、見られる地域は限定されてしまいますが、もしお近くで上映していましたら是非ご覧下さい。

ただし、怖がりな方は、おやめになった方が良いかも…。

 

詳しい情報は、下記サイトでご確認下さい。

http://devil-movie.jp/

インサイド・ジョブ~世界不況の知られざる真実

 

「インサイド・ジョブ~世界不況の知られざる真実」というドキュメンタリー映画を見てきました。

これは、なぜ巨大な金融危機が訪れたのか、米の金融界にメスを入れたアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門受賞作品です。

 

2008年に起きたリーマン・ブラザーズ社破綻。

なぜそれがきっかけで、世界同時不況が起きたのでしょうか?

アメリカでは、長い間、1930年代の大恐慌を教訓に金融業界に規制がかけられていました。

しかし1980年代のレーガン政権時代以降、規制は次々に撤廃され、投資や利益の追求に歯止めが利かなくなっていきました。

企業の役員や顧問が政治家を動かし、法律を改正。

ハイリスク、ハイリターンが求められ、とうとう国家規模のネズミ講に進展していき、ついに住宅バブルが崩壊したというわけです。

 

アメリカの住宅ローンの破綻が、なぜ世界同時不況につながるのか、日本にいると分かりづらいところがありますよね。

この作品は、そんな疑問にテンポのいい編集と明快な解説で答えてくれます。

この金融危機に関わった多くの人々へのインタビューから浮かび上がってくるのは、金融界、政界、経済学界がグルになって、大っぴらに行った犯罪は、誰も罪に問われないというアメリカの現実なんですね。

一般庶民たちは家も仕事も失うが、金持ちには税金が投入され、彼らの懐は一切痛みません。

それどころか、破たんした会社の首脳陣は、大儲けしてしまっているのです。

それも100億円単位で!

しかも、インタビューに応じた“戦犯”たちの多くは、まったく悪びれず、いまだに高給を取り続けています。

今のアメリカは、1%の悪党どもが巨額の富を手にするために、99%もの国民が貧困に苦しむ図式となっているのです。

 

多少、米経済の知識がないと、あの猛烈なテンポに付いていくのは難しいかもしれません。

実際、僕にも、分からない部分が何箇所かありました。

でも、そんなことを気にする必要は、一切ありません。

是非ともご覧になって、義憤を感じて頂きたい!

権力者や資本家がグルになると、庶民にはどうしようもない現実を直視して頂きたい!

政権が変わっても、本質は何一つ変わらないということを知って頂きたい!

 

我が国も、今、未曾有の危機に瀕していますが、その元凶を作ったのも、アメリカと同じ構造です。

利益の為なら危険を承知で推進していき(危険だからこそ、利権は大きいのです)、国民には間違った情報を与え続け、いざという時には、国民の血税を投入して対処を図る…。

責任の所在は、政府にあるのか、企業にあるのか、学者にあるのかは、明らかにされないままです。

結局、不利益を被るのは、国民という図式です。

私たちに、今何が出来るかは定かではありませんが、少なくとも、こういった映画を見て、現実の一端に触れてみる必要があるように思いました。

 

残念ながら、この作品、まもなく上映を終了する映画館が多いようです。

興味のある方は、お急ぎ下さい。

わたしを離さないで

 

計画停電は、関東地方の映画館にも、大きな影響を与えています。

夕方5時以降の上映を取り止める映画館も多いですし、中には、シネコンまるごと休業してしまったところもあります。

確かに、上映中に停電してしまったら、大変なことになりますからね。

 

昨日は、停電がないということだったので、久し振りに映画館に足を運んでみました。

そして、『わたしを離さないで』という作品を見てきました。

これは、素晴らしかった!

深い感動を覚えました。

今の時点で、「2011年公開作品の最高傑作」と断言して間違いないでしょう。

(ちなみに、昨年の最高傑作は『マチェーテ』でした)

 

『わたしを離さないで』は、カズオ・イシグロの書いた大ベストセラー小説の映画化作品です。

粗筋は以下の通りです。

 

キャシー、ルース、トミーの3人は、小さい頃から一緒だった。

田園地帯に佇む寄宿学校ヘールシャムで絵や詩の創作に励んだ日々。

しかし外界から完全に隔絶されたこの施設には幾つもの謎があり、キャシーたちは普通の人たちとは違う〈特別な存在〉としてこの世に生を受けたのだった。

18歳の時にヘールシャムを出た3人は、農場のコテージで共同生活を始める。

恋人同士となったルースとトミーを、複雑な思いで見つめるキャシー。

コテージを巣立って離ればなれになった彼女たちは、それぞれに定められた過酷な運命をまっとうしようと懸命に生きていく。

やがて訪れた再会の時、かけがえのない絆を確かめ合った3人に残された時間は、あまりにも短かった…。

 

決して、面白可笑しい作品ではありません。

グロテスクで生々しいシーンも幾つかあります。

結末も、ハッピーエンドではありません(超アンハッピーエンドです)。

娯楽を求めて、デートやレジャーで見に行ってはいけません。

(周りには、デートで見に来ていて、終映後、気まずい雰囲気になっているカップルが大勢見受けられました。また、ポップコーンを大量に買い込んで入場したのに、ほとんど手付かずのまま外に持ち出していく人もいましたよ。確かに、この映画を見ながら、ポップコーンは食べられない!)

芸術作品を鑑賞するスタンスでご覧頂きたいと思います。

”生”について、静かに考えることが出来る作品だと思います。

 

演出的にも、実に、僕好みです。

ファースト・シーンが、ラスト・シーンと同じ!

静かに静かに進行していき、大声を張り上げるシーンは(確か)1ヶ所だけです。

随所にメタファーを含んでいて、寓話的であると同時に、私たちの人生をも象徴しています。

特に、ラストのナレーションの余韻は何なんでしょう?

見事としか言いようがありません。

 

ぷにぷにパイレーツをご覧になったことのある方が、この映画を見たら、きっとこう思われることでしょう。

「石崎は、いつも、こういう作品を作ろうとして、失敗しているんだな…」って。

YouTube Video Awards Japan 2010

 

「YouTube Video Awards Japan 2010」の受賞作が発表されました。

これは、2010 年に YouTube に投稿された動画の中から、「アニメーション」、「ブログ・ハウツー」、「ペット・動物」、「音楽」、「実写・特撮」、「乗り物・テクノロジー」、「風景・夜景・自然」の 7部門で最も人気のある動画を、ユーザー投票で選出する動画大賞です。

いずれも、個性に溢れたユニークな作品ばかり! 

きっと、地上波TVの金太郎飴のような番組を見るよりも、遥かに面白く感じられる筈です。

(マスコミ業界で生きる僕が、こんなことを言ってはいけないのかもしれませんが…)

お時間のある時に、下記をクリックして覗いてみて下さい。

YouTube Video Awards Japan 2010

 

でも、実は、賞を逃したノミネート作品の方が、遥かに面白く感じます。

以下の動画もチェックしてみて下さいね。

ATELIER SIESTA(アトリエ・シエスタ)

Good bye Good boy

スラムドッグ$ミリオネア

2009年アカデミー賞で8冠を獲得した「スラムドッグ$ミリオネア」を見てきました。

ゴールデングローブ賞でも沢山の部門で受賞し、大変前評判の高かった作品です。

上映館を調べてみると、その数の少なさに驚きました。

劇場に行ってみると、客席もとても空いていて、拍子抜けした程です。

作品は、とても素晴らしいものでした。

粗筋と主な内容は、こんな感じです。

インドのスラム出身の少年ジャマールは人気番組「クイズ$ミリオネア」に出演し、あと1問で2000万ルピーを手にできるところまできた。しかし、これを面白く思わない番組のホストは警察に連絡。彼はズルをして正答を得ていたとされ、詐欺容疑で逮捕されてしまう。ジャマールは警察署での警官の厳しい尋問に対し、正答を知ることになった自分の過去を話し始める。そこには1人の少女を追い続けた彼の人生の物語があるのだった…。

発祥地イギリスはもちろん、日本など世界中でローカライズされ人気となっている「クイズ$ミリオネア」。難問の続くこのクイズ番組で最後の1問までたどり着いたスラム出身の少年ジャマールは、いかにしてその答えを知ることになったのか? 彼自身が過去を振り返ってその理由を話す中で、一途にある少女を思い続けた少年の人生が浮き彫りになっていく。ジャマール、彼の求める少女ラティカ、そしてジャマールの兄サリームの三人が紡ぐ物語は、純愛や欲望といったものが絡み合い非常にドラマチック。インドを中心に撮影された映像は、生命力と疾走感にあふれ、観る者をグイグイと引き込んでいく。

僕の大好きなダニー・ボイル監督ならではの、スタイリッシュでカッコいい映像が、テンポ良く展開されます。

特に、大胆なカットバックを多用した表現は、他の追随を許さない出来だったと思います。

ここ数年で、最も気に入った映画の一つです。

 

しかし、今ひとつ日本で大ヒットしないのも良く分かります。

ジョニー・デップやブラッド・ピットのような有名なスターが出演していないのが、まず第一の理由。

インドが舞台と言うのも、恐らく、日本人が触手を伸ばさない原因となっているでしょう。

そして、内容がとても悲惨なのも、客足を伸ばさない大きな要因となっていると思います。

予告編やTV・CMでは悲惨なシーンを一切見せていませんが、映画の99%以上は、インドのスラムの悲惨さを描いたものです。

(CMは、本編中の数少ない爽やかなシーンだけを繋いだものです)

実は、残虐なシーンのオンパレードです。

でも、ダニー・ボイル監督作品なら、それぐらい予想が付きそうなものですよね。

ですから、誰にでもお薦めできるわけではありません。

ストーリーだけを追いかけたい人や、映画で夢を見たい人には向いていないと思います。

でも、映画芸術ならではの表現を楽しみたい人、新たな映像世界を満喫したい人にとっては、必見の映画だと思います。

特に、ラストシーンの演出は、カッコいいですよ!

 

最近、同じような映画ばかりで食傷気味なあなた!

「スラムドッグ$ミリオネア」で、斬新な映像世界を満喫してみて下さい。